アタシが読んだ本のことなどをさらさらと……



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アシタノユキカタ
評価:
小路幸也
祥伝社
¥ 1,620
(2016-02-09)

この人の小説って、なんていうのか独特な柔らかい感じ。
主人公の心の中の声をそのまま文章にしているせいで、大半が口語なせいかもしれないけど。
とにかく出てくる人たちに悪人がいない。
アタシは娯楽で読むんで気持ちよく読めるんだけど、リアリティがないっちゃーない。

これは詐欺師が知らない女性と女の子と3人で、北海道から熊本までドライブをするっていう話。
そして目的地の熊本で、3人の大事な人のために一芝居打つっていう。
まぁ、イイ人ばかりが出てくるイイ話って、読んでて悪い気にはならないわな。


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| 小路 幸也 | 19:33 | comments(0) | trackbacks(0) |
つむじダブル
評価:
小路幸也,宮下奈都
ポプラ社
¥ 1,470
(2012-09-15)

小路サンと宮下サンの2人の名前が並んでて、
なんとなく手にとってしまったもの。
2編の連作かなんかと思ってたら、実は違ってたね。

これはある普通の幸せな家庭を描いたもの。
両親とおじいちゃん、年の離れた兄と妹。
高校生の兄のことが大好きな小学生の妹。
子どもたちを愛している明るい母。
まじめでやさしい父。
道場と接骨院を営むおじいちゃん。
そんなどこからみても幸せで秘密のかけらもなさそうな家族。
ちょっとしたことで秘密が見えてくる。

小学生の妹の目線の章を宮下さん、
高校生の兄の目線からは小路さんが書いている。
小路さんが書いたのってなんかすぐ分かるよね。
東京バンドワゴンの雰囲気そのまま。
才能がある人とか有名人とかが身近にいて普通に暮らしてて。
やた幸せな感じがして。

アタシは妹のまどかちゃんの目線の感じが、
小学生のころの、子どもの役割を意識し始めるころの
あの感じが良く出てて好きかな。

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| 小路 幸也 | 23:52 | comments(0) | trackbacks(0) |
キシャツー
評価:
小路 幸也
河出書房新社
¥ 1,680
(2012-07-14)

高校生の楽しい夏休みを描いたもの。
「キシャツー」って、確かになんだかカワイイ言葉。
田舎の子にしか通じないかもしれない。
そもそも汽車ってなによ。汽車って。って感じ。

ローカル線の駅を利用するのは高校生が大半。
そんな高校生が海沿いを走る電車の窓から見つけたテント。
そのテントでしばらく滞在するという東京の高校生と知り合い……。

自分の進路とか未来とか、はっきりと見つめている子より
ただ漠然としたイメージとかしかない子が大半だと思う。
アタシももちろん、な〜んにも考えてなかった気がする。

ストーリーはとてもご都合主義ではあるけど、
まぁ、読んでいて気持ちいいのは高校生モノならではかな。



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| 小路 幸也 | 12:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
荻窪 シェアハウス小助川
荻窪にある閉院してしまった病院がシェアハウスに生まれ変わった。
その医院の佇まいがとても好きだった建築士の熱意で。
そこで暮らし始めた6人と、その病院を経営していた元医者の大家さん、
そしてその建物を愛してやまない建築士のお話。

人付き合いが希薄になったといわれて久しい。
一人暮らしの人が亡くなっててもしばらく気づかれないことも。
そんな孤独氏のニュースがたまに報道される。
本当に寂しい世の中だ。
そんな中、シェアハウスという暮らし方がちょっと前に流行った。
そのゆるやかなルールの中で、でも他人と一緒に暮らすというやり方。
そんな中で、彼らは安心を得たり成長したりしていく。

小路サンといえば東京バンドワゴンシリーズのイメージ。
この小説も、あのあったかいい印象がやっぱり流れている。
人と関わらずに暮らしていくなんてことはできない。
うまく人との距離をとりながら暮らすってタイヘンだけど楽しい。
そんな雰囲気がいっぱいの小説。

欲を言えばこの作者が描く世界はちょっと性善説が過ぎるかもしれない。
というかあったかすぎるのが読んでいて若干気恥ずかしいだけかもしれないけど。

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| 小路 幸也 | 22:39 | comments(0) | trackbacks(0) |
オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ 東京バンドワゴン
東京バンドワゴンシリーズも6作目ですか。
東京の下町にある古い古書店。
そこに集う人たちのあれこれが賑やかに描かれる。

