アタシが読んだ本のことなどをさらさらと……



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彼女がその名を知らない鳥たち

なんとも重苦しい感じ。

あまり気分的にパッとしていないときに読むようなハナシじゃないかも。

 

なんだかダメな大人たちばかりが出てくる。

8年前に別れた男が忘れられない女が主人公。

そんな彼女のことが好きすぎるウダツのあがらない中年男と同棲中。

読み始めてからだんだんとこの男に対する嫌悪感が膨れていくんだけど、

途中からはなんだか主人公の女のほうが嫌になってきて。

それでも最後まで読ませるって、文章に力があるのか。

この作者さん、初めて読んだんだけど。

 

そして終盤は、なんだか出てくる人みんなちょっとずつ狂ってるみたいで、

途中で止め辛くなってしまって。

で、今朝はとっても眠い(笑)

 

読みながらなんとなく予想はできる展開。

推理小説として読むには物足りないんだろうけど、

あー。やっぱりソコに落とすんよな〜という感じで、読み手にストンと落ちる。

 

だけど最後の最後、アレはどーなんだろう。

まさか、それを無償の愛とでも呼ぶんだろうか。

アタシにはちょっとソレ、ないわ〜。

 

 

 

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| その他のナ行の作家 | 12:46 | comments(0) | trackbacks(0) |
デビクロくんの恋と魔法
う〜ん。
中学生とかが読むといいのかな。
ゆるくて優しい男の子のオハナシ。
本屋さんに勤めながら絵本を書いている。
でもデビクロ通信というちょっと変わった新聞をひそかに発行し、
ひそかに配布したりもしている。
この『デビクロ通信』がちょっとカワイイ。

一番近くに居てその存在の大切さに遅れて気づくという、
まぁカワイイ恋愛モノです。
ただ、やっぱり大事な人を大事だと気づくって大事だし、
そこにいてくれることが当たり前過ぎて、その大事さをおろそかにしちゃダメだ。
そんなことをちょっと考えてしまった。


内容
やさしいけど、ちょっとへたれな書店員・光にはもうひとつの顔があった。
夜になると、「デビクロ通信」という謎のビラを、全力でボム(配布)するのだ。
そんな光に、ある日、運命的な出来事が訪れる―。
圧倒的な多幸感に包まれる、この冬読みたい、新感覚ラブストーリー。

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| その他のナ行の作家 | 22:38 | comments(0) | trackbacks(0) |
きみはいい子
評価:
中脇 初枝
ポプラ社
¥ 1,470
(2012-05-17)

学校の先生や子育て中のママなど、それぞれ主人公が違う5編の小説。
共通しているのは舞台が同じ町だということ。
そして家庭の中で起きている子供への暴力とか。

読んでいてとても胸が痛くなった。
親の庇護がなければ生きていくことができない子供たち。
一番安心できるはずの家の中で、密かに繰り返される親からの暴力。
そして、それに気づいても、周りの人にできることは限られている。
こんなことがあっていいんだろうか。
なんだか読みながら哀しくなった。

この中で一番好きだったのが『べっぴんさん』
毎日公園で一緒に遊ぶ子供たちを見守るママ友同士。
そこでは子どもにイラだつことなく、誰もが優しいママ。
そんななかの一人が主人公であるあやねちゃんのママ。

外ではやさしいママでいられるのに、家に入ると途端に子どもに暴力を振るってしまう。
自分で分かっていても止められない。
そして他のママをみて、誰もが同じように外では隠しているんだと思っている。
自分がそうやって暴力を振るわれながら育てられたから。
なんて哀しい負の連鎖。

その連鎖を断ち切っていたママ友がいた。
その彼女は、あやねちゃんが暴力を受けていることに気づいていた。
そして暴力を振るうママもまた、暴力を受けて育ったのではないかということにも。
子どもへの暴力という負の連鎖を断ち切るためには、
誰か周りの大人がその子どもを受け止めてあげることが必要なのかなって思った。
学校の先生だったり、友達の親だったり、たまたま知り合った人だったり。

