アタシが読んだ本のことなどをさらさらと……



スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています



| - | | - | - |
ひまわり事件
評価:
荻原 浩
文藝春秋
¥ 1,890
(2009-11-13)

荻原サンの新作が出てたの見過ごしてた。
やっぱり中盤から勢いづいてしまって、また寝不足。
作者らしい感じのものでした。

舞台は幼稚園と隣接する老人ホーム。
どちらも同じ地元議会議員が経営する系列施設。
シーンはこの2か所を交互に往復する。
主役はひまわり幼稚園に通う男女4人と老人ホームのジジババ。
そしてテーマは「闘い」。
闘いに立ち上がるのは、成年でも中年でもなく老人と子供たち。

最初は幼稚園の様子と老人ホームの様子が描かれるところから始まる。
この設定でどんな展開になるのか?と思いながら読み始めた。
最初の展開は、この2つの施設の間の壁を取り払って、お互いに行き来しようという話。
老人と子供とのふれあい。ありがちな話だ。
ところがお互いにとってそれはちょっとした難関。
子供にとって老人たちは妖怪そのもののように見える。
老人たちにとって子どもたちは、そんなにほほえましいものではなくただうるさいだけ。
それを無理やり交流させようとするから面倒くさい。

押しつけの交流はうまくいかなくても、ちょっとしたきっかけで仲良くなる子どもと老人。
たまたま一緒にひまわりの種を植えてから、仲良くなった子供たちはたびたび老人ホームを訪れるようになる。
危ないから缶蹴りはダメとか発表会の劇はみんな公平な役じゃないとダメとか。
くだらない制約ばかりの幼稚園を抜け出して、老人たちとテレビを見たり麻雀をしたり。
ところが今度はまた2つの施設の間に壁を作ろうとする。

そうこうしているうちに老人ホームでは入所者が問題を提起する。
施設入所の一時金の返還の問題や、一時金を返さなくてよくなったとたん追い出すようなやり方に疑問を投げかける。
一方幼稚園でも、保護者の目を気にした園長が配役を勝手に変えたり、反発した担任を外したりして子供たちを傷つける。

そこで事件が起きる。
ていうか闘いが起きる。
気に入らないことがあってもただ黙っているだけでいいのか?
そう問いかける老人。
そして不満を抱えた子供たちもそれに乗っかる。

登場人物は作者らしく、だれもが魅力的。
偏屈なおばあさんまで最後にはかわいく見えてしまうほど。
途中はとてもドタバタと騒々しいが、終わり方は実に静か。
こういう静かな闘い方もあるんだな〜。


JUGEMテーマ:読書




| 荻原 浩 | 19:46 | comments(0) | trackbacks(0) |
スポンサーサイト


| - | 19:46 | - | - |
コメント

コメントする









この記事のトラックバックURL
http://pumila.jugem.cc/trackback/1381

トラックバック


SMTWTFS
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< June 2018 >>
CATEGORIES
LINK
RECENT ENTRIES
ARCHIVES
RECENT COMMENTS

RECENT TRACKBACK

PROFILE
RECOMMEND