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アタシが読んだ本のことなどをさらさらと……
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2011.11.01 Tuesday
リアル・シンデレラ
読み終えてしばらくしてから余計にそう思うようになってきた。 タイトルのリアルシデレラの意味を思い描きながら読み始めたんだけど、 自分の予想と想像を笑いたくなるようなものでした。 『シンデレラ』 知らない人なんていない童話のお姫様。 灰かぶり姫。 そしてなにか、憧れの冠コトバみたいになっている。 シンデレラガール。シンデレラストーリー。 華々しく素晴らしいといった形容詞をあらわす単語に。 ここでこのことに疑問を持ったんだろうな。姫野サン。 まったく何も考えていなかったために、なぜだかわからない落ち着かなさを感じていたアタシの頭を、すっきりと整理してくれた。 そうです。シンデレラってあこがれるべき女性かしら?ってこと。 彼女ってシアワセかしら?ってこと。 継母と姉たちにいじめられて確かにかわいそうだけど、 シンデレラが求めた世界は、彼女を苛めた女たちとなんら変わらないじゃないか。 そして自分が求めたその幸せを手に入れると、同じように、もしくはさらにひどい仕返しをしたシンデレラ。 シアワセやサクセスを表す単語として『シンデレラ』という単語を使うのであれば、 こういうシンデレラであってほしいという女性を描いたもの。 ただこの小説は決して明るくて楽しい話ではない。 なんせ苛められて誤解されて……という少女を描いているんだから。 しかし彼女がシンデレラたる所以は、彼女の描いた世界観にある。 何を持ってシアワセとするのか。 それはすべてそれぞれの人間が決めること。 これほど無欲でありながら人生を楽しむことができる人には確かにあこがれる。 結末はハッピーでもないし、結局彼女は周りから見て所謂シアワセだったのか?という人生を送っている。 それでもなお、なにか前向きな気持ちにさせてくれるという、不思議なオハナシ。 JUGEMテーマ:最近読んだ本 JUGEMテーマ:読書 2009.07.24 Friday
もう私のことはわからないのだけれど
開いてなんか様子が違ってて戸惑ってしまった。 これは詩なのかな。散文なのかな。 そして読み始めてまたちょっとギクっとした。 介護をしている人の心の中を切り取ったようなもの。 自分の親から自分のことをわかってもらえないまま続く介護生活って。 アタシには介護の経験がないんだけど、それでもなんか絶望的な気分になりそう。 子育てと違って特に高齢者介護は、前に向かう兆しが見えないのが切ない。 いつまで続くのか分からない介護。 「横浜なんかに住んでてすみません」という一遍。 介護の経験をしたことすらないのに、その場の雰囲気と気持ちがすっごく分かる気がして。 JUGEMテーマ:読書 2007.11.11 Sunday
コルセット
コルセット 姫野 カオルコ 久しぶりにこの人の小説を読んだ気がするが、あいかわらずなんとも硬い感じの文章で色気のあることを書いている。 今回はお金持ちの女たちの内面が描かれた4つの短編。 どの章もそれぞれ少しずつリンクしていて、さっきのあの人がこっちにちょこっと出てきたりして、どの章にもブルジョワジーな匂いがプンプン漂う。 家の都合で決まった結婚により得た夫は性的不能。 その夫から薦められて、彼の友人の男たちとするセックス。 その様子を全て夫に語る彼女。 その彼女が夫に秘密の相手にのめりこんでいく。 またその夫の姉である女が主人公の章では、彼女の夫はゲイ。 その夫の恋人である男を家に住まわせている。 次の章ではその女の家に家政婦として勤める女の娘が主人公。 といったようなことだが、全てで描かれているのが、ちょっと変わった、でも実はありがちかもしれない性。 