アタシが読んだ本のことなどをさらさらと……



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手のひらの京
評価:
綿矢 りさ
新潮社
¥ 1,512
(2016-09-30)

読み始めたときに感じたのが、柔らかい京都弁のいい感じ。

台詞を目で追っているだけなのに、なんだかほっこりする感じがする。

読み進めるうちに、京都という良くも悪くも伝統的な地が持つ何かをひしひしと感じるようになる。

 

京都は観光で行くところだという認識しかない。

そこに暮らす人たちを羨ましい気持ちがないわけではない。

神社仏閣に疎いアタシでさえ、何度も行ったことがある名所がたくさん。

そしてにぎやかな通りやら、自然やら…。

 

だけど行くと住むとじゃ大違いなんだろう。

地形的にも山に包まれるようにある京都。

心理的にも同じように守られている、あるいは閉ざされていると感じるという。

 

これはそんな京都の狭くて重い地に暮らしている三姉妹のオハナシ。

おっとりした長女は三十を過ぎて結婚に焦りを感じている。

いわゆるモテキャラで女子からは嫌われがちな次女。

大学院でコツコツと研究をする三女。

 

三女が東京で就職したいと言った一言に、まったく理解できない両親。

そこで生まれ育ち、どこよりもいいところだと信じているのは両親だけではなく、三女本人もそうなのに、どうしてもかみ合わない感じが、歯がゆくて、でもなんとなく分かる気がして。

 

最後はハッピーエンド。

この終わり方はもちろん悪くないし好き。

だけどちょっと物足りない感じも。

 

 

 

 

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| その他のヤ行の作家 | 15:47 | comments(0) | trackbacks(0) |
幹事のアッコちゃん
評価:
柚木 麻子
双葉社
¥ 1,296
(2016-02-17)

こういうのイイ。
気分が疲れてるときなんかに特に。

悩んでる人がアッコちゃんと出会うことで前向きになるっていう、
まぁ、単純で簡単で気持ちのいいヤツですわ。

このアッコちゃんが強くてブレなくて、ぐいぐい引っ張ってってくれる感じですごく素敵。
アタシもアッコちゃんに会いたい……。

ていうかコレ、シリーズものみたい。
そのうち読んでみよう。


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| その他のヤ行の作家 | 17:36 | comments(0) | trackbacks(0) |
可愛い世の中
評価:
山崎 ナオコーラ
講談社
¥ 1,512
(2015-05-20)

ナオコーラ
なんていうのか、この主人の苛立ちがなんとなーくわかるわ〜って感じ。
自立した女が結婚してその姿勢を貫こうとすると、やっぱいろいろあるのね!
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| その他のヤ行の作家 | 23:45 | comments(0) | trackbacks(0) |
神の力<上>
評価:
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ちょうど出張があり、新幹線の移動のオトモにバッグに入れて出かけたのがこの一冊。
薬丸岳サンの本は、結構好きなものが多いので、この厚みも気にせずに手に取った。
しかしまぁ、重い。
厚さゆえに物理的に重いというのもあるが、なんといっても内容が重い。
読んでいて気が滅入りそうになる。
ただ、そんな彼を見守る大人たちの目線がやわらげてくれる。
そしてまた、ページをめくる手が止まらなくなる一冊でもある。

家族とか愛とかそういったものと引き換えに天才的な頭脳を与えられた少年。
…って書くと、単純だけど、普通に生まれ育ってきたアタシなんかには想像も及ばない生き方なんだろうな。
彼とそれを取り巻く人たち、それぞれにいろんな問題を抱えてたりするけど、
やっぱりヘビーな感じの生い立ちや生き方をしている登場人物が多すぎて。

帰りの新幹線では、もう席に座るなり読み始め、到着の少し前に読み終わってしまった。
続きが読みたくて、そのまますぐに帰ろうかと思ったぐらい(笑)



内容(「BOOK」データベースより)
殺人事件の容疑者として逮捕された少年には、戸籍がなかった。十八歳くらいだと推定され、「町田博史」と名付けられた少年は、少年院入所時の知能検査でIQ161以上を記録する。法務教官の内藤は、町田が何を考えているか読めず、彼が入所したことによって院内に起こった不協和音に頭を悩ませていた。やがて、何人かの少年を巻きこんだ脱走事件の発生によって、事態は意外な展開を見せる…。


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| その他のヤ行の作家 | 17:29 | comments(0) | trackbacks(0) |
神の子<下>
評価:
薬丸 岳
光文社
¥ 1,944
(2014-08-19)

