アタシが読んだ本のことなどをさらさらと……



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月と雷
評価:
角田 光代
中央公論新社
¥ 1,470
(2012-07-09)

ちょっと普通とは違う家庭で育った男女のオハナシ。
毎日食事時には親が料理を作って出し、学校に行き、お風呂に入り……。
といういわゆる普通の家庭とは違って、
ごはんの代わりにお菓子を食べてても、学校に行かなくても、お風呂に入らなくても、
何も言わないけど何もしない母親に育てられた子ども。
彼は母と二人、いろいろな他人の家で暮らしながら育った。

父と母と娘の三人家族。
それがある日、母親がいなくなり、そして見知らぬ女と自分と同じぐらいの男の子がやってきて、
四人での暮らしが始まった。
母親らしいことをしないその女と暮らした期間は、それはそれは自由奔放で楽しい日々だった。
ところがその母子がふらりと出て行った。

自由奔放で一つのところで暮らすことができない女。
そんな女に育てられた息子。
そしてそんな女が転がり込んだ先の家庭。
一人の女との出会いで、それまでの人生が大きく変わってしまう。

だけど、本当にその出会いのせいで人生が変わってしまったんだろうか?
ある意味では自分がそれを望んでいたのかもしれないし、
自分がそれを選んでいたのかもしれない。

読んでいて、すごく楽しい気分になるわけでも、登場人物に共感するわけでもないが、
それでも最後はどうなるんだろうと読み進めてしまったような一冊。
角田サンらしい雰囲気の小説だな〜って印象。


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| 角田 光代 | 12:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
紙の月
評価:
角田 光代
角川春樹事務所
---
(2012-03-15)

4月はあんまり本を読む時間がなかったな〜。
これも途切れ途切れに何とか読み終えた感じ。
銀行の契約社員が1億円もの横領。
その事件を見た、彼女の知人たちの様子と、
当事者の梨花という女性の様子とを描いたもの。

なんていえばいいのか分からない、もやもやとした満たされない感。
そういうのを抱えた女が、お金を使うことで何かを補うように生きている。
そんな女が世の中にいったいどのぐらいいるんだろう……
と心配になるような小説。

具体的にコレという大きな出来事があるわけじゃないのに、
いつもなにか満たされない、何か不満だ、不安だ。
そんなアンバランスな心の有様を、
ドロドロとした女っぽい描き方をしている。
女性作家ならではという感じかな。

正義感があってきちんとした女性。
そんな女性があるときタガが外れたように散財を始める。
もちろんそんな財源はすぐにつきてしまい、
とうとう顧客のお金に手を出す。

大きな犯罪って、意外と近くに転がってるのかも。
そんな不安な気分にさせる一冊でした。

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| 角田 光代 | 21:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
かなたの子
評価:
角田 光代
文藝春秋
¥ 1,260
(2011-12)

これは怖い。
賽の河原にズラリと詰まれた石とか、
即身仏となるお坊さんのために夜中に墓に参る人たちとか、
昔あったといわれる子どもの間引きとか、
なんとも不気味で恐ろしい情景が目に浮かんで、
時折鳥肌を立てながら読んだ。

けど、実際に怖いのはそんな様子じゃなくて、
人の心の中なんだろう。
知らない間に誰かを傷つけていたり、
理不尽な殺人を強要する世の中だったり、
何か些細な、抗えないようなもののために、
人は知らない間に壊れていったりするものっていう。
淡々とした語り口で、それは恐ろしいことが描かれている短編集。

ただもっと怖いのが、その壊されたり殺されたりする側の人が、
決してその相手を恨んだり憎んだりしていないというところかも。
なんかねぇ。状況を分かってかどうかは知らないが、
それを受け入れて殺されていくだなんて。
何度も書くが、怖すぎる。


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| 角田 光代 | 12:28 | comments(0) | trackbacks(0) |
ツリーハウス
評価:
角田 光代
文藝春秋
¥ 1,700
(2010-10-15)

とても長くて、割と辛気臭い感じなのに、意外と飽きることなく読みきれる一冊。
新宿で中華料理屋を営む一家を3代にわたって描きながら、家族っていうものを感じさせてくれる。