そしてタイトルのコルセットというのはなんだ? メタファーとして思いつくのは形かな。 結婚とか、家とか、血とか、品とか……。 そんなものに好むとも好まざるともなく縛られている女たち。 彼女たちがそのコルセットをふと外したときの言動とか。 共感っていうのとはちょっと違う感じがするけど、分からないわけでもない。 結婚っていうものはなんぞや?などと、近ごろよく考えてしまいがちなアタシとしてはね。 なんだか、そのうっとうしさとかちょっとした息苦しさとか。 抜け出したいという思いとか、抜け出さずに気持ちを抜き出したいという思いとか。 いろいろ考えてしまったりもして。 なんて書いてはみたが、読みようによってはエロ小説系であったりSM系であったり。 あんまり気持ちよく思い入れもって読めるようなものじゃなかったなぁ。 あー。ただやっぱりこの人の書き方は好きかもしれない。 最後の章の舞台がバリ。この描写がなんともいえない。 あったかい風とか緑の匂いとかがしてきそうな。 内容(「BOOK」データベースより) 美しく爛れた人生には、退屈しかない。建設的で生産的な人生をいかに歩むかと考えたり努力したり自己を鼓舞したりするようなことは、働かないと食べてゆけない人たちがすること。―官能から始まった純愛、倒錯した被虐趣味、すれ違った片思い、南の島での三日間の邪淫。それすらも退屈しのぎ。硬質な筆致で描く、スノビッシュな階級小説。 内容(「MARC」データベースより) 流れてゆく。男の子の唾液がわたしの喉を。吸いついてゆく。 男の子の指がわたしの体を。あるふたつの箇所をのぞいて…。 ロンド形式に、優雅で官能的な4話を収録。 硬質な筆致で描く、スノビッシュな階級小説。 単行本: 224ページ 出版社: 新潮社 (2006/9/21) ISBN-10: 4104277029 ISBN-13: 978-4104277025 発売日: 2006/9/21 2007.06.22 Friday
桃
桃 姫野 カオルコ 「ツ、イ、ラ、ク」という小説とリンクしているらしい。 ってことに、読み終えてから気づいた。 しかも結構前に読んだものだし、なんとなくぼんやりとしかつながらない。 まぁ、これはこれってことで読んだので、問題なし。 学校で起きたひとつの事件。 その周りの人たち、それぞれから観たそれを描く短編集。 なんとなく切なくて、心がちょっと痛くて。 姫野サンらしいお話。 桃。あの優しくてやわらかくてなんともそそられる色と形。 すぐに傷がついてしまうあのはかなさ。 そしてあのジューシーなおいしさ。 だけどちょっと舌に残るあの感じ。 そんな桃のイメージぴったり。 出版社 / 著者からの内容紹介 傑作恋愛小説『ツ、イ、ラ、ク』の登場人物達が綴る6つのせつない物語。 桃は探偵のように、私の場所にひそんで、むかしを窃視する。彼とひとつになりたかった、そのむかしを。 内容(「BOOK」データベースより) 許されぬ恋。背徳の純粋。誰もが目を背け、嫉妬し、傷ついた―。胸に潜む遠い日の痛み。苦みに癒される6つの物語。 単行本: 333ページ 出版社: 角川書店 (2005/4/1) ISBN-10: 4048736027 ISBN-13: 978-4048736022 2007.04.23 Monday
ああ正妻
ああ正妻 姫野 カオルコ 実はコレ、かなり笑える内容なんだろう。 普通の結婚のシュールさって……。 笑えなきゃ嘘でしょ。 とはいえ、アタシってばもう本当にコレ読んでる間中イライラ。 あぁ。結婚ってなんなんだ??みたいな。 笑い話として読み飛ばせてしまえればよかったんだろうけどねぇ。 ちっともリアリティは感じないくせして、この女にも男にも腹が立つ。 どうしようもないな、アンタら……みたいに。 故にちょっとフラストレーションの溜まる一冊になってしまった。 出版社/著者からの内容紹介 「お嬢さま」は「不条理な悪妻」だった!? 大手出版社に勤める小早川。妻はミッションスクール卒の「お嬢さま」、娘二人も妻の母校に通い、恵まれた結婚だと人は言う。しかしその驚愕の実態とは!? 「ふつうの結婚」のシュールさを突く快作! 単行本: 280ページ 出版社: 集英社 (2007/03) ISBN-10: 4087748510 ISBN-13: 978-4087748512 2007.04.09 Monday