誰でもいい。
暴力を振るわれている子どもに、『きみはいい子』だって
『きみが悪いんじゃない』って言ってあげられたらいい。
そして暴力を振るう大人にも、気持ちを分かってあげる誰かがいるとずいぶんと違うのかなって。




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| その他のナ行の作家 | 19:17 | comments(0) | trackbacks(0) |
神様のカルテ3
評価:
夏川 草介
小学館
¥ 1,575
(2012-08-08)

このシリーズはやっぱり好きかな。
どの章も冒頭はふとした景色を情緒的に描くところから始まる。
氷灯篭が並ぶ温泉にぜひとも行ってみたいと思ってしまった。

今回も、地域医療のど真ん中で働き続ける医師の一止を通して、
医療のあり方とか医者のあり方とかを描いている。
そして一止をふんわりとでもしっかりと支える妻のハルさんが今回もステキすぎる。

なんとなく読み始めたけど、やっぱりだんだんと引き込まれてしまって。
終盤に向かうにしたがって、読み手のこちらの思いが入り込んでしまうせいか、
または実際にそうい描き方になっているせいかは分からないけど、
なんだか読みながら泣きそうになってしまう。

地方の劣悪な労働環境にある病院に、強く賢く美しい女医がやってきた。
彼女は、気さくで他の医師にも看護師にもいい感じに接するが、
まっさきに彼女の中の何かに気づいた看護師。
そして一止も彼女の中の何かに気づく。

このシリーズを読むたびに、お医者さんってなんだろうなって思う。
最新の医療、最新の技術を施すのが医者なのか。
患者に寄り添うのが医者なのか。
この女医が投げかけた言葉や言動に影響を受け
一止は自らのあり方に、ここでひとつの区切りをつける。
このシリーズはこれで完結なのかな。
ちょっと寂しいような気がするけど。

そうそう。
この一止が愛してやまないコーヒーがイノダだったんだわ。
先日、京都に行った時に入ってみようかと思ってそのままになってしまった。
今度はぜひ忘れずにいってみよう。

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| その他のナ行の作家 | 19:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
修羅の宴
評価:
楡 周平
講談社
¥ 1,890
(2012-07-19)

バブル期のイトマン事件を題材にしたものらしい。
名前は聞いたこと歩けど、なんかエラい人が悪いことしたっていう記憶しかない事件。
銀行から経営が傾いた商社に出向し、それを見事に立て直した男、滝本。
彼がそこからバブルの時代を泳ぎ、そして破滅していく様子を描いている。
読んでいてそんなに面白いものでもない。
やたら人間臭い小説で、良くも悪くもリアル。

だけどなんていうのか、ちょっと物足りない気がするのね。
こういう悪いことする人ってもっと豪快であってほしいというか、なんというか。
銀行という組織の中にあって、学歴がないたたき上げの男が
出向先の商社を自らの城として仕立て上げていく。
そして気がつけばその城を守るために、どんどんと深みにはまっていく。
なんだかその姿は滑稽でありながら、カワイソウでもある。

なんだか最後に桐子さんが出てきてホッとしたけど、
これもまた、読んでいる途中でなんとなく予想できる展開だし。
まぁ、あのなんとも不思議な時代の中で、
それに翻弄されながらも懸命に進もうとする様子は
なんだか別世界のようで。

あの時代をバブルと呼びだしたのはだれなんだろう。
あまりに言い当てている気がして。


| その他のナ行の作家 | 23:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
その日東京駅五時二十五分発
近ごろ、本はなんとかちょこちょこと読むことはできるようになったものの
こうして日記を核時間がなかなか取れなくて。
これも読んでからしばらくたってしまって、覚えてるかしら。

西川美和サン。
この方の撮る映画はいくつかみたし、
本もいくつか読んだはずだけど、
なんだかこれは印象が違うような気がして。

戦争に負けた日本。
そして敗戦の空気が渦巻くその国では、
全員がそれに直面していたわけではなくて、
なんとなく傍観者みたいになってしまった人もいて。
そんな人を描いたもの。

