アタシが読んだ本のことなどをさらさらと……



スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています



| - | | - | - |
最果てアーケード
評価:
小川 洋子
講談社
¥ 1,575
(2012-06-20)

なんとも小川さんらしい雰囲気の一冊。
静かに静かに生きている人たちばかりが登場する。
場所は小さなアーケード街。

アタシは結構知らない町をぶらぶらするのがすき。
駅前の寂れた商店街なんかを見つけるととても心引かれてしまう。
もちろん賑やかな商店街も好きだけど、どこか寂れた雰囲気の商店街もソソられる。

この小説は古く小さな商店街の中に住む「私」の目を通してみた
その商店街で暮らす人たちやその商店街を訪れる人たちの物語。
そして出てくる人たち誰もが、なんとなく精機がない。
とても不思議な雰囲気で、途中でこれらの人が生きてるのか死んでるのか分からなくなるような感じ。

商店街には義眼屋や紙屋、勲章屋、ドアノブ屋などの
それを求める人がかなり限られるであろうお店ガ多い。
なんとなく深く慎ましやかな雰囲気をまとった商店街。
この独特の世界観は、まさに小川さんならではという感じかな。


JUGEMテーマ:最近読んだ本
JUGEMテーマ:読書



| 小川 洋子 | 22:36 | comments(0) | trackbacks(0) |
人質の朗読会
評価:
小川 洋子
中央公論新社
¥ 1,470
(2011-02)

日本から遠く離れた国で起きた反政府テロ。
その巻き添えをくう形で人質にされた日本人旅行者8人。
と。割と衝撃的なシチュエーションの中で語られる物語。

犯行グループと政府とのやり取りは硬直化し、
長い間人質として小さな小屋に軟禁状態の人質たちは、
その中で一人ずつ自分の過去について物語を書き、朗読しあう。
その物語はどれも、ありきたりな日常の一コマに過ぎなくて、
なぜ今その話を?と思われるようなものもあったりして。
でも、どのハナシもささやかだけど、なぜか心にジーンとしみこむような静けさがある。

ある中年の女性は、数年前のちょっとした通勤途中の話を語り、
ある男性は、アルバイトの最後の日に思った幼いころのことを語り、
ある女性は、昔住んでいたアパートの大家とのビスケットを通じた交流を語り、
ある男性は、ある時期通い続けた公民館のいろいろな教室のことを語り、
……そして最後には、その彼らの会話をずっと聞き続けた特殊部隊の隊員が語る。

犯人たちの言動を知るためにひそかに仕掛けられた盗聴器。
そこから発信される音を、じっと聞き続けていた隊員は、
理解できない日本語を聞きながら、話す人のことを想像し、
聞き終わった後に通訳にあらすじを聞くのを楽しみにしていた。

結局この人質たちのこの物語は、ある意味彼らが残した最後の言葉になる。
部隊の突入で犯人たちも亡くなったが、彼らが仕掛けていた爆弾により人質も一人残らず亡くなってしまう。
なんとも切ないハナシではないか。

3.11のあと、しばらくしてから、災害で亡くなった人たちの物語が語られるようになった。
ツナミに流されながら最後まで町内の人たちに防災無線を通じて呼びかけていた女性。
彼女が最後に母に送ったメールのことを知った。
とても短いメールに涙が止まらなくなった。
予期していない事態に巻き込まれ、突然なくなってしまう自分。
そんなことなど知らず、それまでの日々はささやかにつつましく、時に退屈に過ぎている。
こんなことになるのが分かっていたら……。

なんせここで語られる物語は、あっけないほどの日常で、
なぜこんなときにそんなハナシなんだろう?と思う一方で、
人間ってやっぱりそういうものなのかなぁって思ったりして。
これを読んで一番感じたのは日常の大事さかな。
日々の些細な出来事の一つひとつを大切に、丁寧に生きて行きたいな。


JUGEMテーマ:読書
JUGEMテーマ:最近読んだ本




| 小川 洋子 | 20:27 | comments(0) | trackbacks(1) |
猫を抱いて象と泳ぐ
評価:
小川 洋子
文藝春秋
¥ 1,780
(2009-01-09)

とてもとても静かで美しいといった長編小説。
アタシが抱いている小川サンのイメージ、真ん中のものかな。

これは実在のチェスプレーヤーのことを描いたもののようで。
しかもアタシはチェスを知らない。
それでもなお、この静かで美しい雰囲気は十分に楽しめる。

無口で賢い少年がチェスを覚えて、そのチェスの海に身をゆだねていくという話。
自分の体が大きくなること、大人になることを拒み、一度も人前でそのチェスの腕前を披露することなく、それでもその真摯で美しいチェスを人々の印象に残して死んでいった。
とっても潔くて静かでキレイな人。
こういう人に憧れる。hb
JUGEMテーマ:読書




| 小川 洋子 | 23:16 | comments(0) | trackbacks(0) |
海

小川 洋子


どれもが作者の独特な雰囲気漂う短編。
どれもこれも、その様子がその風景が目に浮かぶような。
作者の描写のうまさなのかなぁ。


結婚相手の弟と過ごす一晩。
ちょっと変わった風の弟との距離のとり方に戸惑いながらも、なんとなくその雰囲気になじんでいく男の様子。
淡々としていていい。

風薫るウィーンの旅六日間
最初はもうこのオバサンにイライラ。
押し付けがましさを撒き散らすわけでもないくせして、なんだかんだと自分の我を通す感じが腹立たしかったりして。
けど、そんな見知らぬオバサンに振り回された彼女も、優しい顔して笑うことができちゃうような感じ。

