アタシが読んだ本のことなどをさらさらと……



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希望ヶ丘の人びと
評価:
重松 清
小学館
¥ 1,785
(2009-01-16)

これぞアタシが待ってた重松サンの真骨頂というべき一冊。
何か近頃短編集ばっかり読んでたような感じなので、こういう期待通りの重松サン、うれしい。

いわゆるニュータウンが舞台のファミリーモノ。
最近こういう設定多いけど、これもまた父子家庭の父が主人公。
亡き妻の故郷であるニュータウンに、中学生の娘と小学生の息子と共に引っ越してきた田島さん。
すごく排他的な地域の中でおきる、モンスターペアレントやイジメや高圧的な教師やいろんな問題と対峙する。
そんな中で、亡き妻を知る人たちと少しずつ知り合いながら、ニュータウンならではの人間関係に翻弄され、そして受け入れ、なじんでいく。

主人公は重松サンの作品では見飽きるほど出てくる、ちょっと気が弱くて流され気味の、でもやるときはやるオッサン。
その娘はちょっと影のある感じの、でもしっかりモノのいい娘。
弟は人懐っこくてやんちゃな、でも心の優しい男の子。
出会う人たちも、とっても嫌なヤツだけど、最後にはどこか人間らしさを出して、悪いばかりの人ではない。
社会からつまはじきにされているような不良たちも、本当のところはとても素直でいい子ばかり。
もう、ありがちづくしの登場人物たちである。
なんのビックリもないような設定。
あ〜また……。と思いつつも、このお約束どおりの設定に安心しつつ、読みながら彼らを応援したくなるような。

そしてストーリーのほうもまた然りである。
なんとも都合のいい話なのだ。
亡き妻の友人や初恋の人など、次々とつながっていくという設定もかなり無理があるだろう。
そしてその初恋の人のトンガリ具合もまた無理があるだろう。
矢沢栄吉バリに学校に乗り込んでいって一発カマすって設定も、冷静に考えればバカげてるし、それで生徒たちが変わっていくという設定もあまりにも漫画的だろう。
そんなご都合主義の話がゴロゴロと出てくるけど、それでもやっぱりこの小説はいいと思える。

なんだろうなぁ……。
とにかくまぁ、優しさが満ち溢れてるって感じかな。
人って、強くて優しくて、でも弱いところや嫌なところもいっぱいあって……。
それでもやっぱり、人って強くて優しいモンだなぁって思わせてくれる。
なんだかんだ言ったって、人間、優しさってもんにはトコトン弱いんだわ。

そして舞台となっているニュータウン。
同じような時期に同じような家族構成で、同じような年収の家族が家を建てるという、その地域の特性。
家が建つより先に予め作られた道はまっすぐで、似たような家が立ち並び、住人でさえも迷いそうな地図。
そうやって、いろんなことが同レベルであるという条件の下にできかがった町では、とりわけ「みんなと同じ」という思考が強い。
そんな中、「みんなと同じじゃない」というだけで、弱いものも強いものもハジかれる。
ソレを地域の特性という捕らえで描かれている。
まぁ、程度の差はあれ、日本ってそういうところ、やっぱりあると思う。
そんな中で、どうやってそれに立ち向かい、生きていくのか。

問題は勝つことじゃなくて、勝負することだという言葉があった。
落ちこぼれ、不良とハジかれた人たちには、勝負の場所すら与えられない。
なんだか切ないハナシですわな。

とにかくまぁ、さっさと寝ようと思いながらついつい読みふけってしまった一冊。
希望ってなんだろうな。
子どもが希望を持って生きられる世の中ってステキ。
それには大人も希望を持って生きていかなきゃだわ。



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