アタシが読んだ本のことなどをさらさらと……



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バラカ
評価:
桐野 夏生
集英社
¥ 1,998
(2016-02-26)

なんだか重過ぎて深すぎるテーマが盛り込まれすぎて、ハードな読書になってしまった。

前半は女たちの仕事観とか結婚観とかが嘘ばっかの男とか自堕落な男とかと一緒に描かれつつ、その行き着いいた先が人身売買。
そして後半は福島の原発が全部爆発して、首都が大阪に移っている。
非難区域の中で見つかった少女バカラ。
反原発派に守られながら成長した彼女は、政治の具として原発派からも捜されて。

誰が見方で誰が敵なのかと思いながらただ読み進む感じになってしまった。
なんだかいろいろありすぎて、読みつかれてしまったかも。


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| 桐野 夏生 | 23:44 | comments(0) | trackbacks(0) |
優しいおとな
評価:
桐野 夏生
中央公論新社
¥ 1,575
(2010-09)

これはまぁ、桐野サンのイメージじゃないなぁ。
男の子が主人公だからか??
やっぱり桐野サンの小説は、オンナオンナした女のイメージが強くて。

で、この小説の主人公は、ストリートチルドレン。
舞台はホームレスで溢れる近未来の澁谷。
名前はイオン。だいたい15歳ぐらい。
幼いころの記憶がなく、学校にも通ったことがなく、自分の年齢も分からない。
ホームレスにもいろんな生き方がある。
テント村でまとまって暮らす者。
一人きりで町をさまよう者。
はたまた地下にもぐる者。

ボランティアの男性に気にかけられながら、テント村で暮らしていた。
彼にとって大人は、「優しいおとな」と「優しくないおとな」と「どっちつかずのおとな」の3種類。
イオンを気にかけていたボランティアを「優しいおとな」だと思っていたのに、
ちょっとしたことで裏切られたと感じたイオンは、彼から逃げるようにテント村から離れる。

一人で行きぬくにはとても過酷な世の中。
空腹で辛い中でも、幼いころのぼんやりとした記憶だけが彼を勇気付けていた。
そんな中、出会ったアンダーグラウンドに暮らす一団は、その記憶に通じる何かを感じさせる。
そのため彼らの仲間に入るイオン。
今度は地下での軍隊のような暮らしが始まる。
その暮らしを始めてから、初めて地上の光のありがたさに気づく。

多くの人にめぐり合い、自分の幼いころの記憶に綱がる者にもめぐり合い、
ようやく地上での暮らしに戻ったイオン。
ところが、そこでまた彼の運命が一転する。

……全体的に読んでいて若干気が滅入る。
なんせ出てくる人の大半は夢や希望をもちにくいホームレスばかり。
そんななかで、「愛着」を考えるというのがこの小説のテーマ的なものかもしれないが、
なんだか現実離れしていて、アタシにはちょっとピンとこなかった。


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| 桐野 夏生 | 17:42 | comments(0) | trackbacks(0) |
緑の毒
評価:
桐野 夏生
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 1,470
(2011-09-01)

久しぶりに桐野サン。
なんとなく肩透かしな印象が残りました。
桐野サンを読むのが久しぶりなので、アタシのほうの感性が変わっちゃったという可能性もあるんだが。
それにしてももうちょっと重めの毒を想像したんだけどな。

中心人物は医者です。
開業医の男性。妻は勤務医。
医者の世界にも階級があって、コンプレックスを抱えている。
そして妻は、同じ勤務医と浮気をしている。
そんな彼は連続レイプ犯。
見知らぬ女の部屋に忍び込み、薬を使って眠らせての犯行。
そのことで自分の中の平衡を保っている男。