戦前、戦中、戦後を生き、いつのころからか中華料理屋をやっている祖父母。
その祖父の死を、孫の世代である次男の目線で描くところから始まる。
彼の目には、自分の家族がなんだかよそと違うように見えていた。
家族揃って食卓を囲んでいただきますを言うなんて経験したことないような家族。
家族のうち誰かがフラリといなくなっても、またフラリと帰ってきても、何も変わらない家族。
そのくせ他人がフラリと居ついてしまったりするような家族。

まるで簡易宿泊施設のよう。
まるで木の上に作った秘密基地のよう。
根っこがなくて。

彼は祖父の死のあと、ぼんやりしがちな祖母を連れて中国へ旅する。
祖父母は満州で知り合い、そこでしばらく暮らした後、日本へ引き上げてきたらしい。
その旅行を通して、彼は祖父母の本当の姿を見るような気がする。

タイトルのツリーハウスって、まさにそのまんま。
木の上の家。
地に足が着いていない、心もとない感覚。
だけど、だんだんと分かるようになる。
それも家族のあり方。
根っこがないと家族じゃないんじゃなくて、ないといけないのは希望。

親子3世代の話が、現在の中国旅行の話とダブるように描かれているので、最初はちょっと読みにくい気がしたけど。
気がつくと450ページを超える厚い一冊、読みきってました。
小説の真ん中の部分。テーマがブレないせいかもしれないな。
故郷や親を捨てて満州に渡った祖父母には、明るい希望があった。
そこでの明るい暮らしは戦争によって長くは続かなかった。
二人はその戦争から逃げた。
他人に助けられながら、とにかく逃げて。
ようやく帰った故郷に居場所はなく、二人は東京で暮らし始める。

戦前から戦後にかけての混乱の中、たくましく生きた普通の人たちの話なんだろう。
その子の世代には、もう戦前から戦後の生活のことは伝わらない。っていうか伝えない。
さらにその子の世代になると、もう祖父母って元々祖父母でその仕事についてて……ってイメージ。
なんだかうまくまとまらないけど、なんかしっかり読んだ〜って気がする。

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| 角田 光代 | 07:43 | comments(0) | trackbacks(0) |
くまちゃん
評価:
角田 光代
新潮社
¥ 1,575
(2009-03)

タイトルと表紙から、児童文学??などと思ってしまったけど、全然違ったな。
失恋話ばっかりの短編集。
っていうか、連作モノ。
最初のお話は、「くまちゃん」という男の子に恋をする女性を描く。
彼に恋をして、そして彼に去られるという失恋話。
そして次のお話は、彼女から逃げるように去った「くまちゃん」の失恋話。
そして次は、彼を振った女性の失恋話。
というように、次々と失恋の話が続く。

人は恋をするとその相手によって生き方がガラリと変わる。
そして20代から30代という世代では、恋と仕事との間で大きく考え方とか気持ちが揺れる。
それまでの自分とは違う自分に気づいて、喜んだり戸惑ったり。
そして、失恋をしてもやがて立ち直り、また次の恋をする。
なぜなんだろう?

そしていくつもの失恋を描いた最後には、また例のくまちゃんに失恋した女性が出てくる。
彼女はやっぱりその後、恋をして、幸せに暮らしていた。
なんか失恋ばっかなのに素敵なのって、ちょっとイイ感じ。

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| 角田 光代 | 18:35 | comments(2) | trackbacks(1) |
庭の桜、隣の犬
評価:
角田 光代
講談社
¥ 1,680
(2004-09-29)

家族とか夫婦とかって、ナンだろう??
そんな、普段はあまり考えないようでいて、実はいつもフツフツと思っているようなこと。
そういうのを描いたもの。

角田サンらしいっていうか、なんというか。
この気だるいというか、倦怠的な雰囲気の女性。
彼女が思い、動く様子は、なんだかイラつくし、あまり共感しない。
だけどどこかちょっと、分かるっぽい気がすることもあったりして。

だけど読んでいてあんまり楽しい話じゃない。
結局どうやってこの夫婦は落ち着くのかと思ってたんだけど、オチもなく終わる。
まぁ、夫婦ってそんなモンなんだろうなぁっても思うけど。
それじゃやっぱりなんかつまんない。