下巻を読み始めたのが日付が変わってしまってから。
途中でやめられなくなってしまって、気がつけば読みきってしまっていた。
気づけば明け方5時…。

少年院から出て、身元引受人の工場を手伝いながら生活をはじめた町田。
この工場を縁に、奨学金で大学に通うことになる。
大学に通いながら工場を手伝う彼は、それでも周囲に対して閉ざしたままの生き方。
そんな彼が、ちょっとしたことから周りとのかかわりを持ち始める。

なんか、こうやって少しずつ少しずつ変わっていく主人公を、
すごく丁寧に描いている感じがとても好き。
ところが途中から、身近な人も含めて、例の組織の関係が匂い始める。
このあと、どんなふうに展開していくのかと、ワクワクしはじめながらも、
残りページがあまりなくて、どうなるんだろうと思いながらページをめくった。

ムロイ登場以後、あまりにもあっさりと終わってしまったのがなんだか物足りない気がしたが、
まぁ、ハッピーエンドは嫌いじゃないから。

そして、少年犯罪をテーマにした小説をいくつも描いている薬丸さんの
あったかくて、でも現実的な視線に共感する。

おかげでせっかくの日曜日を、半日、寝てつぶしてしまったけど(笑)


内容(「BOOK」データベースより)
身元引受人となった前原悦子の製作所を手伝いながら、大学に通いはじめた町田は、同じ大学の学生たちの会社「STN」設立を手伝うことになる。
周囲は賑やかになり、町田の感情も穏やかになりはじめているように見えた。
しかし、すべての始まりだった殺人事件と、その関係者たちは、町田を放っておいてはくれなかった…。

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| その他のヤ行の作家 | 17:35 | comments(0) | trackbacks(0) |
友罪
評価:
薬丸 岳
集英社
¥ 1,785
(2013-05-02)

犯罪者の社会復帰の難しさを描いたもの……
といえば、割とありがちな話に聞こえなくもないけど、
コレ読んで、『神戸連続児童殺傷事件』を思い描かない大人はいないと思う。

まさに少年のころに社会を震撼させた殺人を犯した男。
彼の更生のために組まれた国家プロジェクト。
そのプロジェクトによって守られる元犯罪者の生活と、
そのプロジェクトによって永遠に縛り付けられるそれと。

この小説では、男は割とまともに更生しているという形で描かれている。
人付き合いができないなどはあっても、やがて心を打ち解ける友人にも恋人にも出会う。
心を許した相手だからこそ、自分が過去に犯した罪を伝えたいという気持ちの一方で、
それを知った相手の態度は、そしてその相手の将来は、すでに目に見えている。
そんな中で、本人とその周りの人たちそれぞれの葛藤が始まる。

……とにかくとっても難しいはなし。
正義とか償いとか更生とか、愛情とか友情とか人間関係とか、
いろんなもののについて「なんだろう?」って考えさせられる。

例えば友人が、恋人が、昔大きな罪を犯したと知って、
自分なら果たして同じように付き合い続けることができるだろうか。
今現在のその人を見ればいいということはもちろん分かってはいても、
実際にどうなんだろうと考えても、ちょっと答えが出ない。

あの「酒鬼薔薇聖斗」もどこかで今、別の人として生きているんだろう。
もしかしたら自分のすぐそばで生活をしているのかもしれない。

一度罪を犯した人も、しっかりと生きていかなくてはならない。
生きる喜びを知ることで、自分が殺めた相手のことを思わなければならない。
そのためには、更生したその人の新しい人生を用意しなければならない。
社会から、マスコミから人生を守るために。
っていうのは理解しているつもりだけど、なんだかやっぱりいろいろ考えてしまう。

あまりにテーマが重過ぎて、なんだか一気に読んでしまったけど、
よく考えたら、周りの人たちの言動が安易だったり、身勝手すぎたりしやしないかと思ってみたり、
一方で、人って結局そんなもんかなって思ってみたり。