この小説では、彼の周りの人たちの毒であふれている。
この男の妻。
その妻の不倫相手。
この男の病院で働く女たち。
この男が繰り返した犯行の被害にあった女たち。

最後はもうなし崩し的に壊れていく。
誰も彼もが。
なんともまぁ読んでいて爽快感のかけらもない一冊。
どないやねん。

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| 桐野 夏生 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
IN
IN
評価:
桐野 夏生
集英社
¥ 1,575
(2009-05-26)

桐野夏生の作品、それもタイトルが『IN』っていえば……。
もちろん想像するのが『OUT』。
あの『OUT』の表裏となるような作品を勝手に想像して、ワクワクしながら読んだ。
そのアタシの勝手な先走りのせいか、かなりガッカリしてしまった。

コレもう全体的に陰鬱なイメージが強大ですわ。
なんていうのかなぁ、とっても哲学的すぎるっていうのかな。
小説家からみた小説というものを通して何かを描こうっていう雰囲気は伝わるんだけど。
小説は悪魔なのか、小説家が悪魔なのか……なんて、ちょっと単純なアタシの頭はついてけない。
キーワードになっているのが「抹殺」という言葉だけど、これもピンとこなくって。

小説家の鈴木タマキという女性が主人公。
彼女が執筆中の『淫』という小説は、すでに故人となっている小説家の自伝的小説『無垢人』をキーに書かれている。
その『無垢人』に出てくる○子という女性の姿を追いつつ、自らのすでに終わった恋愛を抹殺しようとしている。
なんだかなぁ。コ難しすぎて。

もちろん桐野サンらしい雰囲気はそこここにある。
毒だったり鬱屈した雰囲気だったり。
だけどなんだかパッとしないなぁ。
やはりこれは、読む前のアタシの過度の期待が悪かったんだろうか。

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| 桐野 夏生 | 01:17 | comments(0) | trackbacks(0) |
女神記 (新・世界の神話)
女神記 (新・世界の神話)
女神記 (新・世界の神話)
桐野 夏生

桐野さんの新作が出てたわ〜。
ってことで読んではみたけど……。
南の小さな島。掟とかしきたり。巫女。神。穢れ。
そんな感じの内容のものって、なんかやっぱりピンとこないなぁ。

これもまぁ、桐野サンらしく、女の執念深さとか醜さとかがうまく描かれている。
すべてものもは1つでは何も生み出さないという大きなテーマを掲げている。
男と女。陽と陰。裏と表。
すべては一対で初めて用を成すという。
はぁ。そりゃそうかもな〜って。

そしてプツンと物語りは終わる。
なんだかなぁ。
黄泉の国のシーンになると、どうにもこうにも現実味がなくて(当たり前なんだけど)。
もうちょっとリアルなヤツ、頼みます。桐野サン。

内容(「BOOK」データベースより)
遥か南の海蛇の島、巫女の家に生まれた二人の姉妹。
姉は大巫女を継ぎ、島のために祈り続けた。
妹は与えられた運命に逆らい、島の掟を自ら破った。
16歳で死んだ妹は、地下神殿で一人の女神と出逢う。
―私はイザナミ、黄泉の国の女神です。

登録情報
単行本: 251ページ
出版社: 角川グループパブリッシング (2008/11/29)
ISBN-10: 4048738968
ISBN-13: 978-4048738965
発売日: 2008/11/29

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| 桐野 夏生 | 00:18 | comments(0) | trackbacks(0) |
女神記 (新・世界の神話)
女神記 (新・世界の神話)
女神記 (新・世界の神話)
桐野 夏生

桐野さんの新作が出てたわ〜。
ってことで読んではみたけど……。
南の小さな島。掟とかしきたり。巫女。神。穢れ。
そんな感じの内容のものって、なんかやっぱりピンとこないなぁ。

これもまぁ、桐野サンらしく、女の執念深さとか醜さとかがうまく描かれている。
すべてものもは1つでは何も生み出さないという大きなテーマを掲げている。
男と女。陽と陰。裏と表。
すべては一対で初めて用を成すという。
はぁ。そりゃそうかもな〜って。

