アタシが読んだ本のことなどをさらさらと……



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ジョナさん
ジョナさん
ジョナさん
片川 優子

はるか昔のキモチを本の少しでも思い出すことができるような小説。
懐かしさとか愛おしさとかがふわっと漂うような。
まぁ、これはあのころの自分を思ってのことなんだろうけど。
いわば自己的なノスタルジーに浸るにはぴったりの小説。

主人公の女子高生が、些細なことに気持ちをぐらぐら揺らして、そして悩んだり泣いたり。
最初のころは、彼女の家庭になんかすごく複雑な事情でもあるのかと思いながら読んでいたのだ。
なんせ父親の存在感の欠落とか、母親との形式だけの付き合いとか、そして何よりおじいちゃんのことを嫌いなふりをしていることとか。
そういうものの理由が、なんかもっとすごく大きなこととか、衝撃的な出来事とかあるのかと思ってたけど。
読み進めるうちに、そのうちそのあたりがわかってくるんだわぁなんて思ってたら、本当になにもなくって逆にびっくりした。

まぁ、この小説自体があいまりにも何も起こらないのだ。
なんせごく普通の高校生のごく普通の日常を描いたものだから。
とにかくものすごく普通なのだ。
文章が上手なのか、リアリティをかんじることができるんだけど、
とはいえ現役高校生が書いてるんだから、当たり前っていえば当たり前か。

だけどアタシとしては、この何も起こらなさがいい。
何にも起こらなくても、あの世代、あの時期、あの年頃の子どもは、些細なことに一喜一憂するんだ。
そして、その、何っていうこともないような、形のない不安とか苛立ちとか、そういうのにいちいち揺れ動きながら、それでも少しずつ進んでいくものなのね。
あの雰囲気が懐かしく感じられただけでいいかなって思った。

ところでこの作家は、あの「佐藤さん」以後、これが2作目なのかな?
やっぱ年代がビンゴってだけで、書く文章にリアリティがでてきていいよねぇ。

出版社 / 著者からの内容紹介
講談社児童文学新人賞入賞で鮮烈のデビューをはたした期待の高校生作家の第2作は日々を愛おしく思える青春小説
どきどきが止まらない。悲しいときも、嬉しいときも、さびしいときも、泣きそうなときも、恋したときも、心臓が脈打つのだという単純なことを、私は今初めて知った。??<本文より>

単行本: 231ページ
出版社: 講談社 (2005/10)
ISBN-10: 4062130769
ISBN-13: 978-4062130769




| 片川 優子 | 13:48 | comments(0) | trackbacks(0) |
佐藤さん
佐藤さん
佐藤さん
片川 優子

高校生作家が描いた作品……。
そんなイメージ先行で読み始めた。
実際にとても読みやすい小説で、
あっという間にページが進み、一晩で読み終えてしまった。

ボクは佐藤さんが怖い。
そんな書き出しで始まる。
主人公の彼は霊が見える。
そして佐藤さんは霊が憑きやすい人。
佐藤さんに毎日ついている霊のせいで、
彼は佐藤さんが怖いのだ。

霊の存在をきっかけに2人が近づいていく。
彼は中学生時代にいじめられた記憶から、
いろんなことにとても自信がない。
そんな彼が「変わろう」とする過程がほほえましい。

そして学校ではイイ人を演じているが
実ははっきりと意見を言うしっかりした佐藤さん。
彼女も実は、心に傷を持っていて……。

霊を介した話っていうと、ちょっとドロドロしてそうだけど、
これはどっちかというとさわやか学園モノ。
彼女の守護霊になったという霊なんて、まるで友達の一員だ。

いじめを受けた経験から、
「強い人」をつい敬遠していた彼が、
友達の力、友達みたいな霊の力、
そして自分の力でそれを克服していく。
なんかイイ話じゃないの。

最後はジンときてしまった。
「強い人」だと思いこんでいた佐藤さんの
心にもち続けている傷。
それを克服する手伝いを、彼がしていこうという。
いいお話だな。
気軽に読める作風だし。
中学校なんかの学級文庫にいかがかしら。


| 片川 優子 | 12:56 | comments(2) | trackbacks(0) |


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