内容紹介
過去に重大犯罪を犯した人間が、会社の同僚だとわかったら?―
ミステリ界の若手旗手である薬丸岳が、児童連続殺傷事件に着想を得て、凶悪少年犯罪の「その後」を描いた傑作長編!
ジャーナリストを志して夢破れ、製作所に住み込みで働くことになった益田純一。
同僚の鈴木秀人は無口で陰気、どことなく影があって職場で好かれていない。
しかし、益田は鈴木と同期入社のよしみもあって、少しずつ打ち解け合っていく。
事務員の藤沢美代子は、職場で起きたある事件についてかばってもらったことをきっかけに、鈴木に好意を抱いている。
益田はある日、元恋人のアナウンサー・清美から「13年前におきた黒蛇神事件について、話を聞かせてほしい」と連絡を受ける。
13年前の残虐な少年犯罪について調べを進めるうち、その事件の犯人である「青柳」が、実は同僚の鈴木なのではないか?と疑念を抱きはじめる・・・・・・

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| その他のヤ行の作家 | 14:20 | comments(1) | trackbacks(1) |
村上海賊の娘<下巻>
評価:
和田 竜
新潮社
¥ 1,680
(2013-10-22)

上巻に続き下巻もまたパワーいっぱい。
上巻では陸の戦が描かれたが、下巻では海の戦。
これがまぁ躍動的過ぎて、想像が追いつかない。
宮崎駿っぽいイメージを思い浮かべながら読んだ。
心が強くまっすぐで折れない女。
そしてそれにも勝る心身ともに剛健な男。
なんていうのかなぁ。スピード感いっぱいだし。

毛利家につき、本願寺への兵糧入れを担うこととなった村上一族だが、
実はこの毛利家のもう一つの依頼先、上杉謙信の動向を見ていた。
謙信も毛利家のために兵を出せば、すぐに対応できるよう淡路島まで一千隻の船を進めた。
そこで待機しつつ、もしも謙信が動かなければ、そのまま瀬戸内に引き返すという策。
そして、村上海賊の主、武吉は、謙信が動かないと見ていた。

失意のまま島に帰り、女性として静かに暮らしていた景だが、
父の武吉がたまたま口を滑らせたため、このことを知った景は怒り狂う。
対岸まで兵糧を運びながら、飢える本願寺の門徒を見殺しにするなどありえないと、
単身淡路島に向かう。
その娘を見送る武吉は、海賊の禁じ手となっている秘策が出されるだろうと、自軍の勝利を確信する。
そして景が到着した淡路島でも同様に、秘策が繰り出されるとつぶやく者がいる。
読みながら、ここでどんな「鬼手」が出てくるのかとても興味を持った。
同じ海賊モノでもワンピースなら、どんな奇策でもそんな能力が備わっていると言い切ればいいだろうけど、
この歴史小説の中で、いったいどんな奇策なんだろう?って。

読み終えて感じたのは、実はこの秘策というものこそが、
この長い長い小説の中で、作者が描きたかったことのひとつだったんじゃないかなって。
確か『のぼうの城』でもそうだった。
民を治める者や、兵を率いる者。つまりリーダー。
それによってその配下の者たちの士気はどのようにもなる。
なんだかとても心に残る、いいハナシだ。

後半はもう海の上の戦闘描写がびっしり。
もののけ姫の映像が浮かんだりしながら、やめられずに読み進める。
陸上での戦を上回って人が死にすぎる。
これが戦国時代ってヤツなんかな。
そして、景姫を支える男たちや、対峙する男たち。
どいつもこいつもカッコいいじゃないか。
これもまた映像化されちゃったりするんかな〜。


内容紹介
織田方の猛攻を雑賀衆の火縄が止め、門徒の勢いを京より急襲した信長が粉砕する。
毛利・村上の水軍もついに難波海へ。
村上海賊は毛利も知らぬ禁じ手と秘術を携えていた…。
信長vs.本願寺、瀬戸内と難波の海賊ども…。
ケタちがいの陸海の戦い!木津川合戦に基づく一大巨篇。

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| その他のヤ行の作家 | 12:51 | comments(0) | trackbacks(0) |
村上海賊の娘<上巻>
評価:
和田 竜
新潮社
¥ 1,680
(2013-10-22)

時代モノはちょっと苦手だと自ら認識しているアタシだが、
この作者の小説は、そんなことを忘てしまう。
『のぼうの城』もそうだったけど、生き生きと描かれる人物のせいかな。

この小説で描かれる対立は、織田信長VS大坂の本願寺。
本願寺に兵糧を運ぼうとする毛利家だが、信長陣営に囲まれてしまい、海路しかない中、
その毛利家が頼りにしたのが瀬戸内海の海賊。
村上水軍ってそういえば聞いたことあるよな〜ってぐらいの歴史オンチなアタシ。
その他の登場人物にも聞き覚えのある名前がいくつか出てくるが、
いかんせん造詣の浅いアタシは、その誰にも特段の思い入れもなにもなく読み進む。