そしてプツンと物語りは終わる。
なんだかなぁ。
黄泉の国のシーンになると、どうにもこうにも現実味がなくて(当たり前なんだけど)。
もうちょっとリアルなヤツ、頼みます。桐野サン。

内容(「BOOK」データベースより)
遥か南の海蛇の島、巫女の家に生まれた二人の姉妹。
姉は大巫女を継ぎ、島のために祈り続けた。
妹は与えられた運命に逆らい、島の掟を自ら破った。
16歳で死んだ妹は、地下神殿で一人の女神と出逢う。
―私はイザナミ、黄泉の国の女神です。

登録情報
単行本: 251ページ
出版社: 角川グループパブリッシング (2008/11/29)
ISBN-10: 4048738968
ISBN-13: 978-4048738965
発売日: 2008/11/29

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| 桐野 夏生 | 00:18 | comments(0) | trackbacks(0) |
冒険の国
冒険の国 (新潮文庫)
冒険の国 (新潮文庫)
桐野 夏生

桐野サンの幻の処女作とか言われている作品らしいです。
1988年にすばる文学賞ってのに応募して、最終候補に残ったものだそうです。(ちなみにこの年のこの賞は「受賞作なし」だったそうで)
昔の作品を読み返し、修正したりするのって、どんな気分なのかな?
気恥ずかしさとかが勝ってしまって、ヘコんだりしないんだろうか?
などなど、以上は読み終えてから知ったことなので、読んでいるときは単に桐野さんの昔の作品ってことだけ知ってて。

この感じ、意外とスキかもしれない。
話としては、取り立てて何も起きないし、ものすごく淡々としている。
明るさがないっていうか、閉塞感がたっぷり。
地味で幸せな雰囲気を持たない30代の独身女性。
家族とともにディズニーランドによってすっかり変わってしまった町に住む。

彼女を通して、なんともいえない心細さって言うのかな。
作者の言葉を借りれば、取り残された感がひしひしと感じられる。
やっぱりこのヒトは、人の、特に女性の暗さとか重さとかを描くのがとても上手い。
この小説なんかは、とくに丁寧に捉えているような気がする。

この物語は、始まりも終わりもなくて、淡々と続いていく日常の中で、いつまでもどんどんと取り残されていく人々をかいている。
これからもまだまだそれは続いていくという、後味の悪さ。
それが逆にリアルさを強めているかのよう。
携帯電話もネットも出てこない。
バブル期の浮かれ調子の社会の中で、ポツンと取り残されていると感じた人たち。
実はたくさんいたんじゃないのかなぁ〜なんて、しみじみ思ってみたり。


内容(「BOOK」データベースより)
永井姉妹と森口兄弟は、姉と兄、妹と弟が同級生同士で、常に互いの消息を意識してきた。特に、弟の英二と妹の美浜は、強い絆で結ばれていた。が、ある日、一人が永遠に欠けた。英二が自殺したのだ。美浜は、欠落感を抱えたまま育った街に帰って来る。街はディズニーランドが建設され、急速に発展していた。そこで、美浜は兄の恵一に再会する。バブル前夜の痛々しい青春を描く文庫オリジナル。

商品の詳細
文庫: 166ページ
出版社: 新潮社 (2005/09)
ISBN-10: 410130632X
ISBN-13: 978-4101306322
発売日: 2005/09
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| 桐野 夏生 | 19:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
東京島
東京島
東京島
桐野 夏生

無人島で繰り広げられるサバイバル。
男多数に女がただ一人。
人間の醜さとか弱さとかが、力いっぱい小汚く描かれている。
最後には助けが来るのか?この人たちどうなるのか?っていう好奇心があってこそ、最後まで読むことができた。

最初は前作の「メタボラ」的な感じかと思ってたけど。
絶望的な状況というか閉塞感というか、そういうのは似てる気がして。
だけどこれはなんだか、結局なにひとつ理解も共感もできないまま終わってしまった。

