アタシが読んだ本のことなどをさらさらと……



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秋田さんの卵
評価:
伊藤 たかみ
講談社
¥ 1,470
(2012-03-09)

う〜ん。
伊藤サンの小説は、アタシの好みではないのかもしれない。
いまさらのようだが。

『ボギー、愛しているか』と標題作の2作が収録されていて、
どっちもそんなに悪いというのでもないけど、
なんだか今ひとつ共感できないというか……。

標題作は病院に入院中の患者たちからみた、特定の入院患者が雇っている付添婦の話なんだけど、
患者同士の会話はなんとなく面白いクダリもあったりするが、
最後はどうしても「ふ〜ん」って感じで。
なんとなく病院のすぐそばに出ている屋台でおでんを食べる看護師と患者の絵が残っている感じ。
で、自ら突っ込みたくなる。「そこじゃないだろ」


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| 伊藤 たかみ | 23:03 | comments(0) | trackbacks(0) |
お別れの、そのあとで
評価:
伊藤 たかみ
光文社
¥ 1,575
(2011-12-15)

別れっていろんな場面で遭遇してしまう。
自ら選ぶ別れもあれば、知らない間に身に降りかかる別れもあって。
別れのその後、その別れをどんなふうに消化するのか。
いろんな人たちの様子を描いている。

悪くはないんだけどねぇ。
あんまり記憶に残るような本じゃなかったかも。
でも、やっぱりこういうのって読みながらいろいろ考えてしまう。
別れを乗り越えて、自分らしく、自分を大事に生きていける人っていいな。


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| 伊藤 たかみ | 20:08 | comments(0) | trackbacks(0) |
そのころ、白旗アパートでは
なんだか伊藤たかみサン、すごく久しぶりに読んだ気がする。
とってもほっこりとあったかい気分になる一冊。

とにかくボロいアパート。
なぜか屋上には白旗が掲げられている。
住人たちは部屋の鍵をかけるというプライバシー確保と財産保守を放棄している。
そのうち2階に住む3人の日常を描いている。

一人は売れない作家。
一人は2浪2留の大学生。
一人は医大を目指す浪人生。
この20代男子3人が繰り広げる、ほのぼのとした生活。

そのアパートに住むことでまるで貧乏神に取り付かれるような場所。
見た目もそうだが実際に、どいつもこいつもウダツが上がらない。
そんな中、彼らの誰かが恋をしたり、複雑な家庭環境を思ったり。
そういう出来事に、あとの2人も楽しみながら参加する感じ?
貧乏はお金はないけど暇はいくらでもあるってことで。

そうこうしているうちにそのアパートの取り壊し時期が近づく。
もともとそのころには取り壊すという条件付で入居しているので誰も文句は言わない。
そんなタイミングで、ウダツがあがらないままの彼らも、一人また一人と自分の進むべき場所を見つけていく。
なんかふわふわとぼんやりとしたふんいきなのに、なんとなく前向きな感じがいい。

小説家の加藤サンが、なんだか卓越してるっていうか年寄りくさいっていうか。
このキャラクター、結構イイ。
それから浪人生の藤井寺君も。
ボロアパートで貧乏暮らしをしながらも、やっぱり育ちのよさが時折顔を見せるかんじ。
こういう男の子、すきなのね。

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| 伊藤 たかみ | 19:38 | comments(1) | trackbacks(6) |
誰かと暮らすということ
評価:
伊藤 たかみ
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 1,575
(2009-10-30)

伊藤さんの作品は久しぶりな気がします。
これは恋愛モノってくくりになるのかな?
けど、それよりはもうちょっとなんていうのかアツさがない感じ?
短編がいくつか入ってるんだけど、それぞれが少しずつリンクしてる。

会社の同期でお互いの距離がうまくつかめない男女が何度か出てくる。
コレはなんだかなぁ。読んでて笑ってしまう。
っていうか、ソレ分かるわぁ〜って。

最初も書いたけど、テーマは恋愛よかもうちょっと平和な感じ。
タイトルは割とイイ線いってる。
誰かと暮らすということ。
恋人と同棲することだったり、あるいは結婚だったり。
そうなると、日常になるわけですわ。
相手がそこにいることが。