読みながら、相変わらずだな〜って思うような作品。
なんだか親戚とかご近所さんとかの様子を聞いているような。
さすがに6作目にもなると、親近感が違いますな。

古書店の旦那は、江戸っ子丸出しの長頑固な堀田家のじいちゃん。
その息子はミュージシャンであんまり家にいない。
孫たちもそれぞれ家庭を持ったりして、どんどんと賑やかになる堀田家。
今回もまた、あれこれと事件が起きる。

相変わらずまぁ事件、起きすぎでしょ。
そんな次々といろんなことが舞い込んでくるわけないでしょ〜。
などと思いながらも、人情味たっぷりのこの家族の様子がステキ。

ホッとするようなあったかいホームドラマです。
心が弱っているときなんかは、こういうやさしい小説がいいですな。
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| 小路 幸也 | 20:07 | comments(0) | trackbacks(0) |
ピースメーカー
評価:
小路 幸也
ポプラ社
¥ 1,575
(2011-01-14)

1970年代の中学校を舞台にした学園モノ。
小路サンの、こういうまっすぐな正義感というのはスゴいなと思う。
今の時代、ちょっと斜に構えてみたり、正しさがちょっと恥ずかしかったり。
人はみんな真っ白じゃなくて、黒いところもあるから全体にはグレーだよって雰囲気。
そういうのとはベクトルが違ってて、あくまで勧善なわけです。
たまにはこういう、まっすぐなものに触れるべきだねぇって思う。ホントに。

これは本当に爽やか学園モノ。
構図はまったくもってベタな感じ。
運動部と文化部との対立。
それらの架け橋、つまりピースメーカーとなるのは、部員さえいなかった放送部。

数年前の卒業生の姉は、文武両道で誰からも好かれるスーパー女子中学生だった。
彼女はその放送部で、学園内伝説のピースメーカーとして揺るがない存在感を残した。
その後、ちっともスーパーではない弟が入学。
彼は二代目ピースメーカーになれるのか。

というようなことで、普通の中学生が、ちょっとした気遣いや思いつきで、ちょっとした架け橋になる。
そんな些細な出来事を積み重ねていくうちに、放送部はピースメーカーとしての役割を担うようになってくる。
そうすると、今度は周りからピースメーカーとして頼られるようになってくる。
だいたいの物事は、こうして積み重なって回っていく。
いい方向にも悪い方向にも。
この小説は、それがすべていい方向にスパイラルを描いている。
こういうのって、読んでいて嫌な気持ちになることはないだろうなぁ。

そして伝説のピースメーカーと同じ役割をするのなら、まぁ「あらそう」って感じなんだろうけど、
この小説のいいところは、二代目ピースメーカーの立ち位置が、伝説の姉とはまたちょっと違うところ。
なんていうのかな。
スーパーウーマンの姉は、一人で何でもこなせた。
一方で弟は、放送部として仲間とともにその役割を担うことになる。
部員がそれぞれいいところを持っていて、それを活かしあっていく。

まぁ、爽やかな小説です。
たまにはこういうの読んで、キレイな心、正しい心のありかを確認するのもいいでしょう。

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| 小路 幸也 | 00:10 | comments(0) | trackbacks(0) |
僕は長い昼と長い夜を過ごす
これ、割と好き。
ちょっと特異な病気を持つ男。
ヒトはだいたい24時間周期で生きていて、夜になったら寝て朝になったら起きる。
だけど彼は50時間起きていて、その後20時間続けて寝る。
っていう睡眠障害というにはちょっと厳しい病気?
だけど、それだけ。
ゲームプランナーという職業には、意外とあっているかもしれない。

そして彼はその体質を生かして、探偵っぽいバイトをしている。
ある特定の人の行動を探るっていう、それだけのバイト。
そのバイト中、ひょんなことから2億円を拾ってしまう。

その2億円をめぐる攻防というか、なんというか……。
なかなかいろいろあってオモシロイ。
2億円を拾って呆然とする彼の前に忽然と現れた男ナタネさん。
種苗屋という裏稼業の男。
彼がとても素敵なので、アタシは気に入ってしまった。

複雑な家族関係。
児童虐待とかDVとか、母親の蒸発とか。
そして裏金を拾って事件に巻き込まれて。
なんだか割とヘビーな感じがしないでもないけど、
登場人物がみんなおっとりとしていて、切羽詰まった感はゼロ。

