アタシが読んだ本のことなどをさらさらと……



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君は永遠にそいつらより若い
タイトルが気になって読んでみた。

大学4年生、就職先は決まっているけど、処女で彼氏もいない。
そんなホリガイさんが主人公。
けだるい感じの彼女だけど、実はとても強くていいヤツ。
アタシ、この子好き。

彼女の周りの人間模様。
大学生なんだけど、底が深くて広い感じの人間たち。
お酒を飲んだりけんかしたりバイトしたり。
そんな日常がダラダラと描かれているものの、
その実、奥は深い。

なんていうのかなぁ。
この小説の中心は暴力。
見えない暴力とか、
ヒトが目をそらす暴力とか、
自らうっとりする暴力とか。

そんないろんな暴力が許せない。
のほほんとしていて、利己的なようでいて
実はこの主人公のホリガイさんは、そんなヒトなんだろう。
暴力に負けないで。
そんなメッセージが読み取れれば、作者の思惑通りだろう。


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| 津村記久子 | 22:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
アレグリアとは仕事はできない
いやいや。。
やっぱりこのヒトが描く女性ってのはリアルですな。
日々のささいな日常。
そんな中で起こるささいな出来事。
口に出すわけではなくても、心の中でうだうだと考えていたりする。
または心の中だけでつく悪態。
そんな様子がものすごくリアル。
リアルすぎて、なんか地味で辛気臭かったりはするんだけど。

アレグリアとは仕事は出来ない。
アレグリアってなに?って思ってたけどどうやら複合機のようだ。
最新式で多機能。
だけど、相手を選ぶかのようにやたらと調子が悪くなる機械。
やたら調子が悪くなるその機械の、なぜか担当みたいにされている女性社員のミノベ。
彼女は、このアレグリアにもはや憎しみさえ抱いている。
そんなミノベが、心の中でアレグリアに向かって吐く暴言の数々。

そんな彼女の先輩社員は、文句を言うでもなく淡々と仕事をこなしている。
そんな彼女がアレグリアの失態のせいで仕事が片付かないで夜遅くまで残業するハメに。
その翌日から、先輩は会社に来なくなった。
……なんだかなぁ。って思って読んでいたけど、
果たして、それはバカバカしいことだろうか?
実はその先輩も、口は出さないだけで、アレグリアに対して日々心の中で悪態をついてたのかも。
ミノベのように。

そんな機械に翻弄されるという状況を軸に
いろんな人間関係が見えてくる。
会社の先輩や同僚、営業の人たち。
なんだか働くって、地味で時にはばかばかしいもんだなぁって。

そしてもう一遍の「地下鉄の叙事詩」は、連作。
毎朝乗る地下鉄。
この箱の中でたくさんの人々はどんなことを考えて黙って座っていたり立っていたりするんだろうか。
そんなことは確かに昔考えたことがあるなぁ。

お互いに知人でも友人でもなくて、でもまったく知らないヒトでもなくて。
毎朝同じ車両に乗り込む人たち。
顔は知っていたり、毎日一緒なのに顔も覚えられなかったり。
あるサラリーマンは、その電車の中で、乗り合わせた人たちに心の中で暴言を吐き続ける。
ある女性は、周りの人たちを見て、いらだたしく思ったりする。
ある女子高生は、電車の中であう置換に心を痛めている。
そして最後はそのそれぞれの連作で焦点を当てられた人たちが、向き合う出来事が起きる。

どっちの作品もも、描かれているのはルーティン。
毎日毎日繰り返される、別に楽しくもない日常。
そんな中、苛立ちながら、脳の中で悪態をつきながら、
それでもヒトは淡々といろんなことをこなしていくんだなぁ。
なんかヒトって、ばかげているのか、逆にスゴいのか。

決して読んでいて楽しい!!っていうものじゃないけど、
なんかこのリアリティがいいなぁ。

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| 津村記久子 | 08:05 | comments(0) | trackbacks(1) |
八番筋カウンシル
評価:
津村 記久子
朝日新聞出版
¥ 1,470
(2009-02-20)