整形美女
整形美女 姫野 カオルコ 美容整形。 女性なら誰でも一度はその広告をじぃ〜ッと観たことあるんじゃないのかなぁ。 ソレを実際にするかしないかは別にして。 普通、整形といえば鼻を高くしたり、目をぱっちりさせたり、はたまた胸を大きく、ウエストを細くと、なんていうのかな、人形みたいに、モデルみたいに変化することを創造する。 ところがこの小説では、2パターンの女性が登場するのだ。 完璧といっていいような容姿に生まれた女が、いわゆる平凡な顔と体を求める場面から始まる。 それは彼女の壮大な計画の一端だった。 世の中の一般的な男性がどういった女性を選ぶのか。 そういったテーマで綿密に分析された彼女の理想は、一般的なものとは正反対な整形を選んだ。 またその知人である女性は、その女性の写真を手に美容整形を行う。 つまりお互いが知らない間に知らないところで、容姿を入れ替えるような整形を施すのだ。 二人の整形は、その後の彼女たちにどんな影響を与えたのか…。 整形というもの、そのものを否定するのではない。 整形をしたという事実を隠すこと自体に問題がある。 そのせいで心理的に圧迫されてしまうのか。 その気になれば、ものすごく深〜く読めてしまうような小説だなぁ。 だけど姫野さんらしく、いい感じの軽さとテンポで、軽く読ませてくれる。 内容 美とはなにか、幸せとはなにか…。火の玉村に育った甲斐子と阿倍子。幸せを願うふたりが身を委ねたのは、変身願望の虚構。彼女たちが辿る苛酷な運命を、美容整形の実体を暴きつつ軽妙洒脱に描いた物語。 単行本: 243ページ 出版社: 新潮社 (1999/01) ISBN-10: 4104277010 ISBN-13: 978-4104277018 2007.03.12 Monday
ツ、イ、ラ、ク
ツ、イ、ラ、ク 姫野 カオルコ 最初は小学校低学年の女の子たちの力関係が描かれている。 スゴク感じの悪い女の子がいて、とても感じの悪い意地悪。 そんな力関係=サロンの中でそれなりに生きていく少女たち。 この時点では主人公が誰なのかわからない。 感じの悪い統子なのかとも思ったが。 その後、準子(↑この子だったのだ)は個性を大事に育つ。 ちょっと大人びた子。アタシはこういうコ好きだ。 なんて思って読んでいたんだけど、事態はヘビーな方向へ。 14歳。中学生。 その歳で本当に愛する人を知ってしまったのだ。 あ。これもあとからわかることなんだけど。 それはそれは、タイヘンな出来事に違いない。 そう。いつの年代であってもそのときにはそのときの自分のことがわからない。 少したって少し大人になって振り返って、あぁあのときは……って思うんだ。 そういう感じが、この小説のいろんなところで思われる。 そしてその大切な愛する人を守るために彼女は封印した。 その封印が解けるのは十年もたってから。 最後にはホッとした。 こうじゃないと、どうにもこうにもやりきれないから。 とっても重くてはかなくて、そして切なくて。 割とあとあとでも内容をふと思い浮かべることになるんじゃないかな。コレ。 内容紹介 忘れられなかった。どんなに忘れようとしても、ずっと。 森本隼子、14歳。地方の小さな町で彼に出逢った。ただ、出逢っただけだった。雨の日の、小さな事件が起きるまでは――。姫野カオルコの新境地、渾身の思いを込めて恋の極みを描ききった、今年度最強の恋愛文学 忘れられなかった。