途中でナタネさんの正体というか、主人公とのつながりというか、そういうのが分かってしまった。
あぁ。なんだか、あったかい、やさしい小説。
そういえばコレ、小路さんだった。
この作者が描く小説は、なんだかほんわかとあったかくて好き。

まぁ、欲を言えばもちろんいろいろある。
タイトルにもなっている彼のその病気も、なんだか必要なのかどうなのかって気もするし。
裏稼業を扱っているものの、アクション的な雰囲気は皆無だし。
そしてナタネさんカッコいいんだけど、オチはあまりにもベタな感じだし。
それでもなお、この小説は結構好き。

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| 小路 幸也 | 22:21 | comments(0) | trackbacks(5) |
brother sun 早坂家のこと
評価:
小路幸也
徳間書店
¥ 1,575
(2009-08-26)

小路サンの小説は、人間のよさっていうの感じさせるよね〜と思っている。
これは三姉妹を中心にした家族関係とかを、うま〜く読ませてくれる。
ちょっと複雑な家族関係。
この早坂家の場合は、中学生、小学生、4歳という娘を残して母親を亡くし、父親と4人で暮らしてきた。
三女が中学生になったころ、父親が再婚。
彼女らの弟ができて、歳の離れた姉弟という家族。
そこへ音信不通だった父親の兄という人が突然現れて……。

この家族、どうなっていくんだ?
などと思いながらも、どんどんとページをめくっていく。
三姉妹それぞれの個性が、とっても上手く描かれている。
彼女らそれぞれの彼氏との関係とかもとってもステキ。
何か、優しい気持ちでこの家族を見守るような感じで読んだ。

家族の中のことって、やっぱりどうしても他人には分からない部分が多いと思う。
それぞれで大きかったり小さかったり、いろんな波風が起きている。
その波をどうするのか?
それまでの家族の関係とかで随分と違ってくるんだろうな。




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| 小路 幸也 | 15:51 | comments(2) | trackbacks(1) |
マイ・ブルー・ヘブン −東京バンドワゴン−
小路さんの『東京バンドワゴン』シリーズのスピンオフ的な小説。
終戦直後の東京で繰り広げられるちょっとハードボイルドなオハナシ。
あったかホームドラマの典型のようなこれまでの作品の元になるのかな。

古本屋『東京バンドワゴン』は、戦争で焼かれることもなく建っていた。
二代目店主が切り盛りしているこの店の跡継ぎは勘一。
そうそう。これまでのホームドラマ版でおなじみのおじいちゃん。
若かりし彼がその奥さんになるサチさんと出会ってから、正式に結婚するまでのオハナシ。

だけどまぁ、戦争直後の日本で日米の要人相手に繰り広げられる話は結構壮大。
そして彼らの周りを固める人たちが一癖も二癖もあってカッコいい。
で、このサチさん。
これまでの3作にいつも出てくる。
亡くなってはいるものの家族のことが気になって、いつも家の周りにいるおばあちゃん。
そしてナレーションのように家族の様子を語ってくれるあのおばあちゃん。

今回は、ホームドラマっていう色は薄いものの、堀田家のあったかい様子はきちんと伝わってくる。
読んでいて優しい気持ちになれる本っていいよねぇ。


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| 小路 幸也 | 18:05 | comments(0) | trackbacks(1) |
ブロードアレイ・ミュージアム
評価:
小路 幸也
文藝春秋
¥ 1,650
(2009-03)

古きよき時代のブロード・ウェイが舞台。
華やかなブロード・ウェイの裏道にある、小さな看板がかかっただけの博物館。
ここには、一癖もふた癖もある人たちが集まっている。
彼らがここで大切に大切にしているフェイという女の子。
彼女には、何らかのいわくのある物に触れると、その物にまつわる将来の悲劇が見えるという。
その悲劇を防ごうと、この博物館の住人たちが活躍する。

先が気になってどんどん読み進むような話ではなくて。
優しい気持ちでゆっくりと読めるもの。
みんなで知恵と力を合わせて、小さなお嬢様を悲しませないために、何の特にもならない他人の悲劇を防ぐ。
ここ集う人たちはみんなかつての悪党だったりするけど、悪人は一人もいない。
ゆったりと気持ちよく読むことができる、小路サンらしい小説。

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| 小路 幸也 | 22:58 | comments(0) | trackbacks(0) |


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