バタフライ和文タイプ事務所
う〜ん。妄想モノ?
この事務所の描写がすごく好き。
手しか見えない倉庫の男性のことを思う女性。
独特のいやらしさを出してるねぇ。

銀色のかぎ針
パラリパラリとめくったら終わってしまう、ほんの短い短編。
だけどその行間に、祖母への気持ちとかがあるような。
この短さでこれを書くのって、すごいなぁ。

缶入りドロップ
これも劇短いモノ。
だけど本当に心があったかくなるような感じ。
この短さで、内容もありきたりな感じなのに、こんなにうれしい気持ちになるのはなぜでしょう。

ひよこトラック
しゃべらない女の子と、一人暮らしの男との抜け殻集め。
蝉やら蛇やら……、そんなものを集めてただただ二人で眺める時間。
カラーひよこがパァって散らばる様子は、なんだか目に見えるよう。

ガイド
コレ、好きだなぁ。
男の子がこの一日でどれだけ成長したのかしらって思うとうれしくなる。
彼本人の成長はもとより、母のことをより理解し、支えようとする男子。
とってもうれしい気持ちになった。
内容(「MARC」データベースより)
キリンはどんなふうにして寝るんだろう-。『新潮』掲載の表題作ほか、「博士の愛した数式」の前後に書かれた、美しく奥行きの深い全7作品を収録する。この世界の素晴らしさを伝えてくれる短編集。

単行本: 192ページ
出版社: 新潮社 (2006/10/28)
ISBN-10: 4104013048
ISBN-13: 978-4104013043


| 小川 洋子 | 20:22 | comments(0) | trackbacks(1) |
ミーナの行進
ミーナの行進
ミーナの行進
小川 洋子, 寺田 順三

ちょっとくすんだ色の映像というのかな、
懐かしいような雰囲気がプンプン。
昭和の時代の平和で上向きな感じがいい。
出てくる人たちがみんな心優しい感じも好き。

大人たちは誰もが子どもを心から大切にし、
そして子どもたちは大人一人ひとりを、
それぞれの個性を尊敬し、頼りにし、
そして愛しているんだな。
家族っていうくくりの中の大事な部分がよく書かれている。


昭和の時代のお金持ちの家に生まれた
体が弱い女の子ミーナ。
金持ちで病弱で……ってなると、
すっごい嫌な子か天使みたいな子かって
イメージが多いが、このミーナはその間。
確かにとってもイイ子なんだけど、
天使みたいなつかみどころがないんじゃなくて、
見た目の儚さとは違い、彼女の心は生き生きしている。
いとこの女の子が、そんな彼女と暮らした1年間が
色鮮やかに描かれている。

コビトカバに乗って通学するとか、
おばあさんがドイツ人であるとか、
ホテルのシェフが家でフルコースを振舞うとか、
ミーナのお父さんはいつも家にいないとか、
そんなちょっと変わったところはあるものの、
フレッシーという飲み物(ありそう!)
とかミュンヘンオリンピックとか、
そういうものとのかかわりで、
いつでもふっと思い出すことができる
映像とか香とか感触とか……。

なにがどう…っていうようなものでもないけど、
とても優しくてあったかくて、幸せな小説。
気分が疲れているときとか、ちょうどいいかも。

単行本: 348 p
出版社: 中央公論新社
ISBN: 4120037215 ; (2006/04/22)

美しくてか弱くて、本を愛したミーナ。
あなたとの思い出は、損なわれることがない
――懐かしい時代に育まれた、二人の少女と、家族の物語。


| 小川 洋子 | 12:32 | comments(0) | trackbacks(5) |
博士の愛した数式
博士の愛した数式
博士の愛した数式
小川 洋子
内容がヨメないまま、
なんとなくタイトルにひかれて読み始めた小説。
いきなりルートがどうとか素数がどうとか……。
なんかマズい展開。最後まで読めるのかしらと思ったが、
途中からはどんどんページが進んだ。

記憶が80分しかもたない数学者の博士と
その家で仕事をすることになった家政婦。
この二人のときの話はぼちぼちだが、
ここに家政婦の息子ルートがからんできてからは
とってもいい雰囲気。

内容はもとより、文章からも
静かできちんとした雰囲気が漂う。
抑揚がなくて面白みがないというヒトもいるかもしれないが、
アタシはとても品がある感じで好きだな。

博士の子どもに対する態度がとても好感。
アタシも周りのヒトにこうやって接したいものだ。

で、読み終わって気になったのがオイラーの公式。
あとでちょっとググってみた。
まったく起源の異なる指数関数と三角関数が
複素数の世界では密接に結びついていることを表す。

とある。

アタシの頭ではこの意味はよくわからないが、
この小説の中でこの公式が意味するものは、
よくわかるような気がする。


| 小川 洋子 | 22:59 | comments(0) | trackbacks(0) |


SMTWTFS
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< September 2017 >>
CATEGORIES
LINK
RECENT ENTRIES
ARCHIVES
RECENT COMMENTS

RECENT TRACKBACK

PROFILE
RECOMMEND