包帯クラブ The Bandage Club
天童 荒太
10代のころ特有の傷つきやすさ、脆さとともに
あの年代ならではの思い込みみたいな行動とか人間関係。
そして自分がよいと思ったことを自分の周りの人間にも無条件で広げようとする、やっぱりあの年代特有のアツさ。
そういうのがひしひしと伝わる感じの優しい小説だった。
高校2年生の笑美子らは、町のいろんなところに包帯を巻いた。
自分が傷ついたと思う場所に友人が包帯を巻いてくれたことで、心が少し軽くなったと感じたことから始めたこと。
「包帯クラブ」と名乗り、HPで心の傷の手当てを呼びかけ、それに対して一つひとつの場所にそれぞれ包帯を巻いていくのだ。
心の傷を負った場所に包帯を巻くという行為は、ある意味陳腐で独りよがりな感じもしないではないが、アタシ的にはかなりイイと思った。
それは包帯を巻くことに意味があるのではないんだろう。
なんだかつらい思いに「それは傷だよ」といってくれること、そしてその傷に対して手当てをしてくれることで、救われる気がするんだろう。
そう。つらさを誰かにわかってもらいたい。「つらいんだね」って認めてもらいたい。
そんな気持ちに応えることができる、心優しい人でありたいと思う。
内容(「BOOK」データベースより)
傷ついた少年少女たちは、戦わないかたちで、自分たちの大切なものを守ることにした…。いまの社会を生きがたいと感じている若い人たちに語りかける長編小説。
新書: 192ページ
出版社: 筑摩書房 (2006/2/7)
ASIN: 4480687319
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