アタシが読んだ本のことなどをさらさらと……



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新月譚
評価:
貫井 徳郎
文藝春秋
¥ 2,205
(2012-04)

貫井さんの小説のなかでは『慟哭』のあの雰囲気。
それをもっと深めていったら、こんなに暗くて重い小説ができましたって感じかな。
なんせアタシの貫井さんデビューは『悪党たちは千里を走る』ですから。
作者の小説の中ではちょっと異質なものから入ったのかも。

ずっしりと分厚い単行本だけど、割と時間がかからず読みきってしまえる。
だけど、本当に同じことを繰り返す男と女。
同じ言葉で同じようなシーンが語られている場面がいくつもあるが、これもあえてということか。

ベストセラーを連発していた女性作家が50歳にもならないうちに筆を折った。
その作家のファンであった男が編集者となり、彼女の元に足を運ぶ。
そして、その作家が若い編集者に語りだした絶筆の理由と自身の半生。

器量がよくないせいで性格も地味で友達も少ない。
そんな彼女が、木ノ内という男と出会って人生を変えていく。
不誠実の塊のような、だけど正直で限りなく優しくて強い男。
二十代前半でそんな男に出会い、その先の人生をその男に振り回されて生きている。
自分のほかに女性と交際するという状況に慣れ、自分の友人と結婚をされてさえなお男を好きだという。
バカな女だと言ってしまうのは簡単だろうけど、やっぱり共感する部分はあったりして。

どこまでもネガティブでありながら、一方ではすごく負けず嫌いで、
自分に自信がなくて周りに合わせているようでいて、ものすごく頑固で。
なんていうのかな。人間が持っている多面性をいやというほど見せ付けられるような小説。

好き嫌いがざくっと分かれるような小説だな。
暗くてどろどろした雰囲気が終始漂う。
だけど、人間ってこういうもんよね〜。
というか、やっぱりこの暗さと重さは良くも悪くも印象に残る。
アタシは嫌いじゃないかな。

ただ読み終わってから、なんとなく作者はこの主人公の女に自分を描こうと思ったのかもしれない。
主人公が自らが書く暗くて重い小説を「人に好かれなくても自分にしかかけないもの」と言い切る強さ。
もしかしたら小説の中の主人公と同様に、貫井氏もこの作品で賞を狙おうって感じかな?
と、つい穿った見方をしてしまう自分にちょっと苦笑い。



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| 貫井 徳郎 | 23:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
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