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アタシが読んだ本のことなどをさらさらと……
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2009.10.06 Tuesday
追想五断章
アタシがイメージしている作者の作風とはちょっと違う感じかな。 主人公のちょっとやりきれない雰囲気がいい。 学費がままならなくなり大学を休学し、叔父の古書店に居候兼バイトの身。 店番中の彼の前に現れた女性客から、彼女の亡父が書いた5つの小説を探してほしいという依頼を受ける。 彼はその小説を探しながら、自分のことも考えるようになる。 この彼が、その小説を探しながら思う己の人生観になんとなく共感する。 小説を書き残した男の人生は、波乱にとんでいて良くも悪くも主人公のように見える。 一方自分の人生はどうだろう? 取り立てて物語と呼べるようなものさえないのではないか。 そんな気持ちってなんか分かるような気がする。 さて。この小説は、彼が小説探しをするシーンのあと、そこで見つけた小説が出くる。 小説はどれも結末が描かれていないもので、依頼人の娘がその結末だけを書いたものを持っている。 その小説と結末とをつなげたあと、また彼のその後のことが描かれる。 5つの小説があるので、これらが繰り返される。 途中で、この小説を書いた男が、22年前の妻の死に関わったという容疑を受けていたことが分かる。 一つずつ小説が見つかるごとに、少しずつその小説の作者像が浮かんできて、そして古書店の彼もそれについて考ていく。 5つの小説をなぜ故人は書いたのか? これらの小説にはどんな意図があるのか? 結局グレーのままで今を迎えている22年前の事件の真相は果たして? いろんなことを考えながら読ませてくれる。 ミステリ好きは割と気に入るタイプかも。 どっちかといえばハッピーエンドではないけど、それでもなんかちょっと前を向いた感じで終わってくれてる。 この感じ、上手いな〜。 JUGEMテーマ:読書 2009.04.02 Thursday
儚い羊たちの祝宴
「ラスト一行で……」という解説が読む前に目に入ってしまったけど、果たしてそうかな? 全体的に戦前戦後の、ちょっと裕福な家庭を描いている。 どの章にも出てくるのが「バベルの会」という読書クラブ。 裕福な家庭の子が属する、夢想家の集まりのような感じなのかな? そしてどの章でも起きる殺人。 殺人事件と呼ぶにはちょっと違うような殺人。 瀟洒な中におどろおどろしい雰囲気があって、好きな人は好きだろうな。 「玉野五十鈴の誉れ」は、何かのアンソロジーで読んだな。 story sellerだったかもしれない。 あの雰囲気が前編に流れている感じ? 「身内に不幸がありまして」 「北の館の殺人」 「山荘秘聞」 「玉野五十鈴の誉れ」 「儚い羊たちの晩餐」 内容(「BOOK」データベースより) ミステリの醍醐味と言えば、終盤のどんでん返し。 中でも、「最後の一撃」と呼ばれる、ラストで鮮やかに真相を引っ繰り返す技は、短編の華であり至芸でもある。 本書は、更にその上をいく、「ラスト一行の衝撃」に徹底的にこだわった連作集。 古今東西、短編集は数あれど、収録作すべてがラスト一行で落ちるミステリは本書だけ。 登録情報 単行本: 253ページ 出版社: 新潮社 (2008/11) ISBN-10: 4103014725 ISBN-13: 978-4103014720 発売日: 2008/11 JUGEMテーマ:読書 2008.06.10 Tuesday
夏期限定トロピカルパフェ事件
夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫) 米澤 穂信 どうやらこれもまた順番を間違えて読んでしまったらしい。 やたらと「いちごタルト事件」とやらが出てきて、これがどうも前作らしい。 本作のメインの二人は、このいちごタルトからのコンビらしい。 そして彼らが目指す「小市民」の感じが、なんとなく漠然としてて、やっぱ順番間違えてるせいだな〜って。 失敗した。 とはいえこれもなかなか面白かった。 ライトノベルらしい雰囲気のミステリとでもいいましょうか。 最初のほうは、扱うことがなんだかものすごくちっちゃくて、なんだこりゃ?と思ったけど。 なんせ3つ買って来たケーキを一人でさきに一つ食べちゃって、それをもともと2つしか買わなかったことにするために……などという展開。 小学生レベルのミステリなのかとちょっと心配したけど、最後まで読んでみるとそうでもなくってホッとした。 いちごタルトが春期限定で、このトロピカルパフェが夏期限定なら、秋期限定、冬期限定と続いているのかしらね。やっぱり。 さらりと軽い割には、途中でダレることもなく、さくさく読めるので、意外と気に入った。 内容(「BOOK」データベースより) 小市民たるもの、日々を平穏に過ごす生活態度を獲得せんと希求し、それを妨げる事々に対しては断固として回避の立場を取るべし。 賢しらに名探偵を気取るなどもってのほか。 諦念と儀礼的無関心を心の中で育んで、そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を! そんな高校二年生・小鳩君の、この夏の運命を左右するのは“小佐内スイーツセレクション・夏”!? 待望のシリーズ第二弾。 文庫: 256ページ 出版社: 東京創元社 (2006/4/11) ISBN-10: 4488451020 ISBN-13: 978-4488451028 発売日: 2006/4/11 JUGEMテーマ:読書 2008.05.04 Sunday
クドリャフカの順番
クドリャフカの順番―「十文字」事件 米澤 穂信 高校生が学校の中で繰り広げるミステリ。 かと思って読み始めてみたけど、中盤まではただの学園モノでしかない。 文科系クラブが活発な学校にあって、地味で目立たない古典部員4人。 彼らが、発注ミスから印刷しすぎた文集をいかにして売ろうかという話。 えぇ〜〜っ!事件とか起きないの〜??? と思いながら、読み進むとようやく事件が勃発した。 「十文字」を名乗る犯人による連続盗難事件。 アカペラ部からアクエリアス、囲碁部から石……。 文化祭に参加している部からアイウエオ順に、その部の頭文字と同じモノが無くなっているという事件。 この事件を利用して、文集を売ることを思いついた古典部。 かわいいミステリというかなんというか。 人が死なないミステリというのも、いいもんだなぁって。 なんだかほのぼのとしてて。 どうやらこの古典部の4人は、このほかにも事件の謎を解いているようだ。 そう。これはどうやらシリーズモノらしい。 この小説の中にも幾度も出てくる「氷菓事件」ってのも、小説があるんだろうねぇ。きっと。 ということはアタシ、また順番を間違えて読んでしまったようだ。 とはいえ、この学園推理小説、割とおもしろい。 テンポがいいのか、キャラクターの立て方がいいのか。 4人がそれぞれの立場で語っていく感じの構成になっているせいなのか。 まぁ、とにかく読みやすい。 ということで、「氷菓」とやら、さかのぼって読んでようかな。 内容(「BOOK」データベースより) 待望の文化祭が始まった。 何事にも積極的に関わらず“省エネ”をモットーとする折木奉太郎は呑気に参加する予定だったが、彼が所属する古典部で大問題が発生。 手違いで文集を作りすぎたのだ。 部員が頭を抱えるそのとき、学内では奇妙な連続盗難事件が起きていた。 十文字と名乗る犯人が盗んだものは、碁石、タロットカード、水鉄砲―。 この事件を解決して古典部の知名度を上げよう! 目指すは文集の完売だ!! 千載一遇のチャンスを前に盛り上がる仲間たちに後押しされて、奉太郎は「十文字」事件の謎に挑むはめに! 米沢穂信が描く、さわやかでちょっぴりホロ苦い青春ミステリ。 単行本: 314ページ 出版社: 角川書店 (2005/07) ISBN-10: 4048736183 ISBN-13: 978-4048736183 発売日: 2005/07 2007.11.30 Friday
ボトルネック