う〜ん。どうなんだろう。
なんかちょっと、つかみにくい感じがしたなぁ。
なかなかページが進まないというか。

八番筋という商店街で育った子どもたちが、そこそこの大人になって。
その商店街を客観的に眺めている感じ。
ちょっとさめた感じの視点はキライじゃないけど。

どうにもパッとしない印象の小説だったなぁ。
ちょっと期待はずれか。


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| 津村記久子 | 12:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
ポトスライムの舟
評価:
津村 記久子
講談社
¥ 1,365
(2009-02-05)

2本の中篇が収録されている。
『ポトスライムの舟』は、割と好き。
なんともいえない不器用な感じが。

工場のラインで働く20代の女性が主人公。
彼女は、さして趣味があるわけでもなく、
暇なのがイヤで友達の喫茶店のバイトをしたり、ほかにも副業をしたり。

ある日、工場の休憩所に貼られている世界一周旅行のポスターを見て、
その金額が、メインの仕事である工場からもらう自分の年収と同じことに気づく。
その金額をためて、世界一周旅行に行こう。
と、現実的なのか、非現実的なのか、自分でもよく分からないまま、思いついてしまう。
そのために、副業だけで生活していくことを決め、節約生活を始める。

その間、昔の友人とあったり、出かけたりもする。
そうしながらもコツコツと節約をしているが、
そのうち友人の一人が、子どもを連れて家出をしてくる。
母と二人で住んでいる彼女の家で、その友人と幼稚園の娘が数ヶ月暮らすことに。

自分のしていることにあまり意味が感じられない。
だけど、仕事を休んだり、決まっている何かをしなかったりはできなくて。
そんなバカみたいに正直で不器用な女の子が、ちょっと切なくて。
だけどこの話は、なんとなく明るい雰囲気で終わる。
なんだか分からないって言えばそうかもしれないけど、
それでもなんだかちょっと好きな感じのオハナシ。

もう一作品の『十二月の窓辺』は、あまり読んでいて楽しくなかったな。
会社で上司の女性からパワハラを受けている、これまたちょっと不器用な女の子。
その上司を中心に女性社員が結束していて、その中にどうしても入れない。
とにかくまぁ、そのパワハラの様子がひどくて、読んでいてイライラする。
そんな中、会社を辞めることもできずに、グダグダと自分が悪いと思い込んでしまう。
とにかくまぁ、読んでいて楽しくないなぁ。

そんな彼女が、向かいのビルにある事務所で起きるパワハラを目撃する。
そのことを第三者に話したころから、少しずつ彼女の中で何かが変わっていく。
そして、最後はようやくそのバカみたいな会社を辞める決意ができる。
読みながら、辞めれてよかったなぁ〜って。
なんか最後にホッとしました。
ていうか、組織って怖いですね〜。特に女って怖いですね〜。

ということで、似たような思考を持つ女性が主人公の2作品だけど、
こうして小説としてみると、やっぱり前者のほうが好きかなぁ。
ていうか、今になって気づいたんだけど、この『ポトスライムの舟』って芥川賞もらってんの?
う〜ん……。
芥川賞らしいっていえばそうかもしれないけど。
受賞作品だ!ってことでこの本を読む人には、物足りないのかもしれないなぁ。


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| 津村記久子 | 23:28 | comments(0) | trackbacks(0) |
カソウスキの行方
評価:
津村 記久子
講談社
¥ 1,470
(2008-02-02)

先日、『ワーカーズ・ダイジェスト』をはじめて読んで、
この人の小説、続けて読むんだろうなぁ〜って思った。
そんな自分の期待を裏切ることなく、アタシ、やっぱりはじめてしまいました。
手始めに、めちゃくちゃページ数の少ないコレから。

「カソウスキ」ってなに?
なんかの植物の名前かなぁ。
などと思っていたら、ぜんぜん違った。
仮想、好き。
好きだと仮定しようってことみたい。
やっぱり割と好きだわ。このトーン。

本社から左遷され、郊外の倉庫で働くつまらない毎日。
近くにいる男性の中から、消去法で残った森川。
せめて彼を好きだと仮定してみよう。
そんなバカみたいな空想をしながらの日々は、
思ったよりもつまらなさが減ってきて……。

という表題作のほか、あと2作品が収録されている。
どれも期待通りの脱力系。
なんかガッツいたところがちっともなくて。
おおよそいろんなものに対する期待値が低い人間ばかりが出てくる。
生きていくってこんな感じよね。

だけど、文章が楽しい。
ていうか会話か。
この作品でもやっぱり使われているのは関西弁です。
関西弁って、漫才師なんかがまくし立てるみたいにしゃべるイメージが強いかもだけど、
実際はこの作品の中の人たちみたいに、ボソボソしたり、ダラダラしたりしたしゃべり方も多い。

3作品とも、出てくる人たちがみんながんばって働いている。
がんばってといっても、がむしゃらにってわけでもなくて。
うっとおしいな〜などと思いながらも、目の前の仕事に向き合っている。
社会人って、みんなこうなんよね〜。
と、なんかほっとするというか。



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| 津村記久子 | 23:29 | comments(1) | trackbacks(0) |
ワーカーズ・ダイジェスト
この作者の小説は初めて読んだんだけど。
なんだかとても好きになりそうな気配。
なんていうのか、温度とか湿度とかが自分に近い気がしたりして。
肩の力を抜いて、パラパラと読んだ感じの一冊。

32歳の佐藤奈加子。大阪の小さな会社で事務をしながら副業でちょっとした書き物をしている。
彼女は十年来の彼氏と別れて、でもなんか淡々と自分の暮らしをしている。
同じく32歳の佐藤重信は地元大阪から転勤で、現在は東京の建設会社に勤めている。
たまたま大阪に出張していた孝は、シゴト相手として奈加子と知り合う。
ちょっとした打ち合わせがすぐに済んで、すぐに別れて。
お互いに、別に悪い印象はひとつもないけど、取り立てて親しくなろうとも思わないような関係の相手。
苗字が同じというのは仕事上出合ってすぐに分かる。
しかも平凡な苗字のせいで、お互いあまり気にしない。
ところが、年齢が同じことが分かり、生年月日も背の高さも同じことに気づく。
もっと若いころなら、かなりテンションが上がるであろうこのシチュエーションでも、
お互い32歳の男女は、割とさらりと受け流す。

それぞれが別々のところで暮らしながらも、
たまに「あぁ、やたら同じ人がおったな〜。」などと思い出したり。

それぞれが会社で、いろんなできごとに出くわす。
自分が原因ではない何かのせいで、とても嫌な気分になったりとか。
または同僚との間にぎこちない空気が流れたりとか。

まぁ、働くってそいういうの割とあるような気がする。
いろんな苛立ちとか理不尽さとか、やるせなさとか。
そんなものを感じながら、いちいちそれに対応していて泣いたり笑ったりしていた若いころ。
だけどだんだんと、自分とシゴトや会社との距離を上手くつかめるようになってくる。

32歳の男女を通して、そういうのをほんわかと感じさせてくれる。
いろんなものとのバランスが、なんとなく取れるようになってくる感じっていうのかな。
ものすごく淡々としていて、だけど卑下したり諦めたりってわけでもなくて。

この小説全体の、決して高くはないテンションが、今の自分にとても合っていたんだろう。
なんだか働くことに対しても、人間関係に対しても、ちょっと元気付けられた気がする。
めちゃくちゃ頑張ろう!って感じではなくて、
ぼちぼち頑張っていこうかな〜って感じ。
ということで、この津村サンの小説、ほかのもちょっと読んでみようかと思ってます。


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| 津村記久子 | 12:36 | comments(0) | trackbacks(1) |


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