あとがきを読んでなんとなく「あぁ。そうなんか」なんて思ったりして。
戦争体験とかって、なんか辛くて怖くて……というのが多い気がするけど、
なんとなく戦争に巻き込まれたものの、気づけばなんとなくそれが終わってたという
ちょっとボンヤリとした疎外感さえ漂うような人もいたんだって。
その時代にも人はやっぱり前を向いて暮らしていたんだろうなって。

十数年前には阪神淡路大震災。
そして去年は311。
戦争と自然災害を一緒にしちゃダメんだんだろうけど、
戦争も多くの一般の人々にとっては自然災害みたいなものなんだろうと思う。
知らないところで決まったことが知らないうちに押し寄せてきて、
それに抗うことなんてできなくて。

敗戦直後の日本を描いたものにしてはとてもボンヤリした印象の小説だけど、
意外とこういうのって、いつまでも印象に残っているのかもしれない。

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| その他のナ行の作家 | 21:53 | comments(0) | trackbacks(1) |
痛み
評価:
貫井 徳郎:福田 和代:誉田 哲也
双葉社
¥ 1,050
(2012-05-16)

犯罪捜査モノのアンソロジーですな。
馴染みの作家の名前が並んでいたので読んでみたんだけど……。
う〜ん。ちょっとどうなのかなぁ〜。
この本はアタシにはちょっと合わなかったみたい。

1作目は貫井サン。
人を殺した者は死刑という状況となっているという設定で、
死刑制度の運用について問う内容となっている。
殺されたほうがマシなんじゃないかと思えるような傷害を与えるという犯行がおきた。
殺さなければ死刑にならないという状況を逆手に取ったかのような。
……っていうかその被害者の状況を創造した時点で意気消沈。
あとは惰性で読んでしまったせいか、なんだかパッとしない印象。
オチが指紋認証ってねぇ。

つぎの福田さんのがこの3つの中では割と好きなほうかな。
中国人の犯罪が多くて、警察の中にも通訳、特に中国語の通訳が必要で、
単なる通訳ではなく、刑事としての腕を持った通訳が重宝される。
しかも中国人のSを持つとさらに最強。
っていうような男と相棒の刑事のオハナシ。
悪くはないけど、こちらも事件のオチがいまひとつ。

最後の誉田さんのはちょっといただけないな。
拘置所の看守をしている男の話。
これもオチが好きな感じじゃないし、
なんせ読んでて気分がよくないわな。



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| その他のナ行の作家 | 12:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
虚空の冠≪下≫
評価:
楡 周平
新潮社
¥ 1,575
(2011-10)

下巻では、いよいよベンチャーのIT企業が登場し、電子書籍をめぐる企業間競争がメインに。
新聞社からラジオ、テレビと時代の流れを上手く読んで広げていった実力と人脈。
そんな男が、いよいよメディアの王に君臨することを決断する。

この下巻もスピード感があって面白かった。
古くからお世話になった人たちへの恩義を忘れることなく、
それでもしっかりと野心を持ち続けた渋沢。
一度は社内の派閥争いのあおりを受け、会社を終われた彼だが
元の新聞社に長として返り咲き、ようやく傾いた会社を立て直した。

そんな彼の元をIT企業が訪れる。
若い彼らが考えている構想は電子書籍のプラットフォームを作ろうというもの。
海外のプラットフォームの参入。
一方で既存の紙ベースのメディアの反発。
まさにこの世の中で起こっている状況が描かれている。

老齢の今も会長職に位置づき、最後に会社のためにすべきことを考えていた矢先の渋沢は、
そんなIT企業のもちかけに乗らなかった。
一企業だけが設けようという構図に納得できなかったから。
だが黙って眺めている男ではない。
機器の製造メーカー、出版社など、関係業者に呼びかけ、
IT企業がしようとしていることを共同で行うことに。

この小説はある意味リアルすぎるかもしれない。
もともとの舞台となっている新聞社は、ホワイトカラー思考のあの新聞社がモデルだろう。
そしてこの電子書籍の攻防に至っては、リアルタイムで動いているカタカナの名前が浮かぶ。
そのせいでこれだけ勢いよく引き込まれるのかもしれない。
結構面白かったな〜。