ボトルネック 米澤 穂信 軽い感じの文体とは裏腹に、かなり重い内容。 状況を考えてみると、ひどく重くて暗くてやりきれない気分になる。 ボトルネックというタイトルについても、文中に一度出てくる。 なんかの説明の引用で出てくるんだけど、ないほうがいいもの、削除すべきもののメタファーとして。 なんだかもう「そりゃあんまりでしょ」という感じ。 高校1年生男子が主人公。 幼少のころから両親がそれぞれ恋人を持っていることに気づき、諍いが絶えない家庭。 その家でネグレクト状態であるのに、それさえ受け入れていた彼。 「自分のことを可哀想だとは思わない」という彼が恐ろしく不憫だ。 そんな彼が唯一心を傾けた同級生の女の子が崖から落ちて死んだ。 その死をようやく受け入れ、事故現場に弔いに行ったところで、彼もまた同じ崖に落ちる。 ところが崖から落ちたと思ったらなぜか地元にワープしている。 確かに知っている場所のはずなのに、そこは別の空間で……。 なんていうとファンタジーかオカルトみたいだけど、もっと現実的で悲しい。 そこは生まれてこなかった彼の姉が住んでいる世界。 彼の世界では、母のおなかにいる間に亡くなった姉。 彼女が生まれなかったせいで生まれてきたのが彼。 両親と子ども2人という家庭において、その下の子どもがサキなのかリョウなのかっていうだけの違い。 それなのに、周りの人たち、周囲の状況が微妙にでも確実に違っている。 その違いを感じるたびに彼は絶望的な気分になっていく。 間違いなく、彼がいた世界より姉がいる世界のほうが、みんなが幸せに暮らしている。 それってどうよ? 2人のうち1人しか生まれてこられない状況の中で、その両方の状況を知ることができたってことでしょ。 それなのに、どう考えても自分が生まれてきた世の中よりも、彼女が生まれてきた世の中ほうが素敵だって。 なんかガクゼンとしちゃうわ。 諍いの絶えない酷い状況の彼の仮定は、彼女の世界ではなんと全く別の状況。 彼が心を痛めた女の子の死。 それでさえ、姉の世界では起こってないなんて。 モノゴトには岐路っていうもんがある。 その岐路で、彼と彼女との対応が全く違っていた。 そのせいで状況が大幅に違ってきたってハナシ。 ……恐ろしい恐ろしい。 エンディングでは、姉の世界から自分の世界へ戻った彼。 果たして彼は、その決してよいとはいえな状況に戻って、どうするのか? 結末は書かれていない。 それを想像すると、絶望感と、それでもって思う気持ちとが混乱して、なんだか寝付けなくなりそう。 ただ、こんなテーマでこんだけ一気に読ませるって、この作者の力量なのかもしれない。 若しくはアタシの感覚にビンゴだったのか。 この恐ろしく重い内容なのに、意外と気が重くならずに読めるのは、この文章の雰囲気のせいかも。 ということで、この米澤サンという作者、アタシのお気に入りに入ってしまったのかも。 内容(「BOOK」データベースより) 恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は、強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ちてしまった。 ―はずだった。 ところが、気づけば見慣れた金沢の街中にいる。 不可解な想いを胸に自宅へ戻ると、存在しないはずの「姉」に出迎えられた。 どうやらここは、「僕の産まれなかった世界」らしい。 単行本: 248ページ 出版社: 新潮社 (2006/8/30) ISBN-10: 4103014717 ISBN-13: 978-4103014713 発売日: 2006/8/30 2007.11.27 Tuesday
犬はどこだ
犬はどこだ (ミステリ・フロンティア) 米澤 穂信 これ結構面白かった。 なんとなく荻原サンの探偵モノっぽい雰囲気。 だけど最後は明るい雰囲気の中、ちょっと気持ちに陰りをもたせるところとか、この人っぽい。 とにかくやる気をなくして地元に帰り、引きこもりの半年を経て調査事務所を立ち上げた主人公の紺屋クン。 調査事務所といっても、以前バイトでやったことがあるという理由で犬探し専門を目指していたはずなのに、舞い込んだ仕事は人間を探すことと古文書の読解。 引きこもりの過程からか、世間から少しずれていた彼が、この調査をしていく中で少しずつ復活していく様子が素敵。 やっぱり人間って、そうそう無気力な感じじゃ面白くないから。 2つの調査を、突然たずねてきた後輩と手分けして始める。 彼は人探し。後輩は古文書。 人を見つけ出しさえすればいい。そう淡々と。 