どんなに忘れようとしても、ずっと。すべての人の記憶に眠る、官能の目覚め。狂おしいまでの恋の痛み、恋の歓び。今年度最強の恋愛文学 激しく切ない渾身の950枚 森本隼子、14歳。地方の小さな町で、彼に出逢った。ただ、出逢っただけだった。雨の日の、小さな事件が起きるまでは。体温のある指は気持ちいい。濡れた舌は気持ちいい。それらが腰を撫でるのも、腹をすべるのも、背中を撫でるのも―。 苦しかった。切なかった。ほんとうに、ほんとうに、愛していた―。姫野カオルコの新境地、渾身の思いを込めて恋の極みを描ききった長編小説。 一生に一度の、真実の恋。 単行本: 426ページ 出版社: 角川書店 (2003/10) ISBN-10: 4048734938 ISBN-13: 978-4048734936 2007.03.11 Sunday
空に住む飛行機
空に住む飛行機 姫野 カオルコ 今は改題されて「ドールハウス」という小説として出されているようそうだ。 いわゆる厳しい家庭というのではくくれないような、ひどく冷たくて硬い家族関係。 そんな家庭で育ち、その育ちどおり女子高、女子大をへて公立図書館に勤める大屋敷理加子29歳。 彼女はその育ちから、交友関係も狭く、また彼氏なんて単語にピンとこないような女性。 最初はもうこの親子関係にただただイラつきながら読んでいた。 ところが父母の入院中になんと彼氏ができる。 その彼とのやりとりも、ちょっと人並みはずれていたりして。 そんな彼女を見守る職場の同僚も言う。「彼女は重い」と。 そうこうしているうち、やはりというかなんというか、彼女からその彼氏が離れていく。 そのとき彼女が思ったのは、怒るでも引き止めるでもなく、「領収書」をもらうこと。 そう。なんだかわからないまま有耶無耶に離れていくということに我慢がならない。 そんな経験をするうちに、だんだんと彼女が変わってきていいることに気づく。 それに気づいていくうち、読みながら少しずつ彼女を応援したくなってきている。 展開的にはぜんぜんハッピーではないものの、やっぱりこれハッピーエンドなんだわ。 内容たとえば、姉の食べ残しに弟が躊躇なく手を出せる―そんなふつうの生活を理加子は夢みている。軍隊にも劣らないほど強権な父親と、一度も家族を愛したことのない母親のもと、理加子は大屋敷家ただひとりの子供として“石の歳月”を過してきた。“不良になるから”という理由で、映画、読書はもちろん電話、手紙に至るまで禁止されてもなお、理加子は両親に逆らえない。そんな彼女の前に粗暴で強引な男性江木が現れ、次第に心を開いてゆくが…。子供から大人へ。集団から個へ。誰もが通過する家=家族との決別を綴った切ない物語。 単行本: 229ページ 出版社: 主婦の友社 (1992/05) ISBN-10: 4079376529 ISBN-13: 978-4079376525 2006.01.16 Monday
ハルカ・エイティ
ハルカ・エイティ 姫野 カオルコ 久しぶりにゆっくりと読んだ本。 ハルカさん80歳。 キレイな色の服におしゃれな髪型 ハイヒールでシャキシャキ歩く モダンでカッコいいおばあちゃん。 第1章ではそんな彼女のことが姪の目から描かれる。 それからは、時代は戦前に。 ハルカさんが生まれたころから順を追って、 彼女の一生が描かれている。 戦前、戦中、戦後。 女学生時代を経て結婚し、 すぐに夫を戦争にとられ、 その後、母となり子どもと夫との生活。 紆余曲折があり、だけど取り立てて変わった人生でもない。 そんな彼女のことが、淡々と描かれている。 最後は……。 老夫婦となったハルカと夫は、 静かにとても幸せに暮らしている。 とてもとても静かで、素敵な物語の終わり方。 この本、結構読むのに時間画家語ったけど、 アタシは好きだなぁ。 |
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