アタシが読んだ本のことなどをさらさらと……



スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています



| - | | - | - |
ファミリーポートレイト
ファミリーポートレイト
ファミリーポートレイト
桜庭 一樹

なんだかなぁ……。
あんまりよくわからないなぁ……。
っていうのが正直な感想かな。
この人の小説ってだいたいこういう雰囲気かも。
なんとなく湿度が高いっていうか、薄暗いっていうか。

小説は二部構成になってる。
最初のほうは、主人公コマコの子ども時代を描いていえる。
それは母と2人の旅のような日々。
父親というものの存在を知らず、世の中で大事なものは母だけ。
2人は誰かから逃げていて、追いつかれそうになるとそのたび別の場所に移り新しい生活をする。
時にはそこにいないかのように、時には大人の女のように、時には少年のように、時には家畜のように。
その時々で自分の役割を演じることで、母を守ろううとしていたコマコ。

優しく美しい母は時にコマコを痛めつける。
ついて来る?と問いかけながら次の町に向かう母。
ついていかないわけがない娘のコマコ。
だけど実はその母は娘である幼いコマコだけが頼りなんだろうな。
なんとも暗くて気分が晴れることのないような日々が延々と描かれている。

そして後半の部は、母が死に、2人をずっと追っていた父に引き取られてからのコマコ。
母親がいないことの喪失感を埋めることが出来ないまま少しずつ歳を重ねていく。
その中で仕事をしたり、恋愛をしたりするものの、人間的な暮らしができない。
普通に食事をしたりベッドで寝たり周りの人との関係を築いたり。
そういう社会的な生活ができないまま、それでもそれなりに日々を重ねる。

そうこうしているうちに彼女が作家になる。
母との旅の中で染み付いた深い想像力。厭世的な目線。
そうして作家として認められ、大きな賞をもらい……。

幼い頃に決定的に社会的じゃない育てられ方をした子どもはどうなるのか。
母と2人きりの生活を幸せだと思っていて、それから抜け出せいまま大人になったコマコはどうなるのか。
……などと考えたりもしたけど、最後がなんとなくねぇ。
まぁるく収まってしまったかんじ?
大人になって作家になって賞ももらって社会的に認められてからでさえ、破天荒なままのコマコだったのに。
誰かを好きになったり母親になったりするということで、そういうのってなくなっちゃったのかな。
結構長くて暗い感じの話をコツコツと読んだけど、なんかちょっとガッカリ。

内容紹介
あなたとは、この世の果てまでいっしょよ。
呪いのように。
親子、だもの。
直木賞受賞後初の書き下ろし長編1000枚。
全身全霊感動のエンディングを迎える、恐るべき最高傑作!
ママの名前は、マコ。マコの娘は、コマコ。
うつくしく、若く、魂は七色に輝く、そしてどうしようもなく残酷な母の“ちいさな神”として生まれた娘の5歳から34歳までを描く。

登録情報
単行本: 517ページ
出版社: 講談社 (2008/11/21)
ISBN-10: 4062151324
ISBN-13: 978-4062151320
発売日: 2008/11/21

JUGEMテーマ:読書




| 桜庭 一樹 | 22:21 | comments(0) | trackbacks(0) |
荒野
荒野
荒野
桜庭 一樹

少女を書かせたら、このヒトの視線はものすごくリアルでいいと思う。
直木賞作品の前作でもやっぱり少女を扱ってはいたけど、アレはちょっとアタシは好きになれなかった。
けど、今回のコレは、アレとは趣が違う感じに仕上がっていて、なんかイイ感じに仕上がっていて好き。

山之内荒野、12歳。
彼女が、少しずつ大人になっていく様子を描いたもの。
まだ「女」というものではなく、次々と変わる父の周りの女のヒトから受ける印象から、「女」の気配にとまどい、嫌悪感を覚えながら生きている。
そんな彼女も、「女」というものを分かるようになって、自分も少しずつ女になっていく。