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| 角田 光代 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
薄闇シルエット
評価:
角田 光代
角川書店
¥ 1,470
(2006-12)

このタイトル、なんとなく「あぁ、そうだな〜」って感じ。
薄闇って感じ。

30代も後半の独身女性の日常を描いている。
それはもう淡々と描いている。
ある意味ブレのない年代。
だけどいろんなものにゆれていて、そして周りのことや自分のことを分析してみたり。

やりたいことだけをやりたい。
やりたくないことはやりたくない。
自分の気持ちに正直に生きていたいと思う主人公の女性に共感する。
だけど彼女のやりたいことって?やりたくないことって?
自分にも分かっているようで分からないような。
そんな思いに強く共感する。

決して何も起こらないわけではない。
結婚を申し込まれたり彼と別れたり、友人とけんかしたり友人をとても素敵だと思ったり、仕事がうまくいったりいかなかったり。
友人とともに思い描いた店を持ち、それが軌道に乗り、でも何も変わらない日々。
気づけば自分は何も持っていないということに驚く。

それでも日々は過ぎていくし、日々何かしら起こって、なんとなく進んでいく。
そんな中で、自分はどうしていきたいのか、そしてどうやっていくのか。
読んでいてすごく楽しいとか悲しいとか大きく気持ちが動くような感じではないけど、なんとも等身大な感じがして。
読み終えたあとに、自分のこと、これまでのこととかこれからのこととか、ちょっと考えてみたりして。

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| 角田 光代 | 21:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
三面記事小説
三面記事小説
三面記事小説
角田 光代

新聞に小さく載っている三面記事。
短い文章のため、背景までは書かれていないことがほとんど。
書かれている状況からは、いろんな背景が想像できる。
それを短編小説にしてしまったのがコレ。

何年も住んだ家の床下には、夫が殺した女性の死体が埋まっていたという話。
不倫相手の妻を殺してほしいと闇サイトを通じて依頼した女の話。
担任の給食に薬を混ぜた中学生の話。
痴呆の老人が殺されていた話。
など6つの事件が6篇の小説になっている。
事件そのものは実際にあったことなんだろうけど、その背景を描いた小説はフィクション。
だけどなんかリアルな感じがするところが、ちょっと怖いかも。

事件を起こしてしまった人たちの背景には、何らかの動機がある。
その動機を形作るための、なにかきっかけがあるはず。
そして事件に関わるヒトはときに思う。
幸せな暮らしをしていた時期と今の状況とを比べる。
そしてその過程を顧みる。
なぜ今のような状況になってしまったのか。
どこで何を間違えたのか。
記憶を呼び戻しながらたどっていく。
だけどどこにもほころびは見当たらなくて、でも状況は悪くなっていて。

……こういうのって、あるかもなぁ。
どこでなにをどう間違えたのか、と考えることってたまにある。
それがどう考えても分からないって、なんか恐ろしい閉塞感を感じるんだろうな。
今日も新聞の三面には、こういった事件の記事は載っているんだろう。
そのどれにも、何かしら背景とか物語とかがあるんだろう。
なんともリアルでなんだか非現実的な感じ。


内容(「BOOK」データベースより)
私は殺人を依頼しました。
恋人の妻を殺してほしいと頼みました。
誰もが滑り落ちるかもしれない記事の向こうの世界。
バリケードのような家に住む姉夫婦、妻殺害をネットで依頼した愛人の心の軌跡など"三面記事"の向こう側を鮮やかに描いた小説集。

登録情報
単行本: 260ページ
出版社: 文藝春秋 (2007/09)
ISBN-10: 4163263403
ISBN-13: 978-4163263403
発売日: 2007/09

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| 角田 光代 | 21:35 | comments(0) | trackbacks(1) |
福袋
福袋
福袋
角田光代

アタシの中での角田さんのイメージはこのタイプ。
ごくごく普通の日常に、ときおり感じる苛立ちとか、突然降ってくる奇妙なできごととか。
そして当たり前のことに、ふと幸せを感じたり。
そういうのをサラリと描いているあの感じが、まさに角田サンらしいと感じる。

