アタシが読んだ本のことなどをさらさらと……



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乱反射
評価:
貫井 徳郎
朝日新聞出版
¥ 1,890
(2009-02-20)

いやいやいや〜。
コレはなんともやりきれない感じの社会派小説。
ザラリとざらつく気持ちで読んだ。
ただ、面白かった。
っていえば語弊があるかもしれないけど。

街路樹が倒れてベビーカーを直撃。
乗っていた2歳の子どもが亡くなった。
というような事故は確かに痛ましい。
だけど、そう特異な事故というわけでもなく、報道を目にした人の記憶に深く残るものでもないのかもしれない。

「事故だから」と怒りのやり場もなく失意の父親が事件の背景を調べる。
それは偶然の不運な事故であるには違いないが、その事故は起こるべくして起こったのかもしれない。
誰かのほんのちょっとしたマナー違反が積み重なって、事故を起こしていたとしたら。
誰かの行動と誰かの行動がリンクしていって、必然的に起きた事故だとしたらどうだろう?

ある者は、病院の待ち時間を避けるため軽症でもなんでも夜間救急診療を利用する。
ある者は、散歩時の犬の糞を放置し続る。
ある者は、周囲に認められたいがために環境保全運動を行う。
ある者は、苦手な車の運転を放棄する。
ある者は、自分の範疇以外の仕事に接しないよう細心の注意を払う。
ある者は、自分の病気を公表できないまま、自分の仕事をたった一つやり残す。
そしてある者は、自宅のゴミをパーキングエリアのゴミ箱に捨てる。

……そんなちょっとした身勝手さやルール違反、マナー違反。
誰でも一度は経験があるんじゃないかと思う。
アタシも胸に手を当てると……あるね〜。
そして大半のこうした行動には本人なりの理由がある。
止むに止まれずしていたマナー違反だったりすることもあるかもしれない。
だけど、それが回りまわって人を殺してしまっていたりしたら……。
想像するだけでゾッとする。

そしてこの父親も事故を調べるうちに、やりきれなさを募らせる。
彼らは法を犯しているわけでなく、やむを得なくルール違反をしただけ。
そしてモラルでは罰することはできない。
読んでるこっちまで、なんだかやりきれない気分になった。

最初は登場人物ごとに短い章立ての中で、バラバラに様子が描かれている。
そして最後にはそれらがつながっていって……。
登場人物の大半が、殺人の原因を作っている。
言い換えれば、出てくる人たちみんなが犯人!?
なんともまぁ、恐ろしい小説だこと。

あっという間に読み終えたあと、自分の行動を省みるいい機会になった。
当たり前のルールやマナーを守れなくなったと言われている昨今だけど、やっぱりそれじゃダメよね。
自分だけがよければ。
一回だけなら。
そんな思いからのちょっとした軽率な行動が、どうつながっていくのか。
そういうのを考えていくと、やっぱり守るべきルールってあるんよね〜。
想像力って大事だわ。

内容(「BOOK」データベースより)
幼い命の死。報われぬ悲しみ。
遺された家族は、ただ慟哭するしかないのか?
良識派の主婦、怠慢な医師、深夜外来の常習者、無気力な公務員、尊大な定年退職者。
複雑に絡み合うエゴイズムの果て、悲劇は起こった…。
罪さえ問えぬ人災の連鎖を暴く、全く新しい社会派エンターテインメント。

登録情報
単行本: 516ページ
出版社: 朝日新聞出版 (2009/2/20)
ISBN-10: 4022505419
ISBN-13: 978-4022505415
発売日: 2009/2/20

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| 貫井 徳郎 | 12:45 | comments(0) | trackbacks(0) |
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