それってすごく幸せなこと。
だけどうわ〜っていう浮かれた感じじゃなくて、もっと静かな幸せ?
好きな人がただそこにいる。
もちろんなんとなくうまくいかないときもあるだろうし、イラつくときもあるだろうし。
それでも、どっかでうまくやりすごして、日々を重ねていく感じ。
うらやましくもあり、面倒くさくもあり。

なんだか読んでてとてもフクザツな気分になってしまった。


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| 伊藤 たかみ | 19:35 | comments(0) | trackbacks(0) |
フラミンゴの家
フラミンゴの家
フラミンゴの家
伊藤 たかみ

離婚した妻が病気になり、数年ぶりに一人娘と暮らすことになった男。
離婚後彼は実家に戻り、家業の水商売を営む。
彼のテリトリーは水商売が多い商店街。
いきおい家族も友人も、ちょっと面白い水商売の人たち。

そんな中に突然やってきた娘は、母と二人で靜かに過ごしていたせいで、いろんなところで違和感を感じながらもなじんでいく。
そして母の病状が悪化し、不安でいっぱいの彼女を支えたのは、ゆくゆくは父になるのではないかと思われていた母の恋人ではなく、父やその周りの人たちだった。

優しいお話です。
子どものためなら親はナンだってする。
っていうか、してしまうんだろう。
だけど大人にはいろんな事情があったりしがらみがあったり……。

この父親である正人の母がステキな女性。
図太くて、骨があって、でも憎めないような。
こういう母親っていいなぁ。

内容(「BOOK」データベースより)
町の下半身と揶揄される南口の「さかえ通り」商店街で実家の水商売(スナック経営)を手伝うバツイチ男。
元妻が入院したため、離婚後会っていなかった思春期の娘と一緒に暮らし始めることになり、同棲中の恋人も追い出す。
が、そう簡単に親子の距離は縮まらない。
それどころか勢いあまった男は娘に手を上げてしまう。
そんな中、元妻の病状は悪化していた…。

商品の詳細
単行本: 250ページ
出版社: 文藝春秋 (2008/01)
ISBN-10: 4163266909
ISBN-13: 978-4163266909
発売日: 2008/01



| 伊藤 たかみ | 12:49 | comments(2) | trackbacks(1) |
卒業式はマリファナの花束を抱いて
卒業式はマリファナの花束を抱いて
卒業式はマリファナの花束を抱いて
伊藤 たかみ

なんだろ、これ?
血のつながらない姉妹の話。
薬漬けの妹に影響されてマリファナに手を出す娘。
結局妹は薬のせいでヒドい状況に。
この場面、タランティーノの映画に出てきそう。
っていうか、パルプフィクションかなんかでこういうところあったような……。

結局、何の感想ももてないまま一冊終わってしまった。
アタシには向いてない、っていうかまったく興味のない内容だった。
ザンネン。

内容(「BOOK」データベースより)
Girl Meets Girl.クスリ漬けのエミリに恋をした。パパの再婚相手が連れてきた、わがままで可愛い春風…文芸賞作家が贈る書下し小説。

内容(「MARC」データベースより)
エミリはパパの再婚相手が連れてきた綺麗な女の子。私はひと目で彼女を好きになった…。血のつながらないサラとエミリの姉妹のあいだに生まれた不思議でせつない恋。卒業式を前にクスリに溺れる少女たちの見えない未来を描く。

出版社: 河出書房新社 (1997/05)
ISBN-10: 4309011462
ISBN-13: 978-4309011462
発売日: 1997/05


| 伊藤 たかみ | 20:11 | comments(0) | trackbacks(1) |
八月の路上に捨てる
八月の路上に捨てる
八月の路上に捨てる
伊藤 たかみ

今頃になってしまったが、今年の芥川賞を手にとってみた。
とっても薄くってビックリ。
表題作と「貝からみる風景」の2本が収録されている。
どっちもサラサラッととても読みやすい。
本の薄さと相まって、2時間足らずで読めてしまう。

まずはその受賞作である表題作「八月の路上に捨てる」。
ジュースの自動販売機に商品を補充するアルバイトをしている敦。
相棒の水城さんと2人でルートの巡回をする毎日。
離婚を翌日に控えた敦と、その日でトラックを降りる水城さん。
この2人の関係がなんとなくいいな。
水城さん、好きだな。

