アタシが読んだ本のことなどをさらさらと……



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空飛ぶ広報室
評価:
有川 浩
幻冬舎
¥ 1,680
(2012-07-27)

これまた有川サンらしい一冊です。
子どものころからの夢だった航空飛行士。
それも憧れのブルーインパルスへの道が開けた途端、
不慮の事故により夢を立たれた自衛官が主人公の空井クン。

航空機に乗ることができなくなった彼は、広報室出の勤務を命じられる。
周りを固めるのは、やはり有川サンらく個性豊かなメンバーたち。
そして彼の心を開く役柄としては、報道関係者の稲葉サンを持ってきている。
彼女も入社以降報道畑でガンガンと突っ走っていたところ、
だんだんと周りとの摩擦が起きだして、とうとうテレビのほうへ異動となった。

空井も稲葉も、今の職務に対して不本意さを感じながらも
だんだんと打ち解けていき、お互いを大事な理解者と思うようになる。
……そうそう。
相変わらず少女漫画チックなんです。
そして話の展開もまた、同様に都合がとってもいい。
つまり、先が読めまくりな小説。
だけど、それが有川サンの小説なんだと思ってるんだけど。

この小説で取り上げているのは広報という業務。
自衛隊の中では特異な部署という扱いだが、
だいたいにおいて広報というのは、その他の事務屋とは違うシゴトだと思う。
以前、広報に携わっていた人から聴いた、広報という部署への異動に対する言葉。
「泣く泣く来て、泣く泣く去るのが広報」だという。
広報に異動になったときには、なんだか勝手が違うし大変そうだしイヤだと思うくせに
いざ広報を離れるとなると、寂しくて名残惜しくて……という。

そんな広報という分野の役割と併せて、自衛隊がなんたるかということまでを
人間関係に視点を置きながら、丁寧に説明されている。
しかも、あったかくていいハナシ。

この小説の中で稲葉サンが思う
「それまで記号で見ていた人たちのことを人間として見る」
という視点にドキリとした。
多くの人たちは、いろんな社会問題に対して記号で受け取りがちなんじゃないかなと。
「自衛隊の人」というのと、「自衛隊の広報担当の空井さん」というのとでは、
まったく見方が違ってくるんだと思う。
きちんと相手を個別に認識して、丁寧に接していくこと、忘れちゃダメだな〜って。

ところでこの小説、最終章は後付けのようです。
ってあとがきに書いてあった。
自衛隊を扱う小説を出すのに、3.11にふれずにはいられない
といった思いから、追加したというようなことが書かれていたけど、
いるかな〜コレ。

確かにこの最終章を読みながら、アタシもしっかり泣きました。
そこにいる空井を東京から案じる稲葉の気持ちとか、
被災地での活動で心をすっかり痛めながらも、
それでもなお、手を差し出そうとする自衛隊の人たちの様子には心を打たれたし。

あの日の松島。というかあの日繰り返し流された映像はやっぱり忘れられない。
そしてそのときの基地の様子なんかも、小説で伝えようという心意気も分からなくもないけど。
なんだか、それならそれで別のものをきちんと出したほうがよかったんじゃないのかなぁ。
多くの人たちは、この章があってこそだと思って読むのかもしれないけど、
アタシ的にはちょっと違和感が残ったな。


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