アタシが読んだ本のことなどをさらさらと……



スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています



| - | | - | - |
追想五断章
評価:
米澤 穂信
集英社
¥ 1,365
(2009-08)

米澤氏の新作。
アタシがイメージしている作者の作風とはちょっと違う感じかな。

主人公のちょっとやりきれない雰囲気がいい。
学費がままならなくなり大学を休学し、叔父の古書店に居候兼バイトの身。
店番中の彼の前に現れた女性客から、彼女の亡父が書いた5つの小説を探してほしいという依頼を受ける。
彼はその小説を探しながら、自分のことも考えるようになる。

この彼が、その小説を探しながら思う己の人生観になんとなく共感する。
小説を書き残した男の人生は、波乱にとんでいて良くも悪くも主人公のように見える。
一方自分の人生はどうだろう?
取り立てて物語と呼べるようなものさえないのではないか。
そんな気持ちってなんか分かるような気がする。

さて。この小説は、彼が小説探しをするシーンのあと、そこで見つけた小説が出くる。
小説はどれも結末が描かれていないもので、依頼人の娘がその結末だけを書いたものを持っている。
その小説と結末とをつなげたあと、また彼のその後のことが描かれる。
5つの小説があるので、これらが繰り返される。
途中で、この小説を書いた男が、22年前の妻の死に関わったという容疑を受けていたことが分かる。
一つずつ小説が見つかるごとに、少しずつその小説の作者像が浮かんできて、そして古書店の彼もそれについて考ていく。

5つの小説をなぜ故人は書いたのか?
これらの小説にはどんな意図があるのか?
結局グレーのままで今を迎えている22年前の事件の真相は果たして?
いろんなことを考えながら読ませてくれる。
ミステリ好きは割と気に入るタイプかも。

どっちかといえばハッピーエンドではないけど、それでもなんかちょっと前を向いた感じで終わってくれてる。
この感じ、上手いな〜。


JUGEMテーマ:読書




| 米澤 穂信 | 12:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
スポンサーサイト


| - | 12:40 | - | - |
コメント

コメントする









この記事のトラックバックURL
http://pumila.jugem.cc/trackback/1326

トラックバック


SMTWTFS
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< December 2018 >>
CATEGORIES
LINK
RECENT ENTRIES
ARCHIVES
RECENT COMMENTS

RECENT TRACKBACK

PROFILE
RECOMMEND