仕事を次々とこなしながら、彼の結婚生活と離婚の経緯を水城さんが聞きだす。
そんな一日を淡々と描いたものだけど、なかなか味わい深い。
すでに離婚を経験している水城さんは女性ドライバーとして、それなりの嫌がらせを受けながらも強く潔く生きている。
さばさばしていて潔くて、女性のあの感じがとても好き。

対する敦はなんとなく煮え切らない。
というかそういう性格なのかな。
彼の離婚の原因は彼の浮気。とはいえその浮気も、妻から逃げたいがための浮気みたいな。
でも決して彼は妻を愛していないわけでもない。
そういうのってあるよね〜。あらゆるところで。

好きだとか大事だとか思っているのに、それをものすごく疎ましく思ったりとか。
ああ。それって分かるなぁ。って思いながら読んだ。
キモチの持っていきようのなさと、苛立ちと、どこかしらヒトゴトみたいな感じ。
ああいうのが、淡々とさらさらと書かれているのがいい。

そして「貝からみる風景」。
これもまた、訥々とした感じがいい。
一緒に暮らす女性の帰り時刻にあわせて、自宅で仕事をする彼は家を出て、一緒に買い物をするためにスーパーで落ち合う。
そんな彼の淡々とした日常。

好きな人と一緒にいるときに感じる幸せっていうのは、意外と単純なものかもしれない。
同じものを同じときに食べたいと主張するときとか、名前だけしか知らない商品を想像して、意見が全く自分と同じであったときとか。
ああいう感じを大切にできれば、ずっと一緒に生きていけるような気がする。
そういう静かなあったかさを感じる短編。

<strong>内容(「BOOK」データベースより)
暑い夏の一日。僕は30歳を目前に離婚しようとしていた。現代の若者を覆う社会のひずみに目を向けながら、その生態を軽やかに描く。第135回芥川賞受賞作ほか1篇を収録。

単行本: 122ページ
出版社: 文藝春秋 (2006/8/26)
ASIN: 4163254005


| 伊藤 たかみ | 23:15 | comments(0) | trackbacks(1) |
ぎぶそん
ぎぶそん
ぎぶそん
伊藤 たかみ

いまや直木賞作家なんて飾られた棚に並ぶ伊藤たかみ。
肝心の直木賞作品を読んでいないのでなんともいえないのだが、
アタシが読んだ彼の作品はどうもしっくりこない。
つまり好みと違うということらしい。
ただ、気になって仕方ないのがこの「ぎぶそん」。
これはこのブログを書き始める前に読んだものなんだけど、
確かこの作品、アタシは好きだと思ったはずなんだわ。
で、「ぎぶそん」の伊藤たかみと、今の伊藤たかみとの印象がとっても違う。
なんてことから、も一回読んでみた。


やっぱりコレ、好きだな。
なんかビバ青春!みたいな雰囲気がいいじゃないの。
フライングV、ガンズ、文化祭、バンドだなんて、まさにソレ。
表紙もいいしね。
そういえばこの表紙の雰囲気でなんとなく手にとってみたのが、読んだきっかけなんだわ。
だけど、アタシが一番好きなのはそんな華々しく、楽しげな青春を描いたところとは違う。

まず、時代背景と言葉がビンゴ。
方言といい、当時の懐かしいモノたちの名前といい。
今になって思えば昭和ってなんかイイ響きだなぁ。
とノスタルジーな気分になってみたりして。
バンドを通して描かれているいろんな人間関係がたまらなくいい感じ。
ガクとリリィの関係ももちろんイイ感じではあるんだけど、
かけるとガクの関係が距離感とかもとってもうまく書かれていて、
そのうえ、かけるのじいちゃんというのとの関係も印象的。

バンド、音楽、恋愛。
もちろんそんなものをベースにした小説ではあるんだけど、
もうちょっと切ない人間関係。
友達同士とか、友達の家族とか、住んでいる地域とか。
そういうの描いたものって、もっとグダグダになってしまいそうな気もするけど、
これは、スッキリさわやかに描かれている。

その地域というのはどういうのだろう?
ソコに生まれ育った子どもはみな、かけるみたいに強いのか。
そしてソコから出られなかったじいちゃんは、このじいちゃんみたいなんだろうか。
いろんなことを考える。
この小説は中学生とかの世代にはどう映るんだろう。
ぜひ読んで、いろんなこと考えてほしいな。

