アタシが読んだ本のことなどをさらさらと……



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玻璃の天
玻璃の天
玻璃の天
北村 薫

時代は昭和初期。
主人公は良家のお嬢様。
彼女の家のお抱え運転手は当時珍しい女性ドライバー。
この運転手のベッキーが謎解きのヒントを出していくという設定かな。

あの時代において、思ったことを口にしてしまったり、つい行動を起こしてしまったりする女性って、どうだったんだろうか。
やっぱりちょっとした好奇の目で見られたりしたんだろうか。
ただこの小説では、そういうことを気にしながらも、割と奔放な主人公が素敵に描かれていて、その周りの人たちもそれを受け入れているような雰囲気。

ただやっぱりこういう、ちょっと時代背景が違うものっていうのは読みにくい気がする。
この英子さんとベッキーが出てくる小説はほかにもあるみたいだけど、あんまり勇んで手を出すという感じにならないなぁ。
もうちょっと深く読めるような自分になってからのほうがいいのかも。

商品の詳細
単行本: 225ページ
出版社: 文藝春秋 (2007/04)
ISBN-10: 4163258302
ISBN-13: 978-4163258300


| 北村 薫 | 12:49 | comments(0) | trackbacks(1) |
ひとがた流し
ひとがた流し
ひとがた流し
北村 薫

40代女性のオハナシ。
このところちょっと、10代とか20代とかのコの元気いっぱいの小説ばっかり読んでたからね。
ちょっと落ち着いた雰囲気の小説かなと思いながら読み始めた。

学生時代からの親友の3人。
一人は男っけなしのまま、いわゆる中堅女性アナウンサーとして活躍中。
一人は結婚後離婚し、娘と二人暮し。
一人は結婚後すぐ離婚し、その後再婚して娘と三人で仲良く暮らしている。
そんな彼女たちの、頻繁に会ったり長らく会わなかったりしながら、ずっと続いている関係。
心地よくて、甘えすぎずに甘えられて。とてもいい感じ。

ここに出てくる2人の娘たちがとってもいいコなんだな。
本当の父親だと疑うこともなく、とってもパパっ娘に育った大学生。
実は彼女がほんの幼いころに母が再婚した相手で、血のつながりがないことを知った。
その彼女に対する、彼女の母の友人、つまりは女子アナの女性の接し方がすばらしい。

そしてその女子アナウンサーは自らの病気を知る。
それを支えようとする友人とその娘たち。
そしてそこに、まったく男っ気なく仕事一筋だった彼女の前に現れる男性。
この男性がまたすごく素敵だ。
長くは生きられないとわかっている彼女と、あえて結婚しようとする彼。

なんていうのかなぁ。
家族とか友人とか、血のつながりとか、籍がどうとか。
そんなことよりも、今まさにそこにいる誰か。
心のそこから、その人に生きていてほしいと思う誰か。
家族以外にはやっぱりありえないと言い放った彼女が、そうでもないのかと気づく。

読みながら少し鼻の奥がツンとした。
近くにいる大事な人たちのこと、本当にもっと大切にしたいなぁと思った。

出版社 / 著者からの内容紹介
アナウンサーの千波、作家の牧子、元編集者で写真家の妻となった美々は、高校からの幼なじみ。牧子と美々は離婚を経験、それぞれ一人娘を持つ身だ。一方、千波は朝のニュース番組のメインキャスターに抜擢された矢先、不治の病を宣告される。それを契機に、三人それぞれの思いや願い、そして、ささやかな記憶の断片が想い起こされてゆく。「涙」なしには読み終えることのできない北村薫の代表作。

内容かけがえのない友よ。そして、いとおしい時間たちよ。朝日新聞好評連載北村薫の心をゆさぶる最新長編小説。

単行本: 315ページ
出版社: 朝日新聞社 (2006/07)
ISBN-13: 978-4022501998
ASIN: 4022501995


| 北村 薫 | 17:10 | comments(0) | trackbacks(0) |


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