この短編集は、どれもがビックリするような変わったできごとがおきるわけではない。
つい拾ってしまったビデオテープや、見知らぬ人から預かった荷物なんかを通して自分のことを振り返るヒト。
また、身近なはずの恋人や夫のことを、実は何も知らないとあるとき突然思ってしまったヒトの奇妙な行動。
そして最後の章は表題作の「福袋」。

福袋って、つい買ってしまったものの、中身をみてガッカリしたり、でもいつのまにかそのガッカリを身に着けていて、知らない間に自分にしっくりしていたり。
この短編集はまさに福袋のような感じのもののように思えた。

近ごろ毎日忙しすぎて、いろんなことをゆっくりと考えたり、自分の思いを大事にしたりというのをすっかり忘れてた。
周りの人たちに助けられてることとか、大事なヒトが元気に暮らしていることとか、いろんなことを思ういいきっかけになった。
角田サン、ありがと。

内容紹介
人生に“当たり、ハズレ”なんてない!?
謎で不可解な届け物や依頼、または同僚や夫など身近な人の不可解さに出くわしたら、あなたならどうする?
8編の短篇をとおして、直木賞作家が開く、人生のブラックボックス。

内容(「BOOK」データベースより)
私たちはだれも、中身のわからない福袋を持たされて、この世に生まれてくるのかもしれない…直木賞作家が贈る8つの連作小説集。

登録情報
単行本: 232ページ
出版社: 河出書房新社 (2008/2/15)
言語 日本語
ISBN-10: 430901853X
ISBN-13: 978-4309018539
発売日: 2008/2/15

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| 角田 光代 | 20:49 | comments(0) | trackbacks(1) |
森に眠る魚
森に眠る魚
森に眠る魚
角田 光代

幼稚園児の母親を中心にした小説。
子どもを通して親しく付き合う母親たち。
どこにでもある光景。
その付き合いによって生き生きと暮らし始める母親たち。
一方、その付き合いによって崩れる暮らし。

読み終えて、この小説全体の印象を思うと、居心地の悪さとか不気味さとかが浮かぶ。
なんていうのかなぁ、あまり見たくない人間の醜いところとかを抜き出して引き伸ばしたような。
前半は、ママ友の付き合いを描いた平和な小説だと思っていた。
公園デビューを果たせなかったり、引っ越したばかりで友達がいなかったりという女性たちが、子どもをとおしてその母親と知り合う。
そこから始まったのは、とても明るく楽しく、そしてお互いのいいところを認め合いながらの付き合い。

ところが中盤からこの関係が一転する。
小学校受験というターニングポイントがきっかけといえばそうかもしれないが、取り立ててコレという事件が起きるでもないのに、なんとなくおかしな関係になっていく彼女ら。
相手や相手の子どもが不幸になればいいと思う、とてもとても醜い思い。
そんな醜い心は誰だって持っているかもしれないけど、なんかコレ読んでると、ホント怖いわ〜。
途中はもうホラーじみてさえいると思えるほど。

ただ、それぞれの子どもの進路が確定するとともに、母親たちの心も平静を取り戻す。
これもまた怖い。
小学校での母親たちの付き合いの中、今度は中学受験を目前にまた彼女らは豹変するんだろうか??

っていうか、小学校受験とか幼稚園受験とかって……。
アタシなんかから見たら対岸の火事でしかないけど、実際当事者になるとホントつらいんだろうなぁ。
なんせモノが分かってんのか分かってないのかってぐらいの歳の子どもが受けるんだから。
そしてその受験が上手くいったところで、その後その学校でうまくやっていけるかという問題も見えている。
あぁ。なんだかもう世知辛い世の中ですな。

内容(「BOOK」データベースより)
東京の文教地区の町で出会った5人の母親。
育児を通してしだいに心を許しあうが、いつしかその関係性は変容していた。
―あの人たちと離れればいい。
なぜ私を置いてゆくの。
そうだ、終わらせなきゃ。
心の声は幾重にもせめぎあい、壊れた日々の亀裂へと追いつめられてゆく。

登録情報
単行本: 365ページ
出版社: 双葉社 (2008/12)
ISBN-10: 4575236497
ISBN-13: 978-4575236491
発売日: 2008/12
商品の寸法: 19 x 13.6 x 2.8 cm
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| 角田 光代 | 12:18 | comments(0) | trackbacks(2) |


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