なんか儚げな少女の印象を残しつつも、恋をして少しずつ自分の中の「女」を意識するようになる。
あの感じが、なんだかいい感じで描かれているのがいいなぁ。

あぁ、そういうのあったな〜というような感じの懐かしさはないんだけど、どことなく懐かしいような感じがするのはなぜだろう?
形は違えども、誰もが少女から女になる間に感じることなのかなぁ。
最後は優しい感じ。
そう。女は醜くて汚い部分もたくさんあるけど、やっぱり切なくて優しい生き物ですから。

内容紹介
山野内荒野、十二歳。
恋愛小説家の父と暮らす少女に、新しい家族がやってきた。“恋”とは、“好き”とは?
感動の直木賞受賞第一作。

単行本: 506ページ
出版社: 文藝春秋 (2008/5/28)
ISBN-10: 416327040X
ISBN-13: 978-4163270401
発売日: 2008/5/28

JUGEMテーマ:読書




| 桜庭 一樹 | 20:46 | comments(0) | trackbacks(1) |
少女には向かない職業
少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)
少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)
桜庭 一樹

この人の小説は海の近くの話が多いイメージがある。
たまたまアタシが読んだのがそうなのか。
そんな潮の香りがする島に住む中学生女子。
彼女とそのクラスメイトとの一年。

この年代特有の危うさと弱さと強さと。
そんなものが入り混じったような混沌としたイメージがとっても出ている。
大人たちに翻弄され、大人たちを忌み嫌い、だけどやっぱり大人たちに大事にされたくて。
切ないなぁ。

誰にだってこういう時期ってあるんだろう。
アタシにもあったんだろう。
あったような気がする。
思い起こそうとすれば、心の隅っことかに残ってるようなのが出てきそうな。

誰かを殺してしまいたいと思うこともあるだろう。
実際にそれをするかどうかは別にして。
そしてこの子は結果的に義父を殺してしまう。
ただ自分の弱さを自覚しているこの中学生には重過ぎる。
どうなるんだろ?この子たち。
なんて思って読んでいると、またまたリアルで切ないオチ。

この小説はやっぱり、大人の手前にいる子が読むべきなんだろう。
思い出そうと思って思い出す感覚じゃなくて、
まさに今リアルに感じている窮屈さとかをそのままこの小説に見ることができるんだろう。
中高生とかに読んでもらいたい感じかな。
あー。でもガッコの先生とかはこういうの薦めないのかな、やっぱり。
内容(「MARC」データベースより)
中学2年生の1年間で、あたし、大西葵13歳は、人をふたり殺した-。
これは、ふたりの少女の、血の噴き出すような闘いの記録。
痛切なストーリーが胸を抉る衝撃作。

単行本(ソフトカバー): 240ページ
出版社: 東京創元社 (2005/9/22)
ISBN-10: 4488017193
ISBN-13: 978-4488017194
発売日: 2005/9/22




| 桜庭 一樹 | 21:08 | comments(0) | trackbacks(0) |
私の男
私の男
私の男
桜庭 一樹

直木賞……。
こういう賞モノ、これまでの傾向からガッカリすることが多いというのを知りつつも、懲りずに読んでみようとする自分のチャレンジ精神だけはすばらしいと思う。
そして。読んでみた。

……なんだろうなぁ。
このインモラルな匂いがプンプンと漂うような感じ。
こういう系って、やっぱり生理的に好きになれない。
殺人とか近親相姦とか、明るい家族というのとはかけ離れた位置にある義父と娘。
この二人の関係が、ときに不気味で気持ち悪く、ときに儚く危うくて優しい。

震災孤児となった9歳の花という娘を避難所に引き取りにきたのは、自称親戚。
とても若い父親と花との二人っきりの生活。
絶望的で自堕落で、それでいて離れられない。
そんな行き詰った感じがよく出ている。
他人から見たら不幸の塊のように見えるかもしれないし、仲良く幸せな家族に見えるかもしれない。
そして本人にしてみても、たまらなく幸せでいて、つらくて仕方ないのかもしれない。
そんな裏と表とが合わさったような、そんな小説。

