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アタシが読んだ本のことなどをさらさらと……
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2016.09.26 Monday
珠玉の短編
2012.01.13 Friday
ジェントルマン
どちらかというと、アタシにはだんだんと読みやすい雰囲気になってきていたような。 ところが今作はまぁ、ちょっととんがった感じね。 中学生のころから才色兼備で、その上ユーモアもあり誰からも好かれる男、漱太郎。 誰もが憧れや親しみをこめて見つめる漱太郎のことを醒めた目で見る同級生の夢生と圭子。 二人は漱太郎への視点が同じコトから男女の仲を越えて親友となる。 そんなおり、漱太郎のどす黒い裏の部分を知ってしまった夢生。 その瞬間から、夢生は自らの漱太郎への思いに気づく。 同姓を愛するというマイノリティたちを描きながらも、 リアリティを感じさせる描き方は、作者の力量かな。 大人になってもなお、夢生は漱太郎のことだけを思い生きている。 漱太郎は一見普通の、ちょっと華やかな生活を送りつつ、暗黒面はますます深くなっている。 あんか結末はもう泥沼もイイトコロって感じなんだけど、 アタシとしては圭子の想いが気になって仕方なかったな〜。 夢生への思いを、親友という立場がさえぎってしまうっていう。 ものすごくゆがんだ人たちばかりの小説は、 やっぱり読んでいて疲れるし、楽しくないなぁ。 もうちょっと楽しいの、よみたい。 JUGEMテーマ:読書 JUGEMテーマ:最近読んだ本 2009.09.16 Wednesday
学問
それが近年は作風がガラリと変わったような気がしていた。 この『学問』は以前の山田サンっぽい雰囲気のもののような気がした。 小学生のときに田舎町に転校してきた女の子。 彼女がそこで最初に知り合った男の子と隣に住む女の子、そして彼らと仲良しのもう一人の男の子。 この4人は幼馴染としてそのまま大きくなっていく。 中学生になり高校生になり。 その間に、女の子は女の子で、男の子は男の子で性に目覚めていく。 一応は性への目覚めを核にしているようだけど、全体的にはもっと深い何か。 初恋とか人間を見る目とか、そういう大事なものをふんわりと思い起こさせてくれるような感じかな。 JUGEMテーマ:読書 2008.01.17 Thursday
風味絶佳
風味絶佳 山田 詠美 人の人生って、どんなに普通に生きてる人であっても、それをじっと眺めてみると、どれにも深い味わいがある。 そんなことをぼんやりと思いの下敷きにしながら読ませるような短編が6編。 ここに出てくる人たちの職業が一風変わっている。 アタシがかっこいいと思えるようなものばかり。 だけど、世の中の人たちから羨ましがられるようなものではないんだろう。 米軍基地の近くでバーを営む女。 とび職の男。 ごみ収集業や配水管なんかの清掃業や火葬場での仕事。 けどここで決してその仕事のことがメインではない。 そういう仕事をしている人と、家族や恋人との関係が書かれている。 その中で、やっぱりその仕事を選んでそれに向き合っている生き方が、ほのかににじみ出てくる。 この人の小説って、なんか変わったなぁ。 あ。これ前にも書いたような気がするけど。 ずいぶんと前のイメージは、なんか結末があってパツンと終わるような印象が残ってる。 けどこれ、結末もオチもなくて、そのまま続いていく感じ。 生きていくって、そういうことなんだろう。 大きな区切りなんてほとんどなくて、毎日毎日のささいなことに向き合っていく。 小さいことに喜んだり悲しんだりしながら、それでも寝て起きたら次の日になっていて……。 本当にサラリとした文体で、内容もカラリとしている。 だけど妙にじんわりと染み入るような感じ。 意外とよかった。 しかしこの中に入っている表題作。 これって確か映画になってなかったか? この短編を映画にするって、いったいどんななんだ? 確かに不二子サンは恐ろしく素敵。印象的だし。 ただ何も起こらないコレを、何十分もの映画にするなんて、ちょっと想像がつかない。 もしやぜんっぜん違う感じのものになってるのか? 暇なときにDVDでも見てみようか。 出版社 / 著者からの内容紹介 「甘くとろけるもんは女の子だけじゃないんだから」。 孫にグランマと呼ぶことを強要する祖母・不二子は真っ赤なカマロの助手席にはボーイフレンドを、バッグには森永ミルクキャラメルを携え、70歳の今も現役ぶりを発揮する――。 鳶職の男を隅から隅まで慈しみ、彼のためなら何でもする女、「料理は性欲以上に愛の証」とばかりに、清掃作業員の彼に食べさせる料理に心血を注ぐ元主婦など、お互いにしかわからない本能の愛の形を描いた珠玉の6篇を収録。 単行本: 237ページ 出版社: 文藝春秋 (2005/5/15) ISBN-10: 4163239308 ISBN-13: 978-4163239309 発売日: 2005/5/15 JUGEMテーマ:読書 2007.08.09 Thursday
無銭優雅
無銭優雅 山田 詠美 すっごく久しぶりに詠美さんの小説を読んでみた。 昔、結構読んでたような気がするが、本当に数年ぶり……もっとかも?? なんかこのヒト、色が変わった?深くなった?って気がする。 読むほうのアタシが変わったせいなのかもしれないけど。 これは42歳男女の恋物語である。 42歳って、大人もオトナ。っていうかオジサン、オバサンに分類されてしかるべき年齢だろう。 だけど、彼らの日常はそんなにオトナオトナしてるわけじゃない。 ぱきっと割り切って、自分たちなりの恋愛を突き進もうじゃないか的な、すばらしい恋をする二人。 なんていうのかなぁ。 やっぱりヒト年取って……なんて言い方は悪いのかもしれないけど、 ある一定の年月を生きていくうちに、自分のこと、周りのこと、生き方、諦め方、そんないろんなことを知り、そしてめぐり合ったバッカみたいな恋愛。 ブラヴォーだ。 心の中の強さとか弱さとか、優しさの規準とか、愛情表現の仕方とか……。 なんだかとっても心に染み入る感じの小説だったわぁ。 あぁ。こういう何もなくても幸せっ!なんていうような相手、羨ましい。 出版社 / 著者からの内容紹介 大人になりそこねた男と女は、名作に導かれて、世にも真摯な三文小説を織り上げる。 いつか死ぬのは知っていた。けれど、死ぬまでは生きているのだ。 ささやかな日々の積み重ねが、こすり合わされて灯をともし、その人の生涯を照らす。 そして、照り返しで死を確認した時、満ち足りた気持で、生に飽きることが出来る。 私は、死を思いながら、死ぬまで、生きて行く。今わの際に、御馳走さま、とひと言、呟くために――。 内容(「MARC」データベースより) 「心中する前の日の心持ちで、つき合って行かないか?」 人生の後半に始めたオトコイ(大人の恋!?)に勤しむ、42歳の慈雨と栄。ふたりは今、死という代物に、世界で一番身勝手な価値を与えている-。書き下ろし長篇。 単行本: 228ページ 出版社: 幻冬舎 (2007/1/31) ISBN-10: 4344012844 ISBN-13: 978-4344012844 |
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