アタシが読んだ本のことなどをさらさらと……



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おいしいごはんが食べられますように

なんだろう、これは。

読みながら落ち着かなさとか共感とか、大きくはないけど普段ちょっとした時に感じる嫌な気持ちをうまく拾ってくれてる感じ。

食べ物と仕事と恋愛と…という普通の話なんだけど、好きな本。

サクサクと読んでしまった。


以前、職場でよく感じていた違和感。

守られる側の人のと、その分を穴埋めする人。

仕事ができなくても仕方ないと周りから気遣われ、庇われる人って、どこの職場にもいるんだと思う。

それを肩代わりしながら、なんとなく釈然としない気持ち。

それと分かっていてうまく立ち回りながら、どこか醒めている主人公と、正面から向き合う同僚の立ち位置も面白い。

押尾さんと主人公の会話に共感することが多かったな。


けど、職場にはびこる釈然としない気持ちも、少し立場が変われば別の見方をするようになってくるもんで。

今や、肩代わりしている人が報われるためにも、できない人が上手くできるやり方や仕事を考えなくちゃいけない。

これはこれで、相当疲れる。

働きアリの法則とかが頭に浮かんでくるし。

それを片隅に押しやりながら悩む。





| その他のタ行の作家 | 16:17 | comments(0) | - |
ポースケ
評価:
津村 記久子
中央公論新社
¥ 1,575
(2013-12-09)

なんていうことのない小節。
奈良にあるカフェの店主や従業員、お客さん。
集うと言うほどでもなく、でも顔見知りの人たちが、
それぞれいろんなことに悩んだりしながら生きてる。
ただそれだけのもの。
だけどなんかホッコリする。
いいな。こういうトコがあるのって。
そして店主が思いついたポースケ祭り。
少しずつ接点のアル人たちがカフェに集う。
なんだかほんわかしてるな。
でも、みんなちゃんと前を向いていくんだな。

内容
奈良のカフェ「ハタナカ」でゆるやかに交差する、さまざまな女の人たちの日常と小さな出来事。
芥川賞受賞作『ポトスライムの舟』から5年後の物語。

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| その他のタ行の作家 | 22:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
黄金を抱いて翔べ
銀行ビルの地下に眠る近海6トンを狙うという大きな犯罪。
企てた男は仲間を集める。
彼らはお互いに信用しながらも、疑いも持っている。
大阪の混沌として猥雑な雰囲気満載。

というかコレ、映画化されてるんだってね。
もうそろそろ公開なのかな。
そう聞くと、なんとなく納得するようなかんじ。

反抗までの計画は綿密で、それに向って進められる準備もワクワクする。
で、いざ乗り込む直前になって、また問題が起きる。
そしていよいよ決行の日。

分刻み、秒刻みでそれぞれの役割を進めていく。
あぁ。映像が目に浮かぶようです。

とはいえちょっと物足りなさも感じないでもないんだわ。
人間模様をいろいろと描いている割には、ちょっと動機が不明だったり、
硬派な幸村がモモに寄せる想いにはちょっとひいてしまったり。

とはいえいい勢いで読み進むことができたんで、やはり面白いんだろうと思う。
映画、観てみようかな。

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| その他のタ行の作家 | 22:52 | comments(0) | trackbacks(0) |
トッカン the 3rd: おばけなんてないさ
知らない間にこのシリーズはドラマ化されているらしい。
しかも主役は井上真央ちゃんだそうで。
ならなら鏡特官役は誰なんだろう。
……というぐらいテレビドラマに疎いアタシです。

ところで今回も相変わらず前2作と同じ装丁。
これはあえてなんだろうけど、わかりにくいったらないわ。
で、作品のほうも前作前々作に続き、ぐー子と鏡のコンビが活躍。
このコンビの関係に変化があるのかと思わせるような展開を途中でチョコチョコはさんでいて、
さてはまたコレ次作品を考えてんのかな〜なんて。

今回のテーマはタイトルにあるように「おばけ」。
っていうことを意識させたいせいか、ところどころに「おばけ」を絡めてくる。
このサブテーマ、いるかな?

今回ぐー子が担当する案件が、悪徳霊感商法っぽいもの、産廃の違法処分、生活保護の不正受給っていうのに、脱税が絡んでいるもの。
3つともまぁ、ちょっと前にやたら話題になったものですな。
ただこれ、ちょっと詰め込みすぎたんじゃないのかな?
徴収官はいくつもの案件を抱えてて、同時進行で対応してるんだよ。
っていうことであえてこうしているのかもしれないけど、
なんだか中途半端な感じで。
できたら一つに絞ってもうちょっと深く描いてほしいというのがアタシの気分。

特に、冒頭に出てきた不幸な酒屋一家の話は、最後、事案が解決したかと思ったあとでまた持ち出してきて、
読んでる側としては「あ。そういえばそういうのもあったな」っていう感じで。
この問題は、本当に切実な話だし、こんなにポンと描いて、しかも後味が悪い結末で。
なんだかこの事案の閉じ方で、イメージが下がるような気がした。
エンディングで鏡の元妻の言葉で、鏡のマンションの謎が解けて、少し取り返した感じだけど。