この小説は花の結婚直前の場面から始まる。
離れがたい義父から離れるためのきっかけに、結婚を選んだ花。
このあたりはなんだか不思議なハナシだなぁと思いながら読んでいた。
それから章を追うごとに、時はさかのぼっていく。

この義父がなんともいえない。
最初、つまり小説の冒頭では、気だるさいっぱいの怪しげなオジサンでしかない。
彼が章を追うごとに、生きた人間として描かれるようになってくる。
最終章は、花と義父との出会いの場面からが描かれる。
ここで彼はものすごく活き活きと前向きな雰囲気に。
こういうオトコ、アタシは好きかも知れない。

ただ、この小説自体をどう思うか?と改めて考えてみると、やっぱりもう一度読み返してみようと思うようなものではないだろう。

出版社 / 著者からの内容紹介
お父さんからは夜の匂いがした。
狂気にみちた愛のもとでは善と悪の境もない。
暗い北の海から逃げてきた父と娘の過去を、美しく力強い筆致で抉りだす著者の真骨頂『私の男』。

単行本: 381ページ
出版社: 文藝春秋 (2008/2/19)
ISBN-10: 4163264302
ISBN-13: 978-4163264301
発売日: 2008/2/19

JUGEMテーマ:読書


| 桜庭 一樹 | 22:05 | comments(0) | trackbacks(1) |
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet
桜庭 一樹

このテのタイトル、なんか気になってしまうのだわ。
ってことで、甘くてハードボイルドでそして長いタイトルで選んだ一冊。
昨日読んでたのが、なんともアタシの思考能力では理解不能なものだったため、これもまぁ適当に読むつもりで開いた。

殺人事件だ。しかも最初のページで結末が登場するというパターンの。
そしてこの結末を示す冒頭部分から、1ヶ月さかのぼったところから、物語が始まる。
出てくるのは13歳の子どもたち。
まったくの子どもでもないけど、決して大人じゃない年代。
まぁ、最初のころはそんなこと意識することもなく読んでいた。

二学期が始まってやってきた転校生。
海野藻屑。なんじゃその名前は?とまず訝しんでしまった。
なんだかね、やたら凝った名前とかおかしな名前とかを登場人物に付けたがる作家ってどうも胡散臭く思えるのよね〜。
で、これもそういうパターンなのかと思ったが、実はそうではなかったみたい。

転校生の女の子は自分のことを「ぼく」と呼称し、そして人魚だという。
そしておかしな言動を繰り返す。
方や主人公は、この年代ですでに現実だけを見る女の子。
母子家庭。兄はひきこもりで神レベル(というか人間らしくない)。
そんな中、夢とか希望とかあこがれとかいうヤワな感情を捨てて、ひたすら現実を見据える。
これは彼女いわく実弾。
生きていくためには実弾を撃たなければならない。
そして彼女の目下の実弾は働くこと。
中学校を卒業したら高校に行かずに自衛隊に入ることを決めている。

そんな主人公に「友だちになって」と言いながら奇行を繰り返す藻屑。
足をひきずり痣だらけの彼女は、それを自分が人魚であるがゆえのものだと言い張る。
あくまで自分は人魚であるといい、人の話を聞こえないふりをしたりする。
なんてイヤな子なんだと思う一方、もしかしたらこの子本当に人魚っていう設定なのかな?なんて思いながら読んでいた。
そんな中、話は一気に現実味を帯びる。
だけど時はすでに遅く……。

要は児童虐待だ。
父親からの虐待を受け、心身ともにボロボロになりながらも、外では決してそれを言わない。
あぁ。確かにそういうのあるらしい。
ストックホルム症候群って言うんだって。
ひどいことをされ続けているのに、逆に犯人に愛情を感じてしまうとか、そういうの。

なんて暗くて悲しくてリアルな小説なんだろう。
と、ものすごくブルーな気分になってしまった。
いま、いろんなところで児童虐待という言葉が聞かれるけど、これって恐ろしく悲しい話。
子どもは親を選ぶことができない。
そして親の庇護の元で生きることを余儀なくされている。
その環境によっては、それはまさにサバイバル。
そのサバイバルを生き残った者だけが大人になれる。
そのサバイバルの中、子どもたちは砂糖でできた弾丸をただただ撃つしかできない。
だけど砂糖菓子の弾丸じゃ、戦うことはできないんだわ。