そう思っていた彼なのに、少しずつその失踪した人に自分を重ねたりしているうちに感情というものをよみがえらせていく。 そして最後には、この二つの調査がヘンなところでカブッてくる。 失踪の理由はネットトラブル。 そこからストーキングに発展していったという情報から、そのストーカーをつきとめる。 ネットトラブルって怖いよねぇ。 ちょっとした書き込みから、相手の家とか会社とか、公開しようと思ってない本人の情報を嗅ぎ付ける輩とかってひどく不気味。 ちょっとした才能と、かなりの執念深さを要するんだろう。 実は読みながらこのストーカー、彼のチャット仲間のGENさんではないかと思ってたんだけど。 全然違ってました…。 ただ黙って逃げて隠れてるだけじゃない。 女ってコワいなぁ。 っていうか、女ってツヨいなぁ。 結局最後に出てきただけの失踪者だけど、やけに印象に残る。 守りたいものがあって、それと引き換えに捨ててもいいものがあって。 それって意外と賭けの部分が多くて。だけど大事な賭けで。 とにかくあっという間に読んでしまった。 この紺屋クンの探偵シリーズとかやってくれればいいのに。 内容(「BOOK」データベースより) 何か自営業を始めようと決めたとき、最初に思い浮かべたのはお好み焼き屋だった。 しかしお好み焼き屋は支障があって叶わなかった。 そこで調査事務所を開いた。 この事務所“紺屋S&R”が想定している業務内容は、ただ一種類。 犬だ。犬捜しをするのだ。 それなのに、開業した途端舞い込んだ依頼は、失踪人捜しと古文書の解読。 しかも調査の過程で、このふたつはなぜか微妙にクロスして ―いったいこの事件の全体像は? 犬捜し専門(希望)、二十五歳の私立探偵・紺屋、最初の事件。 『さよなら妖精』で賞賛を浴びた著者が新境地に挑んだ青春私立探偵小説。 単行本(ソフトカバー) 出版社: 東京創元社 (2005/7/21) ISBN-10: 4488017185 ISBN-13: 978-4488017187 発売日: 2005/7/21 2007.11.21 Wednesday
インシテミル
インシテミル 米澤 穂信 これはすっかり騙された。 表紙のこの雰囲気から誰も、まさか地下空間殺人実験なんて想像つくまい。 しかも書き出しは軽い。 大学生がバイト雑誌を選んでいるコンビニに、美しい女性が入ってきて声をかけられる。 そうそう。そんな雰囲気。と思いながら読んでいくと、ものすごくおかしな世界に引きずり込まれてしまった。 時給112,000円。 間違いなくありえないバイト。 けどそういうのって、なんとなく応募しちゃうキモチもわからなくない。 そして選ばれてバイトとして雇われた12人の人間が連れて行かれたのは地下空間。 彼らのバイトはそこで一週間をすごすこと。 その間に雇い主が望むのは、互いにひそかに殺人を犯すことと、それを他のバイトが推理し、犯人を当てること。 なんじゃそりゃ??? こういうのって、心理的恐怖感っていうのが一番大事な気がする。 それから、コトが起きるときのスピード感とか。 読みながら真っ先に浮かんだのが、バトルロワイヤル。 あとは、乙一とか恩田陸とかの作品。 なんせ殺し合いだからねぇ。 エンタメ的にはとてもデキのいい小説。 推理小説マニアではないせいで、各自に与えられた殺人用道具の出典がわからないんだけど、そんなの関係なく楽しく読むことができます。 たった気になったのが、このシンシテミルっていうタイトル。 なんかかわいい響きじゃないか?と思ってたけど、内容はこんなだし。 なんじゃそりゃ?? ってことで、ちょっと調べてみた。 いろんな訳があるみたいだけど、しっくりきそうなのがコレ。 INCITE 刺激する。扇動してなにかをさせる。 MILL 面倒な手順。なぐり合い 出版社 / 著者からの内容紹介バイト雑誌を立ち読みしていたビンボー大学生・結城は、ひとりの少女から声をかけられて……。 この夏、鮮烈なミステリーがはじまる 単行本: 447ページ 出版社: 文藝春秋 (2007/08) ISBN-10: 4163246908 ISBN-13: 978-4163246901 発売日: 2007/08 |
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