この作品にも出てくるけど、やっぱり今のインターネットの使い方をちょっと間違えたんだろうなぁと思う。
情報がなんでもタダで見られるっていう意識が強くなりすぎたのかもしれない。
新聞社も無料で情報をどんどんと流す。
そんな中で、なぜ新聞購読料を払って新聞を読むのか?という意見もよく見かける。
映画や本だってそう。
海賊版なんてものは以前からあったのかもしれないけど、手に入れる機会が限られていたはず。
それがネットに乗せれば、誰もがカンタンに手に入れられたりする。

……そんな流れがあり、近年ようやく少しずつ落ち着いてきたというか、
本来のあり方を考えるようになってきたのかもと思っている。
レコードがCDになり今やダウンロードで購入する時代。
フィルム式のカメラがデジカメになるときだって、頑なな輩はいっぱいいただろうけど、
今やもうフィルムカメラを持っている人を探す方が難しい。

こうして時代は変わっていく。
どんどんと、しかもすごいスピードで。
新聞や書籍だって、電子配信を拒んでばかりいても仕方がないのかもしれない。
そのためにある職種自体がなくなる可能性だってもちろんある。
読みながら、とりとめもなくそんな本当にいろんなことを考えた。

アタシも結構本は読むほうだけど、電子書籍にはまだ食指が動かない。
だけど時代が流れていくのであれば、これまで同様、素直にその流れに乗るんだろうし。
ipadで本を読んでみようと思ったことがあるけど、あの画面が光る感じが疲れてしまう。
ガラパゴスとかキンドルは触ったことがないのでわからないけど、やっぱり専用端末ならではっていうもんかしら?



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| その他のナ行の作家 | 23:33 | comments(0) | trackbacks(0) |
虚空の冠≪上≫
評価:
楡 周平
新潮社
¥ 1,575
(2011-10)

久しぶりに重厚な本を読んでみた。
上下巻モノはここのところ長らく手を出してなかったな〜。

どこかでちょっとみたのが、近年の書籍のデジタル化を描いた小説だというもの。
ところがコレ、読み始めていきなり設定が戦後間もない日本。
あれれ?デジタルアーカイブの話は??
と思いながらも、読んでいるうちにだんだんと引き込まれていく。

戦後の混乱の中で新聞社に入社した海軍あがりの渋沢大将。
一介の頼りない新入社員が、米軍がらみの事故に巻き込まれる。
その事故をめぐって、報道のあるべき姿と米軍との取引の間に飲み込まれる。
それをきっかけに政治力とのパイプを築き、一流記者と呼ばれるようになる。
その後も時代の流れに、権力争いに翻弄されながら、
後に、メディア界のドンのような存在となる彼の生き様を描いている。

一晩で一冊。
下巻もあわせると寝不足決定。

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| その他のナ行の作家 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) |
介護退職
評価:
楡周平
祥伝社
¥ 1,470
(2011-07-29)

この作家の小説は、たまに読むけど、悪くないという印象。
本策はタイトルと作者でチョイス。
楡さんの作品で以前に読んだ『プラチナタウン』の流れのものかな?
と思いつつ、それにしちゃタイトルの印象が違いすぎるぞと思いつつ。

読み終えてみて、あまりのひねりのなさに驚く。
内容はタイトルそのもの。
故郷でひとり暮らす母親が骨折→入院→介護。
都内のマンションでの妻と息子との平和な3人暮らしが一転する。
会社では役員争いをするほどの社員だったはずが、
介護のために閑職に追いやられ、とうとう退職。
というまぁ、まっすぐな内容で逆にビックリ。

しかも、いかにも性善説がすぎる気がする。
妻が文句も言わずに夫の親の介護を引き受けたりするもんだろうか?
その妻が倒れてしまい、妻の両親の手も借りることに。
実の弟は役に立たないものの、その妻がまた介護に精を出したり。

確かに、テーマと方向性はこうあるべきなんだと思う。
こういう状況ってこれからどんどん増えていくはずだし。
ただ、あまりにもご都合主義の展開に、ちょっとなぁ……。
どうせご都合主義に走るんなら、プラチナタウンみたいに夢いっぱいの世界がいいな。


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| その他のナ行の作家 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) |


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