終盤、彼女らの担任がものすごく正しい大人に見える。
「子どもには安心が一番大事なんだ」って、当たり前のことを言ってるだけなんだけどね。
こういう事件が起きるたびに、物知り顔のコメンテーターたちがなんだかんだと理屈を述べるのを見かけるが、それはアタシをすごく冷めた気分にさせる。
この担任が言うように、現代の病魔だとか闇だとか関係ない。子どもを殺す親は頭がおかしいんだ!ってアタシもそう思う。

この事件を通り越して、主人公はひとつ大人になり、そして彼女の兄は人間に戻る。
そして実弾は、彼女ではなく彼女の兄が撃つことになり、彼女は実弾で自らの身を守ることはしなくてよくなる。
そうです。
実弾は周りの大人が子どもを守るために撃てばいい。
子どもにそれを与えて自分でガンバレっていうもんじゃないでしょ。
ということで、本読んでエキサイトしたのは久しぶりかも。

出版社/著者からの内容紹介
桜庭一樹の原点、青春暗黒ミステリーが単行本化!
どこにも行く場所がなく、そしてどこかに逃げたいと思っていた。
そんな13歳の二人の少女が出会った。
リアリストの山田なぎさと不思議系転校生の海野藻屑。
すべては生きるために、生き残っていくために。


単行本: 208ページ
出版社: 富士見書房 (2007/03)
ISBN-10: 4829176342
ISBN-13: 978-4829176344
発売日: 2007/03

JUGEMテーマ:読書




| 桜庭 一樹 | 13:29 | comments(1) | trackbacks(7) |
青年のための読書クラブ
青年のための読書クラブ
青年のための読書クラブ
桜庭 一樹

地元作家ということで、ちょっと気になっていた桜庭サン。
ようやく一冊読んでみた。
リズムのある歯切れのいい文章が割と好き。

外国人の修道女が始めた女学院。
ここで延々と繰り返される女学生たちの生活。
品よく美しくそしてなにかのベールで包まれたように神秘的に見える学園。
その内部には、やっぱりちょっと趣が違う女性ともいる。
そんなちょっとした異単子たちが集うのが「読書クラブ」。
この小説は、その「読書クラブ」の歴史をつづったクラブ誌の形をとられている。

好きか嫌いかといえば、実は好きではないタイプ。
なんていっても自分のことを「ぼく」とかいう女子に、どうしても引いてしまうし。
ただ、創立の歴史を描いた章とか、全体的な流れとか、そういうツクリは意外といい。
そしてこの終わり方も、なんかオチっぽいけど好きかな。
周りの集団と趣を異にする人間たちが集う場所というのは、時代を経て、場所を変えて存在して、それが連綿と続いていく。
なんか最後はニヤリとしてしまうような。
女たち。あっぱれ。

出版社 / 著者からの内容紹介
東京・山の手の伝統あるお嬢様学校、聖マリアナ学園。
校内の異端者だけが集う「読書クラブ」には、長きにわたって語り継がれる秘密の〈クラブ誌〉があった。
そこには学園史上抹消された数々の珍事件が、名もない女生徒たちによって脈々と記録され続けていた――。
今もっとも注目の奇才が放つ、史上最強にアヴァンギャルドな“桜の園”の100年間。

単行本: 231ページ
出版社: 新潮社 (2007/06)
ISBN-10: 4103049510
ISBN-13: 978-4103049517
発売日: 2007/06
JUGEMテーマ:読書




| 桜庭 一樹 | 23:02 | comments(0) | trackbacks(0) |


SMTWTFS
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< April 2017 >>
CATEGORIES
LINK
RECENT ENTRIES
ARCHIVES
RECENT COMMENTS

RECENT TRACKBACK

PROFILE
RECOMMEND