内容(「MARC」データベースより)
中2のガク、かける、マロ、リリィは、バカやったり喧嘩したり恋をしたり。そんな4人が、ガクの熱意に押されてバンド練習を始めて…。14歳、それぞれの音がはじけて響く! 胸が痛くなるほど鮮やかでフレッシュな物語。

単行本: 260ページ
出版社: ポプラ社 (2005/05)
ASIN: 4591086631




| 伊藤 たかみ | 16:16 | comments(1) | trackbacks(2) |
助手席にて、グルグル・ダンスを踊って
助手席にて、グルグル・ダンスを踊って
助手席にて、グルグル・ダンスを踊って
伊藤 たかみ

なんていうのかな。若さいっぱい。
高校3年の夏休みなんて、キラキラしまくりの時代だしね。
高校生男子が楽しくて楽しくて仕方がない夏休みを経て、その後、地域ぐるみのケンカになんとなく巻き込まれながら、彼女ともしっくりこなくなり、ヘコんだ時期を過ごし、それでも時は過ぎていく……風な。


同じ高校に通う彼女ができた主人公のカオル。
彼は山手というブルジョワジーな感じの町に住んでいる。
一方彼女は西区という、いわゆるプアーな雰囲気の町の子。
このリッチとプアな地域同士の諍いが、なんともいえないトーンで書かれている。
どうでもいいんだけど、なんとなく諍いはとめられない…みたいな。
とにかくこれが等身大なんだと思う。
この人は地域的な差別というかそういうのに興味があるのかな。
確か「ぎぶそん」でもそんなようなことも扱ってたような……。

あと好きなキャラは、彼の父親の彼女シーナさんだ。
そう頻繁に出てくるわけでもなく、たくさんしゃべるわけでもないが、表題は彼女のコトバだ。

毎日単純でつまらないようで、実はいろんなことが起きていて、それに一喜一憂しながらすごしている。
高校生の時期なんてその起伏が激しくて、それこそカオルのように「今日はやることがありすぎて忙しい」と楽しく想像した直後に状況がかわり、結局は「なんにもすることがなさすぎる」と嘆いてみたり。
もちろんアタシだってそうなのだ。グルグル回っているのだ。

そして西区の彼女は、その町を出て行った。
普通の恋愛小説なら、カオルが追いかけてギリギリのところで間に合うのだが、一日中待っても会えなくて、結局その後もなんの発展もないまま大人になっている。
こういう現実的すぎるサラッと感は、結構すきだな。

惰性であっという間に読めてしまう本で、さらさらっと高校生の日常を書いているような感じだけど、あとでちょっと考えてしまうような、学生時代を懐かしんでしまうような。
悪くない小説だと思う
これは著者が学生時代に書いたものだというのを後で聞いたが、まさにそんな雰囲気。
若いねぇ〜。

単行本: 179ページ
出版社: 河出書房新社 (1996/01)
ASIN: 4309010326

きっと彼女に白いヴェールをかぶせて、赤いコンバーチブルで連れて帰ろう…。高3の夏をグルグルまわったミオと僕の恋。若々しい柔軟性で描かれた純・青春小説。第32回文芸賞受賞作品。


| 伊藤 たかみ | 11:07 | comments(0) | trackbacks(0) |
盗作
盗作
盗作
伊藤 たかみ

これはもう、なんというか疲れた。
死んでしまった友達の名前を
ペンネームに使っている小説家が主人公。

推理小説のような入り組んだ、
そして暗めな話が延々と続く。
そして結末は……。

結局わからないのだ。
なんていうのかなぁ。
何がどういう風に落ち着いたのか、
全然分からないのはアタシの頭が悪いせい?

超常現象なのか、現実なのか、
それさえもあやふやな中で、
「正しいところに落ち着いた」そうなんだけど、
なにがどう落ち着いたのやら。

そういえばこの人の本、
この前よんだ「指輪をはめたい」ってやつも
同じような感じで、すっきりせずに終わっちゃったんだわ。

……ってことで、
トリノを横目に夜中の3時までかけて読んだのに、
疲れた〜って感想になっちゃった。


| 伊藤 たかみ | 21:26 | comments(0) | trackbacks(0) |


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