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| その他のタ行の作家 | 17:51 | comments(0) | trackbacks(0) |
とにかくうちに帰ります
アタシが近年気に入っている、津村サンの働く人たちの小説です。
短編集だけど、いくつかはどこかほかで読んだことがあるものでした。
表題作の『とにかくうちに帰ります』は豪雨の中帰宅する人のオハナシ。

かなりの豪雨が予想され、会社でも終業時間を待たずに帰宅命令が出ている。
今からピークに向かって帰宅するべきか、
ピークが過ぎるのを待って会社を出るべきか……。
あぁ〜ソレ、わかるな〜って強く同感。
こういうときって賭けみたいなもんよね。

で、結局タイミング悪く出発し、目指したバス停にはバスは来ず、
仕方なく歩いて帰る会社員。
OLの部とオジサンの部とが描かれている。

オジサンはたまたま入ったコンビニで知り合った小学生の男の子と、
OLは同じ会社にいながら、興味を持ったことのない後輩の男の子と、
それぞれ豪雨の中、寒い思いをしながら歩き続ける。
この2組の組み合わせが最後には間接的にかかわりあったりして。

こういう非日常の感じって、なんかワクワクするけど、
やっぱり本格的に困ってしまう状況になるとツラいな〜。
というシチュエーションを描きながらも、
人としてのかかわりとかあったかさも伝わってきて。

ほかの短編の中では田上さんの編が好き。
仕事をする姿勢としてアタシも取り入れることにした。

   不誠実さには適度な毒をもって応える。
   誠実さには全力で応える。

これを今年の一か条とすることにした。


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| その他のタ行の作家 | 12:44 | comments(0) | trackbacks(0) |
ジェノサイド
評価:
高野 和明
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 1,890
(2011-03-30)

話題の本ということで、まぁ読んでみるか〜って感じで。
読み始めたのはいいんだけど、序盤から中盤にかけてはなんだか楽しくなくて。
この厚さだし、途中でやめちゃおうかなどと思ったりもしたんだけど。
後半からグッと引き込まれていった。

アメリカを中心とした国際軍事情勢とか
日本の研究者の周辺とかを描きながら
本題は人類の進化とSFときたもんだ。
どんだけご都合主義な展開だと思いたくなるけど、
なんせ人知を超えた存在が裏にいるとなれば、もうなんでもアリのはず。

この小説の中で、学者がいう。
誕生から2万年たっても人間は相変わらず殺し合いをやめられない。
大量惨殺(ジェノサイド)を行う生物は人間だけだと。
動物たちは生きるためにほかの生き物を殺す。
ときには同種のものや親を食べて生きるという生き物も。
だけど、自分の欲のために同種を殺すのは人間だけ。
戦争というジェノサイドは常に世界のどこかで起きている。

なんだかなぁ。
すごーく考えさせられる小説だった。
人は驕りすぎているのかもしれない。
自分たちより優れた生物はいないと信じて疑わない。
だけど、この世界のどこかに、進化した人間がひっそりと暮らしているのかもしれない。
人間よりも優れた知能を持つ生き物が。
エマとアキリみたいに、心ある人間に保護されながら。

おもしろかったな〜と思ったんだけど、
ふと思ったどうでもいいことを書こう。
途中、作者は日本人ではないのか?と思ったりもした。
小説に関係があるわけでもない部分で、日本や日本人を無駄に悪い印象で持ち出してくる感じが。
それが何かこの小説の流れに関係を持たせているのかといえばそうでもないし。
ただ単に作者がそういう歴史観を持っている人ってだけなのかな?
こういう無駄な部分を整理すれば、せめてもう少し分量的に読みやすい程度に収まるんじゃないかと
読者が考えなくていいようなことを考えてしまった。

とはいうものの、やっぱりこんだけの長い小説をどんどんと読み進ませる力ってすごい。
コンゴからの脱出劇は手に汗握る緊張感があり、
タイムリミットぎりぎりの新薬の開発も、追っ手が迫ってたりで気が気でない。
そしてあのボタンを握っている大統領の人間臭さとか、
出てくる学者や研究者の真摯な姿とか。
どきどきしながら読めるいい小説です。


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| その他のタ行の作家 | 19:17 | comments(0) | trackbacks(1) |
ジョブズVS松下幸之助
スティーブ・ジョブズ没後すぐにたくさん彼のことを書いた本が出た。
なんだか気後れしてしまって読めないまま時が過ぎてしまった。
何で今になってこの本を読んでみようかと思ったのか覚えてないが、
まぁ、日本とアメリカそれぞれの成功者の一人を対比してみましたっていう本。

この2人の似ている部分。
どちらも成功者であるのはいわずもがな。
どちらも自らが一代でその地位と財産を築いたということ。
どちらもワンマンであったということ。
そしてどちらも未来を予測する力を持っていたこと。
などなど。

逆に彼らが正反対である点は人との関係にあるという。
足し算の松下幸之助と引き算のジョブズ。
周りを信じず、助けてもらった人を引き摺り下ろしてでも自分のやりたいように進めるジョブズ。
カッコいいかもしれないし伝説っぽいけど、日本人のアタシにはやっぱりちょっとなぁって思ってしまう。

一方で、とにかく日本人的な幸之助のやり方に、とても感動する。
戦後不況で仕事がないときにも、人員削減をせず仕事を半分にし、給料はそれまでどおり支払ったという。
また、高度成長期がひと段落しモノが売れない時代になり、代理店等の不満がたまっているときの会議では、
2日間、すべての代理店などの文句を聞き、最後に「すべての問題は会社にあった」と涙ながらに謝罪したという。
実際には会社のせいではなく、売れない時代にあったというだけなのに、そのヒトコトをいうことで、代理店が奮起して売り上げを伸ばしたそうで。
これを計算ずくでやっているんだとしたらコワいけど、そうでもないらしい。

怒り出すとにかく怒鳴り散らしてタイヘンだったというのが意外だけど、
それでお怒鳴った相手に翌日には『調子はどう?』などとケロリとして声をかけるという。
一方のジョブズは、怒鳴り散らしたらもうその相手とは終わり。
ジョブズの元に辞表を出しにきた社員が、自分の席に戻ったらもうすでにネットも何も使えないようになっていたというほど。

というようなエピソードがたくさん出てくる。
聞いたことがあることから意外なことまで。
やっぱエエこと言ってんな〜とか思いながら読んだけど、
なんていうのかなぁ、心に残らない感じ?
思いのほかヒトゴトとして読みきってしまった。
なぜかしら??


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| その他のタ行の作家 | 17:45 | comments(0) | trackbacks(0) |
まともな家の子供はいない
ツムラさん、アタシ結構好きなんだけどなぁ。
これはまぁ、鬱屈した中学生のハナシ。
父親がとにかく嫌い。
母親もうざったい。
妹も腹立たしい。
そのためセキコは今日もどこかに出かけたい。
とはいえ夏休みの中学生には行く先が限られている。
お金があるわけでもなく、友達の家か図書館か。

そしてそんな中で、学校や塾の友人と付き合ううち、
一見平和で普通でうらやましいと思えるような友人の家族も、
またどこかちょっとおかしかったりすることに気づいていく。

中学生、高校生特有のあのうっとおしいイライラ。
そういう感じがいやなほど伝わるオハナシ。
とはいえやっぱりもうちょっと楽しい本読みたいな〜。


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| その他のタ行の作家 | 00:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
トッカンvs勤労商工会
前作がなかなか面白かったな〜という印象。
で、これを見かけたんだけど、前作と似たような表紙で、
つい新作というのを見逃すところでした。

今回は、鬼のような上司、鏡が窮地に追いやられるという
なんともスリリングはエピソード。
そのせいで、その部下である主人公のぐー子と鏡との絡みが少ない。

今回も悪くはないんだけどねぇ。
前作ほどのパワーは感じられなかったなぁ。
なんか税務署の仕事のことがたくさん分かっていいのはいいんだけど、
ちょっと盛り込みすぎで説明チックに見えたりもして。

あぁ。だけど、最後の木綿子先輩と、ぐー子の同僚の女性職員とのやり取り。
あそこはよかったな〜。
木綿子先輩が、相変わらずカッコいい。
ていうかこれまた続編とかできるんだろうなぁ。

 

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| その他のタ行の作家 | 23:43 | comments(0) | trackbacks(0) |
ぬるい男と浮いてる女
評価:
平 安寿子
文藝春秋
¥ 1,300
(2009-10)

なんかちょっと一般とはズレたところのある人たちっていうのかな。
いわゆるちょっと変わった人たちを主人公にした6つの短編。
最初の「長い目で見て」が、ちょっと気に入って続けて読んだ。
この主人公は開業医になりたくて、開業医の父を持つ男と結婚した女。
つまり彼女の夫はお坊ちゃんであり、なんか情けないほど愚かな男。
その夫や、やはり愚かな甥の失敗。
自分に被害が及ばない範囲で、サラリと夫のやりたいようにさせて義務を果たす女。
空恐ろしいっていえばそうかもしれないけど、こういう女、キライじゃない。

ほかにも、お葬式にばかり出たがる女とその彼女に惹かれる同級生とか。
いわゆる草食系といわれる男子とか。
会社を定年してから週一度のバレエを楽しみにしている独身女性とか。
なんとなく靴屋の店員をしている、ぼんやりとした男とか。
そばにある電気製品がなぜか狂ってしまうという体質を持つ女とか。

とにかくまぁ、一見普通だけど、なんかちょっと変わってる人たち。
そのズレかたがちょっと面白いのと、描き方がちょっと辛口なのがイイ。


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| その他のタ行の作家 | 21:02 | comments(0) | trackbacks(0) |


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