状況をリアルに思い描けないアタシの想像力の乏しさ故か、ものすごく散漫な感じになってしまった。
読み手のアタシが散漫な気持ちで読んでいたというのもあるかもしれないが、この小説自体なんだかとりとめがない気がする。

もうちょっと前の桐野サン風の作品を強く所望する。

出版社 / 著者からの内容紹
あたしは必ず、脱出してみせる――。
ノンストップ最新長篇!
32 人が流れ着いた太平洋の涯の島に、女は清子ひとりだけ。
いつまで待っても、無人島に助けの船は来ず、いつしか皆は島をトウキョウ島と呼ぶようになる。
果たして、ここは地獄か、楽園か?
いつか脱出できるのか――。
欲を剥き出しに生に縋りつく人間たちの極限状態を容赦なく描き、読む者の手を止めさせない傑作長篇誕生!

単行本: 281ページ
出版社: 新潮社 (2008/05)
ISBN-10: 4104667021
ISBN-13: 978-4104667024
発売日: 2008/05



| 桐野 夏生 | 19:53 | comments(0) | trackbacks(0) |
錆びる心
錆びる心
錆びる心
桐野 夏生

人間の心の中にある、なんかイヤな部分。
誰の中にもあるんだろうけど、なかなか人前には出さない。
そんな部分ばかりをちらちらとあぶりだすような短編が並ぶ。

なんとも嫌な感じがして、そしてある部分共感してしまう。
桐野さんって、こういう女の心の嫌な感じ描くのエラく上手ね。

出版社/著者からの内容紹介
劇作家にファンレターを送り続ける生物教師。
十年間耐え忍んだ夫との生活を捨て、家政婦になった主婦。
魂の孤独を鋭く抉る小説集
皮膚の内側に潜むものは静かに激しく蠢いている。
魂の孤独を抉る待望の作品集。
閉じこめられた想い封じ込んだ願い叶えられない夢…出口を塞がれた感情がいつしか狂気と幻に変わる。

単行本: 227ページ
出版社: 文藝春秋 (1997/11)
ISBN-10: 4163173307
ISBN-13: 978-4163173306
発売日: 1997/11


| 桐野 夏生 | 21:12 | comments(0) | trackbacks(0) |
玉蘭
玉蘭
玉蘭
桐野 夏生

なんだかちょっと辛気臭い感じの話。
現代と数十年前の話が入り組んでいる。
ものすごく読むのに時間がかかった。

幽霊が出てきたりするもんだし、いったいどういうタイプのものなんだろうと思っていたけど、最終的には恋愛モノになるのかな。
恋愛を中心にさまざまな周りの状況を通して、どう生きていくのか……みたいな。
ちょっとコ難しい感じがする。

だけど、この小説に出てくる女たちは、誰もがみなリアル。
現代の女、有子からは優等生であるがための生きにくさとの葛藤。
上海の女、浪子からは生きていくためになんでもするという強さ。
有子の留学先の寮にいた女の浅はかさとか悲しさとか、浪子が嫌う下宿先のオバサンの嫌な感じとかも、すごくリアルに感じる。

だけど、なんせ好みのタイプの内容じゃないせいで、小説の全体的な印象は薄いのかも。
そして登美子のサバサバさ加減。

内容(「BOOK」データベースより
張り詰めた東京での生活に疲れ、すべてを捨てて上海に留学した有子。しかし、どうにも断ち切れぬ思いは、70年前、この地で生き、同じ思いを抱えた大伯父の幽霊を呼ぶ。枯れた玉蘭の花とともに…。交錯する二つの思いは時を越え、“過去”と“現在”を行き交う。人は恋愛の果てに何を得るのか。

単行本: 375ページ
出版社: 朝日新聞社 (2001/02)
ISBN-10: 4022575832
ISBN-13: 978-4022575838


| 桐野 夏生 | 21:22 | comments(0) | trackbacks(0) |


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