で、イチバンのキャラクターは、タイトルにもなっている村上海賊の娘だ。
当時「海賊王」と呼ばれていた村上海賊の主、村上武吉の娘、景。
生真面目な兄と気弱な弟の間に生まれたこの娘がオモシロイ。
容姿は悪く、男勝りで単細胞、戦に憧れる一方で、イケメンが好きだという。
その容姿については、冒頭「醜女」という言葉が使われているが、
背が高く、堀が深く、実は欧米風の容姿だったようだわ。

この女が、その容姿が大坂ではモテるという話に飛びつき、
大坂本願寺を目指す門徒たちを乗せた船に同乗する。
門徒たちは本願寺の砦に無事たどり着き、
景と弟は本願寺を攻めるために信長の配下にある泉州海賊たちの砦で戦を目の当たりにし、
景は自分が戦に対して描いていた憧れをぶち壊され、失意のまま瀬戸内海に帰る。

っていうようなところが上巻。
この時代の戦というのは、とにかくやたら人が死ぬ。
そういうものだったんだろうけど、現代人のアタシらには想像するのも恐ろしい。
ただ、この上巻では、織田家の下に集う泉州の武士や海賊たちの関係が面白くもカッコいい。
武勇をあげるために戦いながらも、相手のことを認めたりして。

この厚みの上下巻2冊って……とか思ったりしたものの、
読み始めたら止まらない。
こういうのをオモシロイって言うんだろうな。


内容紹介
『のぼうの城』から六年。四年間をこの一作だけに注ぎ込んだ、ケタ違いの著者最高傑作!
和睦が崩れ、信長に攻められる大坂本願寺。
毛利は海路からの支援を乞われるが、成否は「海賊王」と呼ばれた村上武吉の帰趨にかかっていた。
折しも、娘の景は上乗りで難波へむかう。
家の存続を占って寝返りも辞さない緊張の続くなか、度肝を抜く戦いの幕が切って落とされる!
第一次木津川合戦の史実に基づく一大巨篇。

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| その他のヤ行の作家 | 12:45 | comments(0) | trackbacks(0) |
大地のゲーム
評価:
綿矢 りさ
新潮社
¥ 1,365
(2013-07-31)

綿谷さんの近作は、近未来が舞台。
っていってもそんなに何かが今と違うわけではなく。
ただ、今よりも電気が使われていなくて夜は暗く
そのせいで、なんとなく活気が少ない感じ。

度重なる地震の教訓を経て、事前の地震予測が確実にできるようになっていて、
非難のためのシェルターも設置されている。
それでも地震からは逃げられない。
やっぱり自然って脅威だわな。

大学の構内に生徒が居る時間帯に起きた大きな地震。
そのせいで学校の中からしばらく出られず、
構内で暮らしはじめた学生たち。
その閉鎖的で絶望的な状況の中、
カリスマ指導者のような学生がひとり。
取り巻き経ちは彼の演説に心酔する。

そんな中起きた暴動。
一人の学生が、学生たちに襲われてリンチ死する。
だけど大災害の直後のできごとは、いろいろとうやむやにできる。
そしてそんな中、また大地震の予報が……。

はっきりいえば、あんまりオモシロイと思えなかった。
出てくる人物の誰にも共感できなかったからかな。



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| その他のヤ行の作家 | 22:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
憤死
評価:
綿矢 りさ
河出書房新社
¥ 1,260
(2013-03-08)

とにかくインパクトがあってつい手にとってしまった。
まずこのタイトル。
「憤死」だなんて言葉があるんだな。
なんて勢いのある言葉だろう。
ところがそれをピンク色のやわらかい文字で描き、
さらにその字の中にハートマークまで入れたりして。
まさに表紙だけで選んだモノ。

で、中身だけど、怖い話。
トイレの懺悔室はホラーっぽくて、
ちょっとどうなんだるうと思ったけど、
ほかのものは、なんか綿矢サン、作家になったんだな〜って感じがした。

標題作は、別の意味で怖かった。
小学生のころからものすごくイヤ〜な女の子が、
大人になってさらにその感じ悪さに磨きをかけて登場。
っていう話なんだけど、なんか憤死ってこんな感じか〜って。

バカみたいな話だけど、こんなふうに自己中心的すぎる人っているよね〜。

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| その他のヤ行の作家 | 21:16 | comments